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カテゴリ:読書
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】ふがいない僕は空を見た [ 窪美澄 ] ≪内容紹介より≫ 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。 女性特有の悩みや、何より高校生の男子が主婦に性欲だけでない気持ちを持つというところが、 どんな気持ちに変化したのか、その理由は何なのかと気になって読んでみました。 が、うーん・・・全っ然、卓巳(高校生の斎藤くん)の気持ちが描かれてないと思う。 何で魅かれていったのか、さっぱりわからない。 卓巳は全く救われないわ。この先もずっと、今の負の連鎖から抜け出せないままだと思わせる。 そして許せないのは、卓巳をそういう状況に追い込むきっかけを作ったあんず(年上主婦)。 おバカだから、それしかやりようがなかったから、では済まされない。 固いことを言うけれど、法律的には淫行条例に引っかかるし、 どういう気持ちであろうとお金を渡しているのだから買春行為。 ましてや、その映像や写真を夫の手によって世界中にばらまかれるだろうとわかっていながら、 ばらまけばいいってそれはないわ。 大人のあんずは自分の責任で良いでしょう。 でも、未来ある高校生の未来をあなたの一存でメチャクチャにして良いわけがない。 そう思うと、女の浅はかさを見せつけられたようで、とても後味が悪い。 また、卓巳の友人面して、卓巳を窮地へと追い込む友人。 自分の境遇と他人の境遇を比べ、意識せずに動いたのかもしれない。 いや、心の中では自分のしていることに後ろ暗さを抱えている。 そういう若者ならでは(?)の気持ちは理解できなくもないけれど、 子を持つ親としては、こういう行為はしてほしくないしされたくない。 あちこちに、暗澹としてどろどろした感情がまき散らされた作品で、救いようがない。 作品解説で、重松清氏が文中に出てくる言葉「やっかいなもの」を用いて解説していて、 ああ、その通り。と共感するけれど、重松氏はこの作品に対してとても高評価。 でも私は、ごめんなさい、無理です。 痛い辛い話でも、先にわずかな救いが見えれば印象が変わるけれど、 私には卓巳の暗い未来しか見えない。 レビューでは評価が分かれていますが、断然、高評価の方が多いのが意外(Amaz●nを見ると顕著)。 ここまで酷くなくても辛いこと嫌なことが多々ある日常。 せめて本の中での架空世界でだけでも良い気分になりたい、と思う私はお子ちゃまなんでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.08.16 09:18:23
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