月組大劇場公演『エリザベート』
ぼやぼやしていたら前回の更新から1ヵ月近く経っていましたとはいうものの、ぼやぼや過ごしていたわけではありません。大劇場公演中の月組『エリザベート』をしばらく前に観に行ってきました。本当にもうっ エリザというだけで、チケットが本当に手に入り難くて嫌になっちゃいます。長く月組トップ娘役を務めてきたちゃぴちゃん(愛希れいか)の退団公演。この公演が発表になった際、そして制作発表の様子が放送された時には、あれこれ煩い声も聞こえてきましたが、私はとっても楽しみにしていました正直、個人的にはフランツとルキーニの配役は逆の方が似合うよねとは思いました。でも、似合う役、想定範囲内の役ばかり演じるのが良いとは思いませんし意外性が楽しみだったりしますしね。そんな訳でうきうきして観てきました。珠城さんのトートは嫌いではありません。私の思い描くトートは大柄なことが一番なのです。東宝系のトートのイメージというのでしょうかね。その意味では、体格のしっかりした珠城トートはビジュアル頬にもう少し陰影があった方が雰囲気があって良かったかな?高身長のちゃぴちゃんの後ろに立っても、ぐわっと被さる感じが出ていました。妖しさは?と言えば、若干足りない気もしますが、観に行ったのは開幕して2週間くらい。回を重ねるごとに妖しくなってる、と思います(多分・・・)宝塚人生の集大成となるエリザベートちゃぴちゃん。子ども時代のシシィは予想通りの元気で可愛らしかった。大人になってからのシシィは凛として強く、堂々とした皇后でした。でも・・・ちゃぴちゃんが演じたかった役なのでしょうが、彼女の個性が引き立つ役ではないとも思いました。ちょっと宝塚の娘役という枠では収まりきらない、彼女にしかない個性。退団公演にするのはどうかと思うけれど、AFOやBADDYのような作品の方が良かったな。というか、エリザベートという役そのものが、私には魅力的に見えないからかも。自己中ですよね、結婚する前に皇后にも皇帝と等しく義務があると言われているのに。母としても子どもの教育は自分ですると言っておきながら、全くしてそうもないし。そしていつも思うのですが、あんなに元気で子どもっぽいシシィのどこにトートがあんなにも魅かれる部分があるのでしょう。 死がそれまで知ることのなかった生に触れ、何かが琴線に触れたのですかね?ホントにそこがいつも良くわからない(私の感性が鈍すぎ?)皇帝フランツの美弥さん優しくシシィ大好きな感じが良く表れたフランツ。正直フランツにはちょっと線が細すぎと思いましたが、きっと内に秘める神経質な部分とかがありそうな、見た目はそんなフランツでした。低音が魅力の美弥さん、思った通り低音はブレない安定感たっぷりでした。すごく歌うまと思っていた方でも、低音部分が聴き取り難いフランツもいましたから。その分、ちょっと高音が美弥さんにしては珍しく女性声?というのかかなり普段と違う声音になっていましたが、相当音域広くないと難しいのですね。ビジュアルが出た時からひゃーっとなった、ルキーニ(月城かなと)。先にも書きましたが、本当は美弥さんルキーニ、かなとくんフランツの方が簡単にイメージ出来たのですが、ポスター画像が出て納得のルキーニ。ビジュアルだけで、120%満足してしまった。ですが、CSの稽古場情報で、ルキーニ苦戦中と組長さんが言われていて・・・どんな感じなのだろうと思っていました。月城ルキーニは、常に異常者、狂気シャワー発散という感じではなく、そういう物は普段は抑えていて、ここぞという時にバーンと出てくる感じでした。その分狂気が出た瞬間があまりに鋭くて、私ある場面で一瞬ホントに声を出して腰を浮かしてしまいました。(後ろの方、隣の方ごめんなさい)ルキーニと言えば、あんまり好きではないのですが東宝の高島ルキーニのイメージが強いです。それを基準にしてしまうと大人しい。高島ルキーニは完全に行っちゃってる系で、少々気持ち悪いとも感じるくらいだから。そちらタイプのルキーニがお好きな方には物足りないかもしれません。ルドルフのありちゃん(暁千星)見栄えの良いルドルフ、スタイル良いですものね。ルドルフの苦悩、絶望が良く出ていました。「闇が広がる」でトートに引きずられていくところは、行く?行かない?行きたくない、抗う感じがリアルでした。待ちわびてやっと帰ってきた母に拒絶された時の絶望感も良かったです。エトワール 美園さくら「カンパニー」「雨に唄えば」では正直、ビジュアル、技術面共にうーん と思いましたが今回のエトワールは素晴らしく、実力でねじ伏せることが出来るのであればそれも良し。役によって大分印象が変わって来るタイプかと思いますが、次回作、頑張ってくださいね東京でも観る予定なので、いろいろ違った面が見えてくると思います。楽しみにしています