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2021.09.15
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カテゴリ:読書

希望の海へ [ マイケル・モーパーゴ ]


<内容紹介より>
十歳にも満たない戦災孤児アーサーは、汽船に乗せられ、たったひとりでオーストラリアに送られた。そこで、待ち受けていたのは…。過酷な現実を生きる中にも、ちりばめられる愛や幸せ。巨匠モーパーゴが描く、父娘二代にわたる感動の物語。
2015年 青少年読書感想文全国コンクール課題図書


久しぶりに感動物でも読んでみようかと思い手にした一冊。
著者は映画にもなった「戦火の馬」の作者です。

戦災孤児アーサーは姉キティと引き離され、
大勢の子供たちとオーストラリア行の船に乗せらせた。
オーストラリアで暮らすためにイギリスじゅうから特別に選ばれた孤児だと説明されて。
戦争もなく新しい国で食べ物はいくらでもあると聞かされ、
子どもはこれまでの生活から素晴らしい未来が開けたと期待をする。
しかし待ち受けていたのは厳しい奴隷生活。
数知れない苦難と、数少ない愛情を注いでくれた人々との出会いを経験し
大人になり本当の家庭を持ったアーサー。
生き別れた姉キティ、愛する妻と娘に自分の全てを知ってもらいと思い綴った物語。
それが第一部。

第二部は彼の娘が、病で亡くなった父の遺志を継いで伯母キティを探すため
ただ一人でイギリスに向けヨットで荒れ狂う海を航海し目的を果たす。

第一部は大人になったアーサーが語るのですが、
度々子どものアーサーが話しているように錯覚しました。
子どもの目線でリアルに語られています。
それに対して大人になってからの部分はやや駆け足に語られているなあと思います。
子どもの時、大人時代、それぞれに大きな苦労、悲惨な時を経験しているアーサーですが
彼の最後は幸せで恵まれた物であり、救われた気持ちになります。

第二部は正直なところ、ややモヤモヤというか何と言うか
単純にああ良いお話だったと思えないところが私にはあります。
アーサーの娘アリーが、航海での数々の苦難を経験しながらも
周りの人たちの愛情、支援を受け目的を果たします。
その背景には恵まれた家庭環境、裕福な家庭であったことが非常に大きいのです。
ごく普通の家庭では難しかったのではないかと思うと、複雑な気持ちになるのです。
これは純粋な心を失くしてしまったアラフィフの僻みなのかもしれません・・・

さて、内容紹介から史実を基にしたものであることは想像できますが、
あとがきを読んでその内容の悲惨さに驚きました。
1970年代まで「児童移民」と呼ばれる子どもの強制移民が行われていて
それは国と国との間でとりきめられた政策であったと。
多くは戦災孤児でしたが中には騙されて子どもを連れていかれた親もいたそうです。
移民先では過酷な労働と暴力、虐待が横行していたのだと。
2009年に当時のオーストラリア首相が、2010年にはイギリス首相が正式に謝罪したそうです。

児童移民経験者からの訴えを受けたマーガレット・ハンフリーズの書いた
「からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち」には、
ベールのかからないもっと赤裸々な事実が書かれているようです。
この本を基にした「オレンジと太陽」という映画もあるのですね。
映像では見る勇気はないけれど・・・



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最終更新日  2021.09.15 23:30:16
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