スタープレイヤー(1) (角川文庫) [ 恒川 光太郎 ]
<内容紹介より>
路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。
そこで10の願いが叶えられる「スタープレイヤー」に選ばれ、使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。
折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていく。
光と闇、生と死、善と悪、美と醜ーー無敵の力を手に、比類なき冒険が幕を開ける!
鬼才・恒川光太郎がRPG的興奮と神話世界を融合させ、異世界ファンタジーの地図を塗り替える、未曾有の創世記!
怖すぎず、どこか切なく、なんとなく纏わりついてくるような作風が多い著者。
これはちょっと違うタイプの作品でした。
内容紹介にあるように異世界ファンタジーですが、ありがちな転生物ではありません。
流されるままに引いたくじ引きに当選し、気が付いたら見知らぬ場所に立っていた。
スタープレイヤーと呼ばれる身となり、願い事が10個まで叶えられる。
100日経ち元の世界へ戻ることを願えばそれも叶う。
願った内容が実現されることにより
元の世界に歪が生じるようなことはないようなことが書いてありましたが、
いやいや、きっと元の世界で何か問題が起きているはず。
と思いつつ読んだ私の予想は外れました。
元の世界に問題は起きていない。
どころか、主人公が異世界に来た異も関わらず、元の世界は何もかわらない。
では主人公の存在って何・・・?
となり、そう来たかとなりました。
でもそのおかげで、私がきっとこうなるだろうと思っていたどんでん返しや
突飛なことはなさそうだとわかり、
安心して、純粋に「あり得ない異世界物語」として読むことが出来ました。
ラストにもの悲しさが残るわけでもなく、この著者にしては(全部読んでいるわけではない)
珍しいタイプなのかも。
同著者の異世界ファンタジー続編として、「ヘブンメイカー」があるそう。
これもそのうち読んでみようと思います。
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