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カテゴリ:読書
【楽天ブックスならいつでも送料無料】夜はライオン [ 長薗安浩 ] ≪内容紹介より≫ 成績は優秀で、野球チームではエース、つぎの児童会会長にも決まっている。でも、ぼくには、誰にもいえない秘密があった。マサ、11歳。これまでの人生と、これからの人生をかけた夜がやってくる。中学生から。 この著者の本は初めて読みました。 子供の通っている塾で紹介されていた本です。 ふむ、確かに中学入試で国語の出典になっても良さそうな内容でした。 児童会長を務め、クラスでは委員長、リトルリーグではキャプテンでエース。 何でもこなす小学5年生のマサだけれど、6年生を迎えようというこの時、 人には言えない、絶対に知られてはならない秘密がある。 それは・・・おねしょ。 帽子を被りコートを着た、顔の見えない男が追ってくる夢を見た朝は、必ずおねしょをしている。 二段ベッドの下段に寝ているマサは、不気味な男を追い払ってくれるよう、 上段の底板の裏にライオンを書いて夜ごとお祈りをするけれど、効果はイマイチ。 でも、そんなことを言ってはいられない。 6年生のゴールデンウィークのすぐ後に、一泊二日の修学旅行があるから。 5年生の時は言い訳をして欠席したけれど、今度は絶対に行きたい! そこで、町の図書館でおねしょについて調べ、お母さんにも協力してもらい実行にうつした。 マサが実行していることは、傍目には冷静さを欠いたようにも見えなくもありませんが、 もしも修学旅行で失敗してしまったら、どこか遠くに引っ越すしかない。 とまで思い詰める気持ち、本人にしたら切実なのはよくわかります。 でも、そう思い詰める気持ちが尚のこと極度の緊張を呼び、悪循環になっているように思います。 だから、マサを追いかけている男は、きっとマサ本人なんじゃないのかな、と思っていました。 案の定、いつもは顔が見えない男が、ある晩は自分に似ているように見えた。 と言う感じのことが書いてありました。 でしょう、でしょう、そうでしょう。 本当はもう少しリラックスして寝た方が良いんだろうに、と思いつつ読みました。 とはいえ、おねしょの本を読んでからは、このまま中学生になっても治らなければ、 夜尿症という病気になってしまうんだというマサの不安がぬぐえないのもよくわかります。 そんなマサの強い味方、お母さん。 お母さんも、息子が一生おねしょが治らないかも、と不安に感じているはずです。 だからこそ、マサが希望した膀胱を大きくする!や、 コーヒーを飲んで徹夜作戦 にも、真剣に向き合っているのでしょう。 このお母さん、私の目には母の鏡に見えます。 自分の子供がこういう状態だったら、私はきっとこんな立派な対応は出来ないです。 自分も焦ってしまって、かえって子供を追いつめてしまうかも。 やっていることは、ちょっと笑えるけれど真剣。 涙が出るほどではないけれど、ジーンとくる、そんなお話です。 また、東京からやって来た今泉くんとの交流、特に修学旅行の夜が良かったなあ。 大人への階段を上る・・・みたいな感じで。 ちょっと余談 小学校高学年になってもおねしょが治らない子がいるのは知っていました。 おねしょ外来を持っている病院もあります。 この本の中に出てくるおねしょ対策の本、その基としているのが、その専門の先生が書かれた本だそうです。 その著者名を見て、あら、と思いました。 面識は全くありませんが、間接的に存じ上げている先生でした。 ふむふむ、それはまた、違った角度からこの本に親近感が湧きました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.23 23:16:51
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