カテゴリ:歌舞伎
8月納涼歌舞伎・第二部を、『らくだ』大笑いした後観劇。
二部を観る前に、すこしばかり時間があったので歌舞伎座の通りを渡った岩手銀河プラザにずんだアイスを購入に行く。冷たくておいし~~い(笑) 納涼第二部は、 二世松緑が初演した人情劇『つばくろは帰る』と十七代目勘三郎が初演した舞踊劇『大江山酒呑童子』の二本立て! 最初の『つばくろは帰る』(川口松太郎作)という芝居が、予想外におもしろかったのは収穫。 世話物風のつくりで、江戸っ子大工の頭領・文五郎(三津五郎)が、粋でイナセなかっこよさ。二代目松緑(当代の祖父)にあてがきした芝居なのだそうであるが、その弟子である三津五郎が、役どころにあい舞台の上で生きている。いや、いいなぁ。 そして、文五郎がひょんなことから面倒を見ることになった安之助という少年を演じる小吉が実に上手。名子役といってよいのでは、なかろうか。 安之助の母親・福助の芸妓(君香)も柄にあい良かったし、七之助の可憐な舞妓(みつ)と、文五郎の弟子の勘太郎(三次郎)は若い恋を、初々しく微笑ましく演じて脇を締める(二人の指きりが実に可愛いのである)。 七之助の仲間の舞妓で、松也、新悟と芝のぶの可憐な舞妓姿を観るみせるのもおごちそうで個人的に大変うれしかった。 最後、雪の風景の中で、安之助と文五郎を見送る福助の姿が絵のように美しく眼の保養であった。 『大江山酒呑童子』。 幕が開くと、出演者が、勧進長の義経と弁慶一行の姿をしている? 扇雀の源頼光は義経の姿、橋之助の保昌は弁慶風味、他の4人(季武、貞光、公時、綱)は四天王の姿。 能の『大江山』を題材にした作品で松羽目物でありながら、今回は、舞台の上に松はなく水墨画を描いた大きな掛け軸のような装置が飾られている。← 深山ということであろうか。 なお、頼光一行は、途中で衣装を引き抜き武者の姿に早変わり。 狂言のような正方形の所作台が真ん中り地方が両脇という舞台を、頼光一行がぐるりと回り、所作台の真ん中から酒呑童子・勘三郎が童子の衣装でセリ上がる。 薬入りの酒を飲まされる場面の酔いっぷりが中々おもしろい。 最後は、頼光一行が、赤鬼になった酒呑童子を、見事に討ちとると正方形の所作台が釣りあがって立ち上がり、赤い飛礫がもうもうとすべり落ちる中、酒呑童子が、台に張り付いたまま持ち上がる演出。踊りの振付が今一な分、この最後の演出がなかなかの見ごたえである。 出演者: ○つばくろは帰る(つばくろはかえる) 大工文五郎:三津五郎 八重菊おしの:扇 雀 弟子三次郎:勘太郎 舞妓みつ:七之助 弟子鉄之助:巳之助 安之助:小 吉 小僧よし吉:宜 生 舞妓小蝶:新 悟 舞妓豆花:松 也 掏摸お銀:高麗蔵 蒲団屋万蔵:彌十郎 祗園芸妓君香:福 助 ○江山酒呑童子(おおえやましゅてんどうじ) 酒呑童子:勘三郎 濯ぎ女 若狭:福 助 同なでしこ:七之助 同 わらび:松 也 卜部季武:巳之助 碓井貞光:新 悟 坂田公時:勘太郎 渡辺綱:亀 蔵 平井保昌:橋之助 源頼光:扇 雀 本日のきもの:海老柄が真っ黒になっていたので柄のみアップ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 14, 2008 08:49:04 PM
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