カテゴリ:歌舞伎
「二十一世紀歌舞伎組」の新作「新・水滸伝」を「ル テアトル銀座」に観に行く。
「二十一世紀歌舞伎組」というのは、市川猿之助丈がモーリス・ベジャール氏の「20世紀バレエ団」にちなんで、猿之助一門の若手歌舞伎俳優だけで構成する一座に名付けたものである。 猿之助丈の思いを受け継ぎつつ、二十一世紀歌舞伎組 が、今まで、上演してきた作品は、 「 伊吹山のヤマトタケル 」 「 雪之丞変化2001年 」 「 恋飛脚大和往来 」 「 義経千本桜・忠信篇 」 「 龍神伝 」 考えると全部観ているような・・・そして、10年ぶりに発表した新作が、この「新・水滸伝」。 ちなみに「水滸伝」のあらましは 「宋時代1119年-1125年、中国は4人の政府高官の悪政で腐敗していた。 そこで虐げられた無頼漢が宋江を頭領に36人梁山泊に終結。それが108人となって替天行道を旗印に官民と抗争する話だ。梁山泊の英雄豪傑は次々に死を遂げ、また出家し、最後に27人が残る。和平条約でその半分は官民となり、半分は野に下るが、最後は宋江も暗殺されてしまう。前半は英雄伝、後半はその悲劇的末路という構成」 今回は、「志」を持った男と女たちが、腐敗した国を倒すため梁山泊を中心にして集まり「替天行道」の旗を掲げ、命をかけて戦うことを決意するまでを描いている(「替天行道」(たいてんぎょうどう)とは、まさに「天に替わり、道を行う」という意味)。 “梁山泊”を舞台に、シンプルな装置(二階建ての組階段を利用・特に組階段に格子を下ろし牢に見立てる場が、非常におもしろかった)に、客席の通路や2階のBOX席をも使い、爽快感にあふれた青春・友情・信義の勧善懲悪な物語を息もつかせぬ展開でみせ、上演時間・1時間50分を休憩なしで一気にみせる手腕は、さすがである。 だが観劇後の余韻にとぼしいのがおしい。説明台詞が多すぎるのか、あるいは、悪人側の背景が希薄なせいか・・人物の陰影が薄く物語の構成が少し単純にも思える。 出演者は、皆、好演。時に猿琉(李逵:りき)の活躍がうれしい。女形三態・笑三郎(姫虎)、笑也(青華)、春猿(お夜叉こと孫二娘:そんじじょう)が、それぞれ個性が際立って美しい。ちなみに、春猿さんのおみ足も美しい(笑) また、猿弥(梁山泊の猛将・王英)の珍しいラブシーンが何ともいじらしく、笑也(青華)との純愛の可愛らしさには、微笑まずにはいられない。よかったね猿弥さん♪ スタッフ は 演出・美術原案 市川猿之助 脚本・演出 横内謙介 音楽 加藤和彦 美術監修 朝倉 摂 衣裳監修 毛利臣男 衣裳 桜井久美 装置 金井勇一郎 照明 成瀬一裕 音響 本間明 佐藤勇一 特殊美術 田中義彦 振付 藤間左近 演出補 市川右近 舞台監督 岡嘉洋 キャスト は 市川右近 市川猿弥 市川春猿 市川弘太郎 市川笑三郎 市川笑也 金田龍之介 市川猿三郎 市川猿四郎 市川欣弥 市川龍蔵 市川笑子 市川笑三 市川喜猿 市川裕喜 市川笑野 市川喜昇 市川喜之助 市川喜太郎 市川猿若 市川猿紫 市川猿琉 市川猿治郎 といった面々である。 観劇後は、雨が降ってきたため麻布国際祭りに出向くのを中止して、風月堂でアフタヌーンティ。 サンドイッチ、ケーキ、フルーツ、スコーンなど盛りだくさんである。 その後、ITOYAへ行き、あれこれ見学&物色。わたしは、両面のガーゼハンカチを購入する。 本日のきもの:沖縄の壁上布におもだか模様の○松の名古屋帯、帯留はナス。 おもだか模様は、猿之助一座の紋でもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 31, 2008 08:13:29 AM
コメント(0) | コメントを書く
[歌舞伎] カテゴリの最新記事
|
|