こんにちは、坂本です。
先日、とても勉強になる経験をしました。
小学生の息子(11歳)が
あるファミリーレストランの駐車場で
「無断駐車は罰金3万円をいただきます」
という看板を見つけました。
これを見て疑問を持ったらしく、
息子「国とかでないと罰金を取ってはいけないから
こうした書き方はダメなんじゃない?」
私「えっ?そうなの?」
息子「『こども六法』に書いてあったよ」
私「でも同じような看板は全国各地にあるよね」
息子「うーん、なんでだろ・・・?」
私「そうだ、弁護士の先生に聞いてみようか!」
ということで、
世の中のナゾを解き明かすべく、法律の専門家、
弁護士の先生に直接聞いてみることにしたのです。
幸い、私が会社をやっていることもあり、
顧問弁護士の友人にこの疑問をぶつけることができました。
で!
その返信を読んでびっくり。
その回答が、めちゃくちゃ勉強になるのです。
世の中の仕組み、不文律を学ぶのに
小学生のまっすぐな質問というのは
とても重要なのでは、と思った瞬間でした。
とても学びが多いので皆さんともシェアします。
<小学生の素朴な疑問>-----------------
Q.国とかでないと罰金を取ってはいけないと学びました。
それなのに「無断駐車は罰金3万円をいただきます」
といった看板が全国各地にあるのはどうしてですか?
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以下、弁護士の回答をご覧下さい。
↓ ↓
---------------- 弁護士の回答 ----------------
なかなか鋭い質問ですね!
あの看板の意味ですが、
まずは前提として、権限なく勝手に駐車したら駐車場の
管理者(土地の持ち主や、運営会社)の利用権を妨害
することになるので、不法行為(違法行為)になります。
不法行為になると、損害賠償を支払う義務が生じます。
それが、法律のルールです。
そしてこの損害賠償について、看板に書かれた内容が
どんな効力を持つかですが、
これは一方的な表示があるだけなので、
見た人との間に合意はできていません。
合意(約束)かなければ、守る必要もないので、
看板に書かれた内容は、見た人に効力を生じないのです。
また、ご指摘のとおり「罰金」というのは、
国が国民を罰する(刑事罰)ときに課すものなので、
民間で罰金を課すことはできません。
そのため、看板があってもなくても、何が書いてあっても
法律どおりに、不法行為の損害賠償の義務が生じるだけで、
その金額は、実際の損害(その日使えなかった、とか)
に応じて、裁判所が決めることになります。
では、効力がないとすれば、なぜ、あのような看板が
あちこちにあるのでしょうか?
その理由ですが、
あの看板を見ると、見た人はこう思います。
「ここは厳しく管理やチェックがされそうだな」
「管理人は、話の通じないやっかいな人かも」
「もしかしたら、すごく高額な請求をされるのでは」
となると「ここに違法駐車するのは、やめておこう」
と思ってくれる、かもしれません。
しかし実際はというと、
違法駐車で損害賠償をしても、それによって生じた損害は
計算できないほど小さい額だったり、証明ができなかったりします。
なので、ビビらせて、予防するほうが簡単に効果があるのです。
また、看板には、
「違法駐車をしたら、お金を請求します。そのときは
3万円だと考えてます!」
と書いてあるだけなので、看板を置くこと自体は違法には
なりません。
それなので、全国にそうした看板が置いてあります。
権利のある土地の持ち主であっても、被害を受けたときに
それを回復するのが難しい、ということからの苦肉の策として、
強い言葉「罰金」をわざと使っている
というのが、この看板のカラクリなのです。
良い質問でした!
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いかがでしたでしょうか?
何と、全国各地にある罰金看板は、
相手をビビらせるためにあった。
そして「罰金として」ウン万円を請求できる権利は
持っていないという(驚)!
だからといって
勝手に無断駐車をしてはいけませんが、
世の中のカラクリを知ることで、
いざというときの身を守る武器になりますね。
弁護士という職業は、
・困った時に助けてくれる存在
というイメージが強いですが、
実際は「予防」としての役割の方が
大きいと私は思います。
今回の駐車場の罰金看板であれば、
・土地所有者としては、迷惑駐車の予防になるし、
・ドライバーにとっては、不当な言いがかりを
つけられたときの対抗策(予備知識)
になります。
有事のときだけではなくて、
何もないときにも私たちを守る楯となってくれる。
それが弁護士の仕事です。
すばらしい職業だと思います。
ありがとうございました!
坂本 七郎
追記:
もし記事を読んで
・法律について学びたいお子さん
・法律について学ばせたい親御さん
がいらっしゃいましたら、
法律の専門家からも個別レッスンが受けられる
オンラインスクール「まなぶてらす」をオススメします。
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(事務局に問い合わせすると
各分野の専門の先生を紹介してもらえます)
お子さんの興味関心を育てるきっかけを
つくってあげてください。
それではまた次回。