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2007.09.01
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カテゴリ:日常のこと

 
 用事があって出掛けた先の近くにある琴滝へ寄ってみた。自家からもそう遠くはないのでここに滝があることは知ってはいたが今まで訪ねる機会がないままに過してきたのだ。実際に行ってみれば落差40メートルと言う丹波山地としては思い掛けない高さの滝ながら水量は多くなく、岩肌をなめるように水が流れる滝だった。この姿を13本の糸が張られた琴に例えてこの名前が付けられたのも納得がゆく優美な滝である。
 滝周辺は公園として奇麗に整備されており、滝の上には農業用のため池がある。滝の脇にある小道を上ればすぐに池に着く。上下に分れてふたつあるため池は大正末から昭和の初めに掛けて干ばつの対策のために作られたものだというが山村の命運を賭けた悲願であったからこそ数年の歳月を掛けてこういう仕事が実現し得たのであり、こんな山の中での大規模な工事は重機に頼ることが出来なかった当時のことだからどれだけ大変な難工事であったかという気がした。

 出掛けにふと琴滝に寄る気になりカメラを提げて出掛けたのだが、ものを撮る時にいつも使っているマニュアルフォーカスのマクロレンズではなくひさびさのDX18-70のオートフォーカスレンズを付けて出掛けた。これで滝の写真を撮ってきたのだが帰って見ればことごとくピントがずれている。カメラ側のスイッチがオートフォーカスになっていなかったのを忘れてピントも合わさずに撮っていたのだから我ながらあきれてしまう。結果は御覧のとおりで・・・
 ため池のまわりには畳にするイグサが生えていたのでこれも写してきた。こういうのはさすがに気が付いたのか設定を触った時に無意識でフォーカスのスイッチも切り替えたようだ。イグサは途中にこういう特徴的な可愛らしい実がつくので植物に疎い自分でも一度教わったら間違わない。



 ところで滝の手前の車が入るところに京都の荒巻前知事の揮毫した恥知らずな石碑があるのだがこういうのは本当に本人が言葉を考え文字を書くのかどうかは知らないが石のかたちも悪ければ刻まれた言葉もありきたりのものでやり切れない。飛瀑がどうとか言うふうな言葉だったとおもうが琴滝を見ればそういう滝ではないことは明らかでありこんな言葉を選ぶはずがない。実際にここを訪ねて見ることもなくこういう無責任なものを作らせたに違いないのだ。滝周辺を公園整備した時にこれは出来たのではないかと思うが、こんなものを建てても少しも景観をうつくしくしてはいないのも嫌な気がした。

 変なものを見たあとは口直しならぬ目直しが必要だが、滝のすぐ近くに玉雲寺というお寺がある。道路から見上げればそのしっくいの壁や石垣もうつくしいが、苔むした石段が山門の正面を外して付けられているのも素晴らしい配置である。それになにより木や草までが少しも荒れたふうではなく手入れが行き届いている生き生きとした気配に大いに感心した。こういう山寺を維持管理するのは大変なことであるというのは容易に想像出来るが、ご住職一家や地元の方々の厚い信仰心がこれを実現しているに違いなくそのことに大変頭が下る思いがしたのである。






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Last updated  2007.09.03 03:47:50
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