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テーマ:鬱病(2269)
カテゴリ:AS FOR ME
あれはもう9年前、私がまだ若かりし頃でした。
仕事に忙殺され、さらに職場での根拠のない誹謗中傷 …気がつけば「鬱病」に罹っていた私。おまけに極度の ストレスと疲労からくる腰痛で、とある病院に入院する ことになりました。 「今日からどうぞよろしくお願いします。」と同室の女性に 言うと、満面の優しい笑みで 「こちらこそ、よろしくお願いしますね」と仰られました。 その同室の女性の名前が「しのぶさん」です。年齢は当時40歳。 今の私以上に頑なで重度の鬱病だった私にしのぶさんはとても 優しく接して下さいました。 当時しのぶさんには彼氏がいて、週に一度その彼氏からラブレター が届くのです。 「字が読めないから代わりに読んで下さい」と言われ、 私も照れながらしのぶさんの代わりに読みました。 「将来、しのぶさんと結婚したいです。」中にはそんな文面も…。 酷いリウマチだったしのぶさん。手が自由に動かないので、看護師さん の代わりに湿布を貼るのが私の日課になりました。 しのぶさんの恋愛話を聞いたりしているうちに、すっかり私達は 打ち解けて色んな話をするようになりました。 過去に虐待をされてきたこと、親の顔を知らないこと、親戚にたらい 回しにされたこと…そんな辛い体験を笑顔で語ってくれたしのぶさん。 そしてしのぶさんはこんな一言をポツリと私に言いました。 「私は貴女と違って知的障害者だから…。」 そして私としのぶさんは病室で大声で泣きました。 いつもニコニコ笑顔が絶えなかったしのぶさん。 しかし、しのぶさんの人生は壮絶だったと思います。 私が想像する以上に…。 しのぶさんと過ごした時間はたった2ヶ月あまりでしたが、私は 随分しのぶさんに救われました。全く笑えなかった私を沢山笑わせて くれました。疲れきっていた私の心と体を元気にしてくれました。 入院が決まった時、辞めてしまおうと思っていた仕事も辞めずに 元気に復帰できました。 何かのご縁で同室になったしのぶさん。きっとあの時の彼氏と 幸せな家庭を築いているんだろうなぁ…と思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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