アダム・クーパー主演『兵士の物語』観劇
東京芸術劇場プレイハウスで公演中の『兵士の物語』を観てきました。ストラヴィンスキーの音楽に、芝居、ダンス、バレエが融合した?舞台です。このタイトルはこれまでにもいろいろな形式で上演されていたようですが、私は全く知らず、今回もアダム・クーパーが出ていて、オリジナルグッズ付きというチケットにふらふらと呼び寄せられて(笑)行ったまででして。昨日、この公演のfacebookに「60分で12000円は出せない」というような書き込みを見て、「えっ?たったの1時間しかやらないの? ほんと、それは高いわーーー だからチケットの売れ行きがあまり良くなくてグッズ付きとかでたのか…」と思ったくらいですわ。<ストーリー>休暇を取って故郷の母を訪ねる兵士。途中で老人と出会い、兵士のヴァイオリンと老人の不思議な本を取り換えて欲しいと言われる。最初は断るも、3日だけヴァイオリンを教えてほしい、遅れた旅程は彼の素晴らしい馬車で送るから大丈夫だと言われ、受け入れる。そして結局、ヴァイオリンは老人の手に。母は兵士をみて悲鳴を上げて家に逃げ込み、婚約者も別の人と結婚していた。実は、かれが出会った老人は悪魔で、彼と過ごした3日は人間界ではもっと長い月日だった。悪魔の本で兵士は大金持ちになるが、心は満たされない。悪魔からヴァイオリンを取り返すも、もうヴァイオリンを鳴らすことはできなかった。全てを捨てて旅に出た兵士は、とある国で王女が病気だと知る。悪魔とのカードでわざと負け、悪魔の本によって得た金を全て返し、悪魔の支配から逃れる。王女の病を直し結婚。しかし、そこへ悪魔が出てきて「国境を越えたらひどい目にあう」みたいなことを言う。王女と幸せに暮らすも、母と暮らした日々も忘れられず、王女にもせがまれ故郷を目ざす。しかし国境を越えたところで、悪魔が現れ・・・と言った感じ。感想はといいますと・・・難しかったわ。一応、話は予習して行ったんですけれど、字幕を追えば舞台から目を離すことになり、舞台を見ていると、字幕で大事な台詞を見逃すし。ミュージカルと違い歌が無い分、英語台詞が以前よりは少し聞き取れるようになったけれど、まだまだ単語レベルですから微妙なところがイマイチなのですわ。ラストも「あ、これで終わりなんだよね」と思いつつも、あれ、みんな拍手しないけど、まだ続きあるの?なんて思っていたら、静か~な舞台に出演者が出てきて、パラパラと拍手。次第に大きくなりましたけれど、なんだか私も含め(いや、私を筆頭にか?)観客が舞台を理解できてない、と出演者が感じたのではないかと思い、とてもとても出演者に申し訳なく気の毒になりました。そういえば、一番前列に小学生か中学生くらいの子が座っていましたが、理解できたかな?って人の心配している場合じゃなくて、自分の理解度不足を反省せいっ!舞台美術は、退廃的ムードが漂い、悪魔が描かれた背景が何となく不気味。狭い舞台なので、派手な踊りはあまりありませんが、小気味な動き、艶めかしさ、クラシックバレエの要素もモダンバレエの要素も含んで面白い。大劇場では味わえない雰囲気を味わったという感じ。出演者は兵士のアダム・クーパーの他、ストーリー・テラー、悪魔、王女(婚約者と一人二役)。アダムがかっこいいのは勿論ですが、ストーリー・テラーのサム・アーチャーもアダムと同じくらいの体格で見栄えが良く、二人が前に出て来ると、迫力というか圧迫感と言った方がいいかな、感じました。悪魔が老人、老婆、中年紳士?と化け、最後に悪魔本来の姿を現すのですが、本来の姿が凄くリアルで、出てきた瞬間ゾッとしました。もう一回観たら、細かいところがもっとよく理解できると思います。会場ではリピーター価格(半額くらい)でチケットが買えたので、買っちゃおうかと思ったけれど、行ける日程もないので止めました。オリジナルグッズ付きチケットで、何が付いてきたかというと、これ。タオルでした。