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2015.05.30
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カテゴリ:読書

【楽天ブックスならいつでも送料無料】雨に泣いてる [ 真山仁 ]


≪内容紹介より≫
3月11日、宮城県沖を震源地とする巨大地震が発生し、東北地方は壊滅的な打撃を受けた。毎朝新聞社会部記者の大嶽圭介は志願し現地取材に向かう。阪神・淡路大震災の際の“失敗”を克服するため、どうしても被災地に行きたかったのだ。被災地に入った大嶽を待っていたのは、ベテラン記者もが言葉を失うほどの惨状と、取材中に被災し行方不明になった新人記者の松本真希子を捜索してほしいという特命だった。過酷な取材を敢行しながら松本を捜す大嶽は、津波で亡くなった地元で尊敬を集める僧侶の素性が、13年前に放火殺人で指名手配を受けている凶悪犯だと知る…。最大の挑戦にして、最高到達点。心を撃ち抜く衝撃の社会派ミステリ誕生。

阪神淡路大震災の発災直後の取材において、苦い経験をした。
だからこそ、今回の震災でも被災地に行かなくてはならない、という思いを持つ新聞記者大嶽。
しかし、東日本大震災発災直後に駆け付ける大嶽には、もう一つ有難くない任務があった。
震災で行方不明となった仙台支社の1年生記者かつ社主の孫である松本を探すこと。
取材に集中したい大嶽だが、発災当時少林寺を取材していた松本を探すために時間を取られる。
運よく助かった松本だが、彼女を救う為に少林寺住職が行方不明となり、結果、命を落とした。
記者の使命は、見たことをそのまま記事にすること。
しかし、松本は大嶽の指示に従わず、己を助けたために命を落とした住職心赦の死について、
また、自殺志願者を説得し救ってきた奇特な住職の美談として記事にした。
辟易しながらも松本に記者たる者の在り方を説く大嶽だったが、
その一方で松本には隠して心赦について探り始める。
亡くなった心赦が握りしめていた位牌から、心赦は10年前に東京で判事夫妻を殺害、
逃亡した犯人である可能性があったからだ。
大嶽の記者魂に火が付いた。


社会派小説です。
当時ニュースで流れた被災地の様子を、改めて思い出しました。
津波で何もかもなくなって、瓦礫だけが残された映像。
あの時、首都圏でも地面から揺り上げられるような、
外で立っていてもぐわんぐわん揺れているのが感じられました。
こんなに揺れたら、地割れが起こるんじゃないか・・・とも思いました。
今も復旧されないままの施設や、もとの生活に戻れないでいる方たちが大勢いらっしゃる。
そう思うと、そんな状況を小説で読むのは不届きなことのようにも思えてきます。
ましてや、この小説の中では、報道(新聞)のトップ層が、
報道を私的な物として扱っている部分がたくさん。
社会派小説では、上層部と実働部隊との軋轢、
それによる矛盾の山積みなんていうのは当たり前なのかな。
が、どうもこれはいけない(ただ単に、私の好みではなかった)。
お嬢様育ちの我儘娘、孫に甘い新聞社主のおじいちゃん、保身・昇進の為に社主に阿る上役たち。
結局最後まで消化不良で、後味が悪いまま。
しかも、この話のベースに震災をもってこなくても
同じように書けたのではないかとも思えて、更にうーん・・・
それとも、こんな大災害の場合でも、いや寧ろこんな場合だからこそ、
世の中こんな矛盾だらけなんだ、みたいなことを言いたいのか。
あまり社会派小説読まないからわからないのですが、こういうのは社会派小説では王道なの?

ついでに言うなら、警察を舞台にした小説を読んだ後もそうなのですが、
こういう本を読むと、社会秩序を守る、社会に情報を提供する、
といったお仕事をされている方にはもうしわけないけれど、
どれもこれも信用ならなくなってくる。
受けとめる側が、散在する情報から取捨選択せざるをえないのね、
と、いつも思ってしまいます。

偶然と言えば偶然ですが、今日午後8時過ぎ、小笠原諸島で震度5の地震がありました。
首都圏でも、かなり大きくて長いと横揺れを感じました。
神奈川県では道路にひび割れが入ったところもあるとか。
怖い・・・
明日(ってもう今日だけど)、赤坂に行くんだけれど、電車はちゃんと動くのかしら・・・





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最終更新日  2015.05.31 03:07:15
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