|
カテゴリ:読書
サロメ [ 原田 マハ ] ≪内容紹介より≫ 「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」…世紀末、すべては賛辞の裏返し。その悪徳とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家、ビアズリーの愛憎を描く。 一言でいうと、非常に面白かったです プロローグは現代のロンドン。 サロメの作者であるオスカー・ワイルドについての研究者が サロメの挿絵画家オーブリー・ビアズリーの研究者に「未発表のサロメ」を見せる。 それはヨカナーンの首ではなく・・・ 時代は1898年、ワイルドやビアズリーが生きた時代へと遡ります。 「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」と内容紹介にはありますが、 「退廃的」が一番ぴったりすると思います。 物語の主人公はビアズリーの姉メイベル。 ワイルドとオーブリーの愛憎よりも、メイベルの心の動きの方が丁寧に描かれています。 独学で有りながら人にはない天才的な才能を持つオーブリーと 病弱な弟を思う姉が、ワイルドと出会ったこと、 二人が「サロメ」に魅せられ、どんどん人間性が変わっていく狂気が描かれています。 特にメイベルはサロメの象徴として描かれていると感じます。 彼女の中では弟をワイルドの毒牙から守り、そして己の夢もかなえる為という 大義名分があったものの、サロメに魅せられた彼女の愚かさ、浅はかさ、エゴ故。 「馬鹿な女」と思いつつも私も女。 そこは何となく理解できなくもないのです・・・ 男性が読むと感想がかなり違ってくるのかな? 現代のくだりは必要なのか?とずっと疑問でしたが、最終章で一応納得しました。 表紙の「お前にくちづけしたよ、ヨカナーン」をちょいちょい見返しながら読みました。 なんか気になって見てしまうのですよ。 表紙といえば、これは「イエロー・ブック」を意識しているのですね。 詳しい方なら、きっと直ぐにそう分かるのでしょう。 私はもしかして?とちょっとググってみてわかりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.08.25 23:22:05
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|