月組『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』
月組「WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-」「ピガール狂騒曲」もうすぐ千秋楽なのですね。えっと、いつだったかな、観に行ってきました。観劇は「赤と黒」を最後にコロナでストップ。その後何度かチケットは取ったものの、中止やら自ら諦めるなどをし、今回の月組が半年いや7か月ぶりの観劇です。久しぶりの観劇が月組からになって、なるべくしてですかね。日本物ショーは宙組の「白鷺の城」以来。あの時はただ綺麗だな~、まどかちゃん可愛いな~という感じで正直、演目そのものが楽しいとは感じておりませんでした。ですから今回も、朝早く遠征して疲れて寝ちゃわないかなーーーーなんてちょっと心配していたのですが・・・全くの杞憂でした。今回かなり前方席だったので、客席が暗くなった中を誰だかわからないけれどすすすすっと銀橋を渡る人影を間近に見て、いよいよだ~ と高まる気持ち。チョンパで舞台が明るくなった時の華やかさあ~っこれぞ宝塚 「Welcome welcome!」されて幸せな気持ちになりました。朝早く新幹線に乗って観に行くのは結構疲れるのですが、そんなの吹っ飛びました。あの Welcome は癖になります。初舞台生の口上は初めて生で観ました(遠征する組は限られているので)。お化粧がまだ微妙なところもご愛敬で初々しさアップです。この子推すぞ~っ!と思って観ている方も多いのだろうなあ。この公演は専科の松本悠里さんの退団公演でもあります。長年宝塚の舞台に貢献されてきた大先輩の最後の公演と初舞台生公演。私が言うのも何ですが、何だか感慨深い。その松本悠里さん、役のためもあるのでしょうけれど「白鷺の城」の時よりずっと可愛らしく、幻の男人たちに寄りそうお姿がいじらしく。ナウオンで皆さんがミエコ先生が可愛いんですよ~と言われているのがよくわかりました。個人的には花の巻。初日ダイジェストでのかなとくんの美しさ。女性らしさが少しある登場時からだんだんと男らしくなっていくのですが、その変化の様が、美しいだけになおのこと面白い。月組はトップから4番手までがほぼ同じ身長だと思うのですが、やはり珠城さんの貫禄は別物です。どっしりとした安定感を日本物でも感じました。さくらちゃんはお通で日本物はちと・・・と思ったのですが今回はお化粧も鬘も似合っていて可愛かったです。でもちょっとお顔を上向きにし過ぎな気がして、日舞はあまりお得意ではないのかな?とも思いました。そうそう、日本物のお化粧は似合う似合わないがはっきりしますね。やけに綺麗な若手がいると思ったら、礼華はるくんでした。洋物のお化粧より日本物のお化粧の方が好みです。そしていつも気になる若手娘役、きよらちゃん。今回も歌で大活躍、本当に上手い。新公が無くなってしまったのが本当に残念です(って新公はピガールだけど)。「ピガール狂騒曲」はシェイクスピアの「十二夜」がベース。思い込みやら熱烈片思いとか、とにかく面白くなるでしょうとは思っていました。思った以上に面白かったです配役を見た時には、あれ?と思ったところもあったのですが、観た感想としては全体的に適材適所な配役だと思います。珠城さんがナウオンで、身長と骨格はどうにもならないと言われていましたがまあ、そこは確かに大きかったけど・・・珠城さんがなで肩だったらもっと女性的になったと思います。ジャックはちょっとAFOや青柳さんちっくなところがをあちこちに感じました。女性であることを隠すために、ちょっと言いよどんで無理やり台詞を絞り出すとことか。さくらちゃんは、観る度にどんどん私の印象が変わっていきます。それも良い方向に。どんな役も結構な水準で物にしてしまう子だと思います。今回のガブリエルも、知的で自立した女性のはずが一目惚れした彼とお近づきになるためなら身体張っても頑張りますって、ちょっと本当に知的なのかなと思うけれど、彼女の声(発声?)が良い感じに崩しきれない奥方感と知的さを感じるのです。だからこそなおさら、がむしゃらなダンスレッスンシーンの酷さが面白い。シャルルのかなとくんはまたおヒゲキャラですね。ポスター見た時には凄い癖のあるキャラかと思ったのですが、ご本人も言われているように、とってもピュアなオジサマでした。この役、とっても美味しい役だと思います。人間の素の部分をさらけ出したような、あらゆる内面を見せてくれる役。しかも面白可笑しく、時にシリアスに。ジャンヌを舞台に上げるためにジャックを口説き落とすシーンの歌が素晴らしい。この公演、CDはやっぱりショーの方ですよね?出来ればお芝居の方もCDが欲しいです。鳳月さんとおだちんは芝居のテンポが絶妙でした。そして、濃いいのよお二人だけでなく、やはり月組は芝居が上手い。千海さん、やすくん、るねくん等々、間合いが良いそうそう、鳳月さんの歌が無いことに対して巷ではいろいろ言われているようですが、歌が無くてもばっちり目立っていました。それよりちょっと心配なのはありちゃん。ダンサー役のため、台詞ではかなり割を食った感じ。本来ならありちゃんとおだちんが逆でも良いと思うのですが・・・ですが、ですが、ですが・・・ですよねーーーありちゃんの役の振りの凄さを見れば、あれをおだちんには無理でしょう。というより、他の人には無理でしょう。ありちゃんだからあの振り、ムーランルージュのダンサーってこんなに凄いんだぜいってところも出せるってものです。遥か昔に行ったけれど、あんなに凄い振りだったかは記憶にないなあ。大人っぽい役も似合うようになったのに勿体ない気がします。んーまあ適材適所な配役と言えばそうなのですが、ちょっと複雑・・・フェリエで公演ランチをいただきました。デザートの赤い風車