カテゴリ:歌舞伎
赤坂サカスにて 歌舞伎を観る♪
赤坂大歌舞伎(赤坂ACTシアター)は、いや~~笑った笑ったぁ~~、世の中、いっぱい嫌なこともあるが、そういったことをひと時、忘れて楽しむには、「狐狸狐狸ばなし」も「棒しばり」も、びったりの芝居ではなかろうか。 ○江戸みやけ「狐狸狐狸ばなし」十一場 勘三郎丈の「お客様を楽しませたい」という思いが、充分に伝わってくるおもしろさ。北条秀司作の傑作喜劇「狐狸狐狸ばなし」は昭和36年に伊之助に森繁、重善に先代の勘三郎、おきわに山田五十鈴、又市に三木のり平ら凄い面子に当てはめて書かれた芝居。それを、勘三郎丈が、歌舞伎座で上演し大当たりをとった作品である。 扇雀丈のおきわは、歌舞伎座で福助丈の当たり役だっただけに、ちょっと心配だったが、海千山千の女の嫌らしさや、図太さがありながら、どこか憎めない可愛いい悪女ぶり、勘三郎丈に「あんた、最近、肥(こ)えたんじゃない?」とか「家が揺れた・・(笑)」などのいじられぶりも可笑しい。 段治郎丈の法印・重善は、良い男振りで、これは、女がほっておかないだろうというのがよくわかる・・こういう駄目な坊さん役(「桜姫東文章」の清玄坊主にどこか通じる)は、ひょっとすると彼の当たり役かもしれない。 亀蔵丈の牛娘・おそめ。案外可愛らしくて、本当に重善が好きなんだなぁという風情に好感がもてた。以前上演の時は、亀蔵丈のおそめVS重善の新之助丈(現・海老蔵)が取っ組み合いのけんか状態で、すごかったのを、ちょっと思いだした(笑) 彌十郎の又市は、「大男、総身に知恵が回りかね」が、伊之助に「大男、総身に血が回らない」と言われ(おそらく勘三郎丈が間違えた?)、ばかっぷりな役どころそのまま、血が血がと、それをアドリブにしていたのが、おかしい。 何かとお得な役だなぁと思いながら、結構、彼には騙される(笑) 勘三郎丈の伊之助は、おきわの真っ赤な湯もじ(洗濯物)を干し、それをパンパンと叩くところから、勘三郎ワールド全開。なかなかしたたか者でありながら可愛いげのある伊之助を見事に楽しませてくれた~~~♪ 昔から男と女は狐と狸の化かし合いというが、二転三転の鮮やかなどんでん返しが、落語のオチにも似て、何ともおかしい大人の芝居になっている。 <江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし・出演者> 伊之助:中村勘三郎 又市 :坂東彌十郎 重善 :市川段治郎 甚平 :井之上隆志 おそめ:片岡亀蔵 おきわ:中村扇雀 ○「棒しばり」 文句なく楽しい松羽目・舞踊。 勘太郎・七之助コンビの「棒しばり」は、初めて観たが、二人の息もぴったり若々しく生き生きとして観ているだけで楽しい。 勘太郎丈は先月(8月歌舞伎座)の更科姫では固さもみられたが、次郎冠者は、本人も楽しげで、棒で縛られたまま開いた扇を左手から投げて、右手で受けるという離れ技を見事に決めて、大拍手を浴びていた。しかし、勘太郎丈、声音や台詞の間がおとうさんの勘三郎丈によく似ているなぁ。 亀蔵丈の大名は、貫禄には欠けるが、二人の動きにつられて踊りだすさまに、大らかな愛敬があってこれもまたおかしい。 とにかく、三人のユーモラスな会話と動きが楽しい歌舞伎舞踊である。 <棒しばり・出演者> 長唄囃子連中 次郎冠者 :中村勘太郎 太郎冠者 :中村七之助 曽根松兵衛:片岡亀蔵 両作品とも人間の欲望を喜劇タッチで描いた傑作(ちなみに狐狸狐狸は昭和の作品、棒しばりは狂言を元にした江戸時代の作品、といった具合に歌舞伎の懐の深さがかいまみれるのである。)、歌舞伎を観慣れていない方にこそ観ていただきたい、とても面白い二作品である。 しかしながら、チケット代が、S席:13500円とA席:8000円のみなのは、いかがなものか。 次回は、B席:4000円の席をもうけ、歌舞伎の楽しさを広めてほしいものである!!! 観劇後は、サカスB1の、象印・デリリウムカフェ レゼルブでベルギービールを一杯、 その後、TBSのおみやげショップにてうろうろ、赤坂見付方面のケーキの老舗・ 「しろたえ」でケーキー(マロン)とコーヒーでスイーツを堪能し、山王溜池に ある「アリバブ」にて行われる「箏とフランス料理の夕べ」へと向かう。 本日のきもの:シルクジョーゼットのような蝙蝠柄の夏着物であるが、あまり透けないので、こういう9月の夏日にはぴったりである。帯は変わり絽の手描き蝙蝠柄。半衿は♪柄、扇子も♪柄ということで、夜のコンサートに備える。 写真は、ACT劇場前での幟の前(勘三郎丈、段治郎丈) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 17, 2008 06:03:19 PM
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