アリアドネの弾丸
海堂尊:著 アリアドネの弾丸を読みました。チーム・バチスタの栄光で お馴染み、田口&白鳥コンビのシリーズです。前作のイノセント・ゲリラの祝祭 が、残念ながらミステリーとしては(作者はミステリーとして書いてないのかもしれないが)面白くなかったので、今回もどうかしらと思っておりましたが、この作品は最初からググッと引きこまれました~ 司法と医療会の対立をベースにAI(死亡時画像病理診断)の重要性を問う、著者のテーマとも言うべき作品の一つです。司法(警察)のあり方、どこまでが現実にあることで、どこからが物語なのか。考えたら怖くなります。 今回の作品では、いつもはちょっと辟易させられるロジカルモンスター白鳥が、とってもまともな人物に感じられました。いや~見直したよ~、白鳥君グッチーこと田口センセは相変わらずです。鈍いよ~なぜに自分をエーアイセンター長に推薦した人物が思い浮かばないのか。ちょっと考えれば、「あの人」しかいないではないですか~、 ねえ。そんな所が田口先生が田口先生たる所以なのでしょうが。 今回は、ナイチンゲールの沈黙 に登場したレティノブラストーマを患った牧村瑞人くんが登場しています。その後、彼はどうしているのかな・・・と気になる存在であったので、ちょっとホッとしました。それからそれから、桜宮を舞台とした作品で登場する「でんでん虫」の生き残り。次回作あたりで中心人物になりそうな・・・