S.K.トレメイン「氷の双子」
氷の双子 [ S.K.トレメイン ]≪内容紹介より≫一気読み必至、双子の死の謎を巡るスリラー 六歳の双子の娘のひとり、リディアを事故で失ったアンガスとサラの夫婦。一年あまりの後、二人は家族の再出発のため、ロンドンからスコットランド・ヘブリディーズの孤島へと移住を決める。ところが、残された娘カースティにそのことを告げたサラに向かい、娘はこう言った。「どうしていっつもあたしのこと、カースティって呼ぶの、マミー。カースティは死んじゃった。死んだのはカースティだよ。あたしはリディア」 愕然とするサラの胸にある疑惑が芽生え、それは日に日に肥大化していく。そして孤島という密室に閉じ込められた一家に、次々と不可解な出来事が起こるーー。 刊行とともに英国でベストセラー1位を獲得、各メディアからも大絶賛された超話題のノンストップ心理スリラー。孤島の美しくも厳しい自然の中でじわじわと追い詰められていく夫婦をスリリングに描いた、一度読み出したら止まらない2016年イチオシの一作! 亡くなった娘はどちらの娘なのか。娘の死の本当の原因は何だったのか。これが答えなのか、と思うとあっと言う間に覆される。じわじわと怖い。最後の方は鏡のある部屋では読めないそして我が身に置き換えたとき、微妙に当てはまることがあるとなおのこと怖い。何が当てはまる?自分では思っていないのだけれど、子ども言わせると気が付かない内に贔屓をしているらしい。そう、下の子に言われることがあるのです。「どうせ○○の方が好きなんでしょ!」と。好きとか嫌いではなく、普段の生活態度でこちらの出方が変わるじゃないですか。例えば普段から、下の子はあれこれ買ってと煩くて、全部ではなくてもちょこちょこ買うことに。一方、上の子は必要な時しか言わないから、当然親も文句なく買うわけです。と、下の子は○○には「いいわよ~っ」てあんなにたくさん買ってるじゃん!!と思うらしい・・・でも、トータルすれば下の子の方がたくさん買ってもらっているのだけれど、本人はそれに気づかない。機嫌よく買ってあげているのだから、上の子の方が好きなんでしょ、と思うらしい。こんなことでも、積み重なると鬱屈していくのかなーとちょっと不安になりつつ読みました。が、結局はこの物語の直接的な起因は、愚かな女にあっただけのことだったのかちょっと微妙なところです。