キモノで観劇・感激日記

あいにくの雨模様の中、永田町の国立劇場に、9月文楽公演・昼の部「五世豊松清十郎襲名披露」に行って参りました。ところで、行ってから気づいたのですが千秋楽だったのですね。

開演前のロビーでは新清十郎さんがファンの方の記念写真に応じていらっしゃいましたが、
開演ぎりぎりについた私は、あわただしく席についてしまいました。
一緒にとればよかったぁ・・・後の祭りでございます(-_-;;

本日の演目は、
「近頃河原の達引」　＜四条河原の段＞、＜堀川猿廻しの段＞

吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露の口上　　　

襲名披露狂言は、
「本朝廿四孝」十種香の段、奥庭狐火の段　

○「近頃河原の達引」の「猿廻しの段」は歌舞伎で観ていましたが、伝兵衛が死ななければならない真相を描いた「四条河原の段」は初めてみました。
「猿廻しの段」前半は住大夫と錦糸。後半は綱大夫と清二郎・清志郎。
人形はおしゅんが簑助、伝兵衛は玉女、紋寿は与次郎、紋豊さんは母親
おしゅんの兄の与次郎の人情とおかしみが何とも哀しく愛おしく、死出の旅にたつ二人（おしゅんと伝兵衛）への餞の猿廻しの場面では、猿遣いが両手に一匹ずつ持ってあつかう猿の表情がもう可愛くて大いに受けてしまいました。
見事な猿回し振りでありました。

休憩後は、

○吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露の口上　
歌舞伎と違って、舞台に並んだ方がすべて口上をするわけでは、無く、進行役の文字久大夫の口上の後、住大夫、寛治と義太夫、三味線を代表するお二人の口上でした。歌舞伎と比べると地味ではありますが、生真面目で真摯な語り口に好感を持ちました。１２歳？から弟子入りしてらっしたとかすばらしいです。

○「本朝廿四孝」は、襲名披露狂言。
「十種香の段」は嶋大夫と宗助。「奥庭」は津駒大夫と寛治、清馗、寛太郎。３人のツレ弾きは華やかである。
清十郎は八重垣姫、勝頼に簑助、濡衣に文雀、謙信に勘十郎と、お披露目らしく豪華な顔ぶれ。
「十種香の段」では、勝頼の衣装が歌舞伎と異なり桃色系の小袖に浅黄系の長裃で、歌舞伎を（赤い小袖に紫の長裃）見慣れた目には、めずらしかったです。
「奥庭」では、八重垣姫の左は勘十郎さん、足は簑紫郎という豪華なで布陣で、八重垣姫のダイナミックな動きを披露。狐たちとの息もぴったりで、華やかな幕切れを楽しませてくれました。
清十郎の八重垣姫は、美しく無邪気でありながら、品よく情熱を内に秘め、いざとなったら行動力という感じで、素敵でしたね。
実は、この作品、10月の夜の部に、八重垣姫に玉三郎、武田勝頼に菊之助、腰元濡衣に福助
が演じるので観比べるという意味でもおもしろかったです。
ともかく、お披露目おめでとうございます(*^^*)

本日のきもの：雨模様なので紬訪問着の単衣（絞と刺繍の方身代わりの凝ったもの）、帯は捨○の名古屋帯、半衿は秋草で季節もの。帯留はお祝いで福禄寿。

ロビーのお祝いの飾りの前でパチリ。