宮部みゆき「龍は眠る」
今更なのですが、読みました。なんと30年も前の作品なのですね。少し前にBSで古いドラマの枠で放送していて途中まで見ました。凄く面白かったのですが、予定があり半分くらいしか見れなくて、どこかで聞いたタイトルだよなと思い調べたら、宮部さんの作品とな。そりゃ面白いわけですわ。それならば録画するよりも本で読みましょ、と思いまして。エスパーが題材で、やはり30年も前の作品となると今となってはやや古いと感じるところもあります。ほら、いろいろなドラマや小説で、今ならそういうのは普通にみんな知ってるよねって感じ。それでも面白くて、読むのを途中で止められない。登場人物の背負っているもの、心の闇を丁寧に描き、多分そうだろうと思ったよ、というところがあるかと思えばえっ、そっちにもそんな展開をしちゃうの?読み終えて、つくづく思いました。普通の人が持ちえない力(龍)を持っていなくて良かったと。いや、この本ではそうはいっていない。「誰でも一頭の龍を飼っていて、凄い力を持っているけど眠っているだけ」と。ならば言いかえましょう。私の龍は眠っていて良かった、ずっと眠っていてください。凄い力を持って、自分の思うように過ごせるならば持ってみたいけれど力を持ったが故に、知らなくてよいこと、知りたくないことありとあらゆる情報に苛まれるあらば、絶対にいらない。凡人として過ごしている今でさえ、さまざまなプレッシャーや嫌なことに押しつぶされそう(そんなにやわじゃないでしょって?)なっているのだから。