カテゴリ:歌舞伎
新秋九月大歌舞伎・夜の部を観る。
○通し狂言「加賀見山旧錦絵」 尾上:時蔵、お初:亀治郎、岩藤:海老蔵 俗に「女忠臣蔵」とも呼ばれる作品。 忠臣蔵と同じく実際にあった2つの事件(前田家の御家騒動と、享保9年(1724年)に石見国浜田城主・松平周防守の江戸屋敷で起こった「草履打」事件)を元に天明2年(1782年)正月、江戸・薩摩座にて初演されたもの。 尾上の時蔵が、町人の出でありながら、奥向きの中老という高い身分になった貫禄と品を控え目だが芯のある強さをみせて魅力的。無実の罪を着せられ、草履打ちで辱めを受けた後、死を覚悟して花道を引っ込む姿では、無念の思いを全身で語り哀れにも美しい。この尾上であるからこそ利発なお初の仇討が生きてくる。 お初の亀治郎は、溌剌とした少女で、主人・尾上を思いまめまめしく使える姿に健気な可愛さもあって微笑ましい。腕っ節の強さは、さすがである。 岩藤の海老蔵は、台詞回しに難があるものの、憎々しげでありがながら愛嬌もあり、奥向きの最高位のお局様という品もかねてなかなか、おもしろい。 父團十郎の岩藤にそっくりなのが、個人的には、おお受けで、ほとんど出てくる毎に笑いが起きるのまで、同じであった。 ○色彩間苅豆 ~かさね かさね:亀治郎、与右衛門:海老蔵 ローレンス・オリヴィエ賞の候補のもなった海老蔵の与右衛門と亀治郎のかさねコンビの歌舞伎舞踊。すでに、こんぴら歌舞伎や海外公演でおなじみのものであるが、わたしは、このコンビでは、初見である。 海老蔵の与右衛門は、色悪も板について、亀治郎のかさねとの恋人風情が美しくも悲しい。 与右衛門の役作りは、色々あるとおもうが、海老蔵の与右衛門は、かさねを愛しながら因縁に流されるように悪事を重ねる姿があわれである。 亀治郎のかさねは、化粧も美しく、さすがの踊りで魅せる。最後の連理引きは圧巻。 二演目ともなかなかの出来、しかも出演者が役柄に合い眼の保養もたっぶり出来た5時間弱であった。充実した観劇・感激で、歌舞伎って楽しい♪ しかし、歌舞伎座のおりょう、演舞場のお初、かさねと亀治郎大活躍の9月であった♪ 本日のきもの:紗袷など。模様が秋模様なのでよいかなという感じである。帯は傘の模様。 二演目とも主役級(岩藤とかさね)が傘をもっているのにひっかけてみた。帯留は季節の葡萄(真珠のブローチの流用) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 30, 2008 12:41:10 PM
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