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2006年11月09日
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遅ればせながら、月9ドラマ「のだめカンタービレ」の感想をば♪
それに便乗して(?)、つらく苦しい……いやいや、古き良きオーケストラの日々を思い浮かべながら、久々にクラシック音楽(ベートーヴェンが主になるかな?)について気ままにつづってみたいと思います。

その前に……「のだめカンタービレ」とは何ぞや?という方はこちらの記事を参考にして下さい。
敷居を高くするのも低くするのも人間次第


全体的には、原作の雰囲気を忠実に再現していて(個人的には忠実すぎる気もするんですけど、理由は後回しにします)、よく作られているドラマだと思います。エンディングなど、「ラプソディー・イン・ブルー」(アメリカ人作曲家、ジョージ=ガーシュウィンの名曲で、ジャズとクラシックの見事な融合として知られています)のテンポや曲調にうま~く乗っていて、見ているだけで楽しいんですよ~~♪

キャラもおおむねマッチしている感じなんですが、とくに私が「拾い物だ!」と思ったのは、千秋真一を演じる玉木宏さんでして、何もなくても目がうるうるしていたり、とても美形なのにミョーに痛々しいところなど、千秋そのものとまでは言えなくても、”情けない系の美青年”としてはほぼカンペキなのでは…?

だがしかーし!(あれ、逆説が重なっちゃった…こうなると逆説じゃなくなるのかな?)ひとつ許せんのは、世界的指揮者のシュトレーゼマンが竹中直人さんであること!!
竹中さんが嫌いなのではないけれど、やっぱり外国人タレントを起用してほしかった……まあ確かに、日本語を巧みにあやつり、もちろん指揮は(ポーズだけでも)さまになってなくてはならず、セクハラじじいの一歩手前みたいなキャラ、演じてくれる外国人を探すだけでもタイヘンだと思いますが^ ^;

というのも竹中シュトレーゼマンが出てくると、もともと虚構性が非常に高いこのドラマがさらにぶっとんでしまって、完全にウソくさくなっちゃうよーな気がするんですよね。
だからこそ、わずかな現実性を頑張って保ち続けてほしかったです。ただでさえリアルな地上からふわふわ浮いている風船(ドラマ)は、一瞬でもその細い糸を離すと、どこか遠い空の果てに飛んでいっちゃうんですから…。

あとはやっぱり、原作に忠実に沿いすぎて、ひねりがないところがちょっと残念でした。辛辣な物言いをしてしまえば、原作の面白さと生の音楽のチカラに100%頼り切っていて、ドラマとしての独自性を出そうという姿勢が皆無なのではないか、と。
でもこれもねえ…ダンナに言われましたよ、「不当な評価」だって。原作を知らない人にとってはアレコレいじられるよりよっぽど良いし、何せファンの多い作品だから、下手にアレンジすると非難ゴウゴウの恐れもあるし……でも、「原作におんぶに抱っこでいいのか?!」と天邪鬼な私なんかはは納得いかんところもあるし……う~ん、評価するのってホント難しいッスね!

まあ十人十色、様々な意見があるということで、聞き流してやって下さいませ^ ^;
(その後、ダンナとはケンカしました。ヤレヤレ……)


さて気分を変えて、「のだめカンタービレ」の魅力のひとつはやはりクラシック音楽、しかもオーケストラですよね。ドラマを見て、さらに私もオケに入りたい!と思った方は多いはず。
千秋くんが最初に指揮をしたのは、ベートーヴェンの交響曲第7番でしたが、うちになかったので買って来ました。指揮はカルロス・クライバー、演奏はウィーンフィル。

ドラマのオープニングで使われているのは、この第7番の第1楽章、序奏が終わったあとの(たぶん)主題なんですが、これがホントに面白い。いつもと違ってヤケっぱちのように明るいんですけど、何かあったんですか、ベートーヴェンさん!と思わず心配になるほど、喜び全開、明るさ爆発、リズムは跳ね馬のように落ち着かず、こっちまでムリヤリ元気になっちゃうような強引さがあります。
しかしそこがベートーヴェンのツライところ。というのも、モーツァルトのように「なんとな~く流れてます、美しいトコ目白押しだけど別に聞き流しちゃっても構わないよ~ん♪」という脱力系(?)でなく、「皆の衆、俺の音楽を聴け!」と言わんばかりの迫力があって、端座して拝聴せねばならないような暑苦しさ……もとい、熱気がムンムン押し寄せてきます。だからあまりウチにはベトベンのCDが少ないのかしら?

という次第で、ベートーヴェンの音楽は、ウチのコンポで聴くよりも車のBGMにするよりも、コンサートホールで全身これ聴覚という状態で浴びる方が、私には向いているみたいです。この第7番もそうですが、第九や「田園」など音楽に広がりがあって、好きなことは好きなんですよね(←一応フォローしときました…ってもう遅いか^ ^;)


★交響曲第7番についての豆知識……リストは「リズムの神化だ」と言ってピアノ曲に編曲したし、また、ワーグナーは「舞踏の聖化だ」と叫んで、リストが編曲したピアノ版に合わせて楽しげに踊った(ライナーノーツから抜き出しました)……そうです。お二人とも、セリフが大仰すぎて意味がイマイチ分かりませんが、音楽を聴けばなんか分かるような気になるから、これ不思議。
ちなみに、のだめちゃんがピアノで弾いた曲っていうのは、このリスト版なのかな?CDが出ているなら買いたいですね~。すっごく素敵でしたから。


以上、つらつら感想を述べてみましたが、ベートーヴェンはあまり聴かない上、ご本人のこともほとんど知らないので、ご指摘、ご教授いただければ嬉しいです!


ベートーヴェンといえば、思い出すのはオケでの緊張する日々……と始まって、「オーケストラ楽器別人間学」という愉快ツーカイな本をご紹介しようと考えていたんですが、長くなってしまったので今日はこのへんで。






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最終更新日  2006年11月09日 07時35分18秒
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