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2015.01.18
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カテゴリ:読書

【楽天ブックスならいつでも送料無料】秘密(上) [ ケイト・モートン ]


≪上巻 第二表紙より≫
1961年夏、紗ワーク。少女だったローレルは偶然、恐ろしい事件を目撃する。突然現れた見も知らぬ男の胸に、母がナイフを突き立てたのだ。ローレルはショックで気を失ってしまう。男は死亡し、その正体は当時、近隣に出没していた連続強盗犯と判明。ローレルの証言もあり、母の正当防衛が認められた。ローレルはあのとき男が近寄りながら「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と母に声をかけたことを警察には話さなかった。男は母を知っていたのだ。そして母も男を知っていた。彼は誰だったのか?
2011年、ロンドン。国民的女優となったローレルは、死期のちかづいたははの秘密を探り始める。なぜ、母はあの男を殺してしまったのだろう?彼と母のあいだに何があったのか?そして、母の本にはさまっていた写真の見知らぬ女性は誰なのか?その本に残された署名・ヴィヴィアンとは誰の名なのか?


母と同じような人生ではなく、自分の思うままの人生を歩みたいと家を出たローレル。
実は母ドロシー(ドリー)も、その母ジャニスも若い頃にはローレル同様、
都会を夢み、他人に注目されたい願望を持っていた。
しかし、最終的に行きついたのは、若かりし頃に思い描いた人生とは別の道。
恋人ジミーを追ってロンドンに出てきたドリー。
仕える老婦人宅の向かいに住む、作家の妻、美しいヴィヴィアンに憧れ、国防婦人会に入る。
自分とは異なる上流世界に暮らすヴィヴィアン、特に言葉を交わしたことはなかったが、
二人の間には特別なものがあり、友人だと思い込んでいたドリー。
ロンドンに出て来る時には、ジミーと結婚したいと思っていたのに、
ヴィヴィアンにはジミーのような人(上流ではない)を紹介できないと思い、
プロポーズを受け入れることが出来ない。
そんなある日、ヴィヴィアンの忘れ物を届けに行ったドリーに、
ヴィヴィアンは夫の前で、友人ではない、隣人の使用人だと冷たい目で言い捨てる。
ヴィヴィアンの態度にショックを受けるドリー。
しばらくして雇い主の老婦人が亡くなり、遺産の大部分を自分が貰えると思い込んでいたドリー、
しかし、彼女に遺されたのは着古された毛皮をはじめとした僅かな衣類だけだった。
これはヴィヴィアンが老婦人にドリーのことを告げ口したからだと思い込み、
逆恨みをしたドリーは、ある計画を思いつく。
この計画が、ドリー、ジミー、ヴィヴィアン、ヴィヴィアンの夫ヘンリーの人生を大きく狂わせるとも知らずに。

この作者の作品は初めて読みました。
訳者(青木純子)の力なのか、作者ケイト・モートンの筆が素晴らしいのか、
とても読みやすい文章で、先が気になりあっという間に読みました。
死期の迫る母ドリーの秘密を長女ローレルが謎解こうとする現在と、
ドリーとヴィヴィアンの子ども時代~戦時中の娘時代までの過去を
行きつ戻りつしながら話は進んできますが、
年と場所が章タイトルになっているので、分かりやすいです。

若い頃のドリーは、気ままで思い込みが激しく、友人として付き合いたいタイプではありません。
それでまた、ドリーが立てたヴィヴィアンに対する復讐計画(本人曰く懲らしめ計画?)が、
なんとも稚拙で、そういう方向に行っちゃうんですかーーわからん と思うようなもので、
自己顕示欲が強いドリーが考え付きそうなことと言えば、まあそうなのですが。
ここで一気にドリーの株が下がりました。
母となってからのドリーは素敵なんですけどねぇ。
ヴィヴィアンの方が奥行のある女性だと思います。
わりと早いうちに、なんか話が読めちゃったよー、と思っていたのですが(でも面白い)、
これは思いつかなかったーびっくり という、思わぬ大どんでん返しが待っていました。
いやいや、最後の最後まで手を抜かず、という感じです。
私、邪道と知りつつも、時々ラストを確認してから読むことがあります。
怖くて先が気になって読めなくなってしまう時があるんですよ・・・
これは先が読めたと思っていたので、そんなことはしませんでしたが、
先にラストを確認してたら、面白さ90%(いや、それ以上?)減でしたね。
きちんと流れに沿って読まなければいけない作品です。

オマケ・・・ひよこ
ロマンス小説でもないのに、主要登場人物が、皆、美男美女というところも、
嘘くさいけれど気に入りました。





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最終更新日  2015.01.18 11:44:02
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