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「染め織りの里を訪ねる旅(自称)」栄えある第二弾は、家族旅行に無理矢理便乗させて宮古島へ行って参りました。宮古上布は、「すごく涼しい」「ものすごく高い」ということ以外何も知らなかったことが、今になって分かります(苦笑)。
島の北部にある、西原織物を訪ねました。 全くの民家です。車で通過してしまいましたが、進行方向からは何も見えないよー!(写真右)これじゃあ見落としても仕方ないですね(苦笑)。引き返してみると、やっと看板を発見しました(写真左)。 3度ほどお声をかけて、どなたも出てこないので勝手に上がって(!)いたら、ほどなく池間吉子さんが出ていらっしゃいました。どこにでもいそうなおばさまといった風情(失礼!)‥煮物とか上手そうな(笑)。 ツマラなそうにしている夫と子供たちに、黒糖アイスキャンディーを1本ずつ下さいました(恐縮)。 最高級の作品は1年がかりとのこと。嬉しそうに、そして誇らしそうに、作品を愛情深く見つめてらしたのが印象的でした。 初めて見る宮古上布は、ざっくりした麻の風合いと濃い藍色が涼しげです。そして、模様の精緻なこと!今の私にはとうてい買えないですが、思う存分触らせていただきました(満足)。 庭先には原材料となる苧麻(ちょま)が植わっていました。家内制手工業の時代を髣髴(ほうふつ)とさせました。沖縄の強烈な紫外線に照らされて、すくすくと育ってました。 池間さんも掲載されている、『島たや』という雑誌の宮古上布特集を1,500円で購入しました。 宮古島の中心・平良(ひらら)市街にある宮古伝統工芸品研究センターにも行ってみました。 同じ敷地に宮古神社がありました。他にも聖地はいくつも訪れましたが、とりわけスピリチュアルな雰囲気満点!木々から放射される清浄な空気と癒しのムード一杯♪ここを訪れるだけで価値がありそうです。 1階には一般的な展示がされています。糸績(う)みの実演を見せて下さいました。 同じ『島たや』が販売されていました。 2階は機織場になっていて、20台ほどの機に、5,6人の女性達が織っていました。明るく開放的な雰囲気でした。 基本は藍染ですが、美しい草木染の糸もありました。 2階の屋上部分は、模様を染め出すための糸括りの場になっていました。14,5m?のながーい糸が張られ、所々糸で縛ってあります。にわか雨の多い南国、「雨が降っても大丈夫ですか?」と聞いたら、「降ってきたら取り込みます」とのこと。 再び1階に戻り、藍染場も見学。染めは朝しているそうなので、作業は見られませんでした。 検査所、という部屋もありました。虫眼鏡を当てて、中年女性が厳しい面差しでチェックをしていました。このような検品によって高い品質を保っているんだなあ、と感心させられました。 駆け足で2箇所ばかりですが、原材料から検品までの人の息がかかった全工程を見られて、技術や歴史についてもざーっと学ぶことができて、生の手触り、色合い、精緻な模様に触れられて、大大大満足でした。 チェックはしたけれど寄れなかったのは「染・織布とキリムの店ゆう」。2004年のガイドブックに掲載されていたんだけど、ネットで検索してもほとんど出ない。現存してるのかな?(不安) 『島たや』に掲載されていた、宮古上布界のカリスマ?!新里玲子さんの工房も気になります。一般の人も訪れることができるのでしょうか?(興味) 歴史や技術について学ぶことも一杯でしたが、まず何よりも、天然の素材と人間の手が生み出す美、というものに直に触れられて、感動でした。「伝統工芸」という堅苦しい四文字熟語では表現しきれないです。そこには「魂の出会い」がありました。着物に目覚めると、いつかは布の美、そしてその美の背景にある「生命力」というものに出会うのよね。 関東からはるか1300km、沖縄本島からも300kmという、彼方の島ですが、訪れる価値大の、「和の故郷(ふるさと)」です。皆様も、ぜひどうぞ!! eribow お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月05日 21時45分54秒
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