目の見えない白鳥さんとアートを見にいく [ 川内 有緒 ]
<内容紹介より>
見えない人と見るからこそ、見えてくる!全盲の白鳥建二さんとアート作品を鑑賞することにより、浮かびあがってくる社会や人間の真実、アートの力ーー。「白鳥さんと作品を見るとほんとに楽しいよ!」という友人マイティの一言で、「全盲の美術鑑賞者」とアートを巡るというユニークな旅が始まった。白鳥さんや友人たちと絵画や仏像、現代美術を前に会話をしていると、新しい世界の扉がどんどん開き、それまで見えていなかったことが見えてきた。視覚や記憶の不思議、アートの意味、生きること、障害を持つこと、一緒にいること。そこに白鳥さんの人生、美術鑑賞をする理由などが織り込まれ、壮大で温かい人間の物語が紡がれていく。
見えない人と一緒にアートを見る旅は、私たちをどこに連れていってくれるのか。軽やかで明るい筆致の文章で、美術館めぐりの追体験を楽しみながら、社会を考え、人間を考え、自分自身を見つめ直すことができる、まったく新しいノンフィクション!
開高健ノンフィクション賞受賞後第一作!
別な本に興味を持ったところ、それならこれも是非と勧められた一冊です。
正直、普段の自分からは読まない部類の本です。
読書は好きだけれど小説が中心で、ノンフィクションやエッセイ系はあまり。
でもせっかくお勧めしていただいたので2冊とも読んでみることにしました。
目の見えない人がアートを見るってどういうふうに見るの?
私の乏しい想像力では、彫刻とか?
あるいは手で触れることが出来る現代アートとかなのかなと思いきや、
なんと絵画から始まり国宝級の仏像までと幅広い!
本著で取り上げられた白鳥さんが鑑賞した作品のいくつかは私も過去に観に行きました。
イヤホンガイドを使ったり解説を読みつつ鑑賞したけれど、
実を言えばただ何となく眺めて「ふーん、そうなのね。へーここが凄いのね」
程度にしか感じることがほとんどで、逆に何処が良いのかさっぱりわからん。
なんてことも多々あり、ただ漠然と眺めているのが常でした。
でも白鳥さんとお仲間(著者たち)の鑑賞の仕方は全く異なり新鮮でした。
本当に、自由に鑑賞を楽しんでいるのです。
えーそんなふうに見たらもっと面白かっただろうに。
観に行った作品を思い出したり、掲載されている写真を見て、
私にはこう見えると思いつつ読みました。
うん、なんだか久しぶりに美術館に行ってみたくなりました。