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カテゴリ:読書
ボヴァリー夫人-【電子書籍】 ≪内容紹介より≫ 田舎医者ボヴァリーの美しい妻エマが、凡庸な夫との単調な生活に死ぬほど退屈し、生れつきの恋を恋する空想癖から、情熱にかられて虚栄と不倫を重ね、ついに身を滅ぼすにいたる悲劇。厳正な客観描写をもって分析表現し、リアリズム文学の旗印となった名作である。本書が風俗壊乱のかどで起訴され、法廷に立った作者が「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったのは、あまりにも有名である。 タイトルは知っていましたが、悲劇となると敬遠しがちな私。 今まで全く読む気が無かったのですが、何の気の迷いか、読んでみる気になりました。 悲劇でも、『アンナ・カレーニナ』のように面白いものもありますからね。 ボヴァリー夫人こと美しい主人公エマ。 母を亡くし牧場経営をする男親に育てられ、行ってみれば世間知らずの田舎のお嬢さん。 父の怪我を治療した医師シャルル・ボヴァリーに見初められ、後妻になる。 現実と憧れる虚飾の世界に上手く折り合いがつけられない上に、 夫の凡庸さに直ぐに嫌気がさして、結婚したことを後悔する。 そんな彼女に魅かれる書生レオン。 互いに魅かれ合うが、どちらも一歩を踏み出すことが出来ずレオンは離れた土地へ行く。 その後、伊達男のロドルフと不倫関係になり、駆け落ち直前にロドルフに逃げられる。 エマは精神を病んでいく。 レオンと再会したエマは、レオンとも関係を持ち、週一回の逢瀬を重ねていく。 また、彼女の贅沢好きを見抜いた商人ルウルーに上手く乗せられつけで買い物を重ねる。 つけ買いの額は膨大で、財産は差し押さえになる。 どうにもならなくなったエマは、隣家の薬剤師オメー宅で砒素を食べ自殺を図る。 夫シャルルはエマの死後、不倫の証拠の手紙を見つけるまで、彼女の不倫に全く気がつくことはなかった。 エマの死後、名誉も財産も全て失ったシャルルは病死、幼い娘ベルトが残される。 祖母に引き取られるも直ぐに祖母が亡くなり、ベルトは貧しい叔母に引き取られ 生計を立てるために工場へ働きに出される。 あまりに凡庸、夫婦生活も淡泊すぎるシャルル。 妻の不貞を露ほども疑わず、相手の男性のことも良い人だと思っている。 更には、妻が自分を遠ざけるような時は、精神を病んでいるせいで、 逆にちょっと優しくなったりすると、自分は妻に愛されていて幸せだ~なんて思う。 勿論、自分は妻と子供が大切だから、女遊びなんて全くしないし、 意見が合わなくても、最終的には全て妻の言う通りにする。 良く言えば単純で操縦しやすい、真面目な夫。 言い換えれば、愚鈍すぎ、でしょうか。 長年連れ添った熟年夫婦なら、それもいいでしょうが、新婚でこれは魅力なさすぎ。 エマでなくても、大抵の女性は直ぐに嫌になるわー と言って、エマの行動は容認できるものではなし。 もしロドルフやレオンと一緒になっても、結局はその生活だけでは満足できず 何か別な物へ走るタイプの女性なんだろうと思います。 エマの行動に共感できる部分は少ないのですが、シャルルに対する気持ちは同じようなものなので、エマはまだ若いし、うーん致し方ないかなぁ…と言う感じです。 シャルルがもうちょっとしっかりしてればねえ。 女性からしたら、全くもって魅力なし。 全体的には、薬剤師オメーがあれこれ御託を並べているところ(長いわオメーの話)以外は、 とっても面白いと言うほどではないけれど、割と読みやすかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.12.20 00:01:18
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