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キイロマンの地球観撮日記

キイロマンの地球観撮日記

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2022年07月14日
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カテゴリ:観劇
「小鍛冶」という能の演目を国立能楽堂へ見に行きました
能には、これまであまり馴染めなかったのですが
しばらく前にネット鑑賞した道成寺あたりから関心を持ち始めた

相槌を打つ、というのは
刀鍛冶の工程で使われる言葉
親方の技量に見合った相槌を打つ人がいないと、思うような刀は鍛えられないのだそうで

昔々の話
一条の院にて、帝の夢のお告げをもとに
三条の刀鍛冶 宗近 に、御剣を打たせよ、との勅諚が出された

宗近は有能な刀鍛冶ではあったが
自分の技量に劣らぬ相槌を打つ人がいなかったので困っていた
そこで氏神の稲荷神に詣でることにした

「かやうのおんことは神力を頼み申すならではと存じ候
 それがしが氏の神は稲荷の明神なれば、これより直に稲荷に参り
 祈誓申さばやと存じ候」

するとそこへ見たこともない不思議な少年が現れる
いかにも訳知りで、宗近の悩みを察する言を放つ
どうやら稲荷神の化身のよう
稲荷神は宗近の相槌を打つことを約束する

ある日 宗近は
祭壇を据え、しめ縄、幣帛を飾り、稲荷神を迎えることに

しめ縄 幣帛

いよいよ祭壇に現れた稲荷神とともに、宗近は槌を打ち、見事な剣を仕上げる
剣の銘には表に 宗近 裏には 子狐 と打たれた
めでたし めでたし 

というお話

前もって台本を読んでおけば
古文でも理解がいくので、リアルタイムで話を追えた
しかも今の国立能楽堂では、席の背面にモニターがついていて、台詞が進行に合わせて表示される
これはありがたいですね


殆どの方は興味ないでしょうけど
いちおう動画を載せておきます




稲荷神だけ見たい? そうですよね
44:30 ぐらいから出て来ますので
数秒でも御鑑賞あれかし
600年前の人の考える稲荷神の姿です

縁起のいい話ですね
能楽というのはもともとは神事だそうで
なので歌舞伎のように観客へ礼をしたり、謝したり、媚びを売ることが一切ない
シズシズと現れて シズシズと去っていく
所作も、オーバーアクションの歌舞伎とは逆に、削りに削って必要最小限の動作に留める
品格と静かな緊張感がある
それこそ なにやら宗教的な行事 神事の所作にも想えてくる
いかにも効き目がありそう 霊験あらたか 笑
世の神官も能を学んでその所作を身につけたほうがいいのではないか
と想ったり・・・

41:00あたり
幣帛を振って 稲荷神 を招く

BGMの地謡

願わくは。
宗近私の功名にあらず。
普天率土の勅命によれり。
さあらば十方恒沙の諸神。
只今の宗近に賜び給えとて。
幣帛を捧げつつ。
天に仰ぎ頭を地につけ。
骨髄の丹誠聞き入れ納受。
せしめ給えや。





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最終更新日  2022年07月15日 11時05分39秒
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