花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!』
明日海さんの退団公演、『A Fairy Tale -青い薔薇の精-/シャルム!』観てきました。ご覧になった方たちの感想は、賛否両論のような気がします。明日海さんご自身も、もっと男役の集大成的な役をと思っていたのに妖精だった。というようなことを言われていましたね。自分の目で観て思ったことは、お芝居は「The・男役」という感じではなくやや地味な印象は否めませんが、退団公演らしい暖かい雰囲気でした。真っ白い衣装に身を包んだ明日海さんは輝いていました。華さんも無邪気で可愛らしく、明日海さんのお隣にいてしっくりしました。これまでのトップ娘役さんたちとは違った魅力で明日海さんの魅力を引き出していたと思います。ただ役が役なだけに、苦悩といってもいかにも男役の苦悩とも違うし、何というか私にはもどかしさが少しありました。明日海さんは本当はもっと男臭さもある方だと思います。しかし精霊、しかも真っ青な衣装に包まれた透明感というのでしょうかその類を出せるのは現トップさんでは明日海さんだけでしょう。そういった意味でも、植田先生が明日海さんの最後のはなむけにしたかったのでしょう。ストーリーは先が読めるものだったので意外性はありませんでしたね。エルが忘却の粉をシャーロットにふりかけないことで成長していく彼女が苦しむことを予測できないのは、エルが人間ではなく精霊だからなのでしょう。子どもたちに大人気のお話のシリーズを書いたのがシャーロットだということに直ぐに気付かないのも人間的な考え方と精霊の感性は違うのかな。まあ物語としてはエルが直ぐに気が付いたら終わっちゃうか今公演で退団される方はそれぞれに良さがたっぷり出ていましたが、特筆すべきは、ミステリアス・レディの乙羽映見さん。きれいな声で、娘役としては長身かもしれないけれど、すらっとした美人さんの乙羽さんは好きな娘役さんです。ええ私、男役も娘役もどちらかと言うと面長な美人好みです。今回は特別美しかった!見せ場もたっぷりで美しいお声で、華さんの次に美味しいお役だったのではないかと思います。城妃さんも穏やかで美しいお母さまでした。正直、今までで一番おきれいでした。これが退団者の輝きなのかもしれませんね。白姫さんも精霊のお一人で終始目立っていました。彼女も美人さんで真っ白い衣装がとても似合っていました。最後に美しい役って、娘役さんにはたまらないだろうなあと思います。そして副組長の芽吹さん。まさか就任してすぐに退団されるとは思いませんでしたが・・・シャーロットを優しく見守り続ける養育係、ぴったりなお役でした。明日海さんをはじめ退団者の皆さん、最後の日まで悔いのない日々をお過ごしください!