カテゴリ:着物
先週の日経新聞土曜版「NIKKEI PLUS1」の「とことん試します」に「ひとりで着物、独習に挑んだが・・・」という記者の体験記事がありました。
***************************************** <記事引用> たんすに眠ったままの着物、あなたの家にもないだろうか。とにかく面倒なイメージの着物だが、自分で着られるようにさえなれば、普段のちょっとしたおしゃれ着として活用できる。独習による「ひとりで着物」に挑んでみた。 (中略) めったに開けない和だんすを開けてみたら、忘れられたまま眠っている着物たちが泣いているような気がした。 「これはもったいない!」。流行に左右される洋服と違って、和服なら昔のものだって十分通用する。小紋のような着物なら、日ごろのちょっとしたおしゃれ着にもいいではないか。 とは思ったものの、残念なことに自分ひとりでは着られない。礼装でもないのに、わざわざ着付けサービスを利用するのは面倒だし、お金もかかる。かといって、着付け教室に通うほどの時間も根性もない。そこで、手っ取り早くDVDで独習することにした。 「モデルが左右逆に着る様を、鏡を見るようにまねればいい」とのうたい文句に引かれて購入したDVD。着る手順だけのシンプルな内容で「これなら楽勝かも」と心の中でVの字が舞ったが、名古屋帯のお太鼓結びで挫折した。基本的な結び方なのだが、後ろ手での作業が不慣れな者には何とも難しい。 だいたい、着物を着ながらDVDを操作するのも結構な手間だ。ただでさえ絹の着物は滑りやすい。片手をリモコンに伸ばし再生や一時停止、早戻しの操作を繰り返すたびに、もう片方の手から、押さえている着物や帯がずるずると逃げていくような気がする。 DVDだけでは心細くなり、着付けの本も買ってみたが、やはり帯結びのところで引っかかった。お太鼓に必要な帯枕の上げ方や、お太鼓の裏側での帯の処理の仕方が、写真では隠れてしまってよく分からないのだ。肝心要の部分が明示されていないもどかしさ。 自分が不器用なのか、独習で済ませようというのがそもそも無理なのか―。あきらめ気分に支配されながら、別のDVDを買ってみた。着付け教室が初心者コースで実際に教える内容をまとめた九十分ものだ。 多少慣れたのもあるが、説明が丁寧でわかりやすい。すっきりまとめられなかった胸下やおはしょりがうまく処理できるようになったし、何よりも帯がどうにかこうにか形になった。一巻き目と二巻き目がきれいに重ならずに緩みが出る、背中のお太鼓の山が三角にとがってしまう、垂れの部分が長すぎるなど問題点は多々あるが、初めて実感できた“進歩”だ。「よーし、明日の仲間内のパーティーは着物で行こう」と無謀にも思い立った。 翌日。実際にこれで遠出となると一つ一つの手順にも緊張が走る。着崩れを案じてやり直すうちに刻々と時間が過ぎ、焦る気持ちは帯の段階で最高潮に。ところが何度やっても、お太鼓を作る間に胴に巻き付けた帯がほどけてしまう。戦闘開始から二時間。「ああ、もう間に合わない」。ついにさじを投げ、洋服に切り替えて家を飛び出した。 (中略) 記者のつぶやき DVDを見ながら鏡を見ながら、の格闘劇。立ちっぱなしで三時間も続けると、へとへとになる。翌日には肩回りの筋肉痛。こんなに肩を使うとは。 (中略) 着物のあたたかさも実感した。着ていると暖房なしでも寒くない。節約時代に着物はかなりの優れもの。姿勢だけにとどまらないプラス効果を発見できた。 ***************************************** 思い出します!初心者の頃、同じもどかしさを感じました。おはしょりの処理がうまくできない、後ろ手でお太鼓の山がうまく決まらない、帯が緩んで締まらないなどなど。手順を理解したら、あとは反復練習あるのみですね。 そのうちに自然と手が動くようになるのですが、何とか着られるようになって外出してみたら、帯が緩んできたという試練も。デパートで崩壊しかかった帯姿の方を見たこともあります。 初心者が着物姿で歩くのは勇気がいります。歩いてみて初めて体験する着崩れ。それを乗り越えて手と体が着付けを覚えていくのですね。あ~着付けってホント体力が必要だ! じゅん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月10日 04時27分16秒
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