キモノで観劇・感激日記

歌舞伎検定終了後、新橋演舞場・花形歌舞伎・夜の部通し狂言　伽羅先代萩を観るために駆けつける。

検定を途中退席しないと大遅刻になるところで、冷汗の観劇となる。
本日は、三階席から。

演目は、お馴染みの歌舞伎版「伊達騒動」
菊之助が乳母の政岡を演じていたが、この役をやるには、やはり若い。ただし、彼の口跡は鮮やかでは、ある。
竹の間がついて八汐（愛之助）の見せ場が増え（見せ場が増えた分、巧者・愛之助といえども四苦八苦しているのが伺える）、次の足利家御殿の場での政岡親子が命をかけて若君を守るのか、説得力があり、よくわかるようになっている。しかし、八汐って単なる強面の悪役で演じてはいけないむずかしい役である。

仁木弾正の海老蔵は、ともかく目が利く。芝居がどうのの前に三階席まで届く役者ぶりが凄い。
松緑の細川勝元は、大名と云うよりも遠山の金さんと言った雰囲気で世話物っぽいのが・・・。また、これに対する家橘（山名宗全）が大老職に見えず奉行所の小役人という体で対決の場が、時代物と世話物が混じり合った不思議空間になっていた。

最後に、今回、おぉと思わせたのが、竹の間での門之助（沖の井）である。大名家の高位の奥女中らしく、品位ある仕置き振りが見事で惹きつけられたが、9月の新橋演舞場でもいい味を出していたなぁと思い、今、役者として充実の感がある。

一、通し狂言　伽羅先代萩（めいぼくせんだいはぎ）
　　序　幕　鎌倉花水橋の場
　　二幕目　足利家竹の間の場
　　三幕目　足利家御殿の場
　　　　　　同　　床下の場
　　四幕目　問注所対決の場
　　大　詰　控所刃傷の場

　　＜花水橋・竹の間・御殿・床下＞

　　　　　　　　　　　　　　政岡　　菊之助
　　　　　　　　　　　　　　八汐　　愛之助
　　　　　　　　　　荒獅子男之助　　獅　童
　　　　　　　　　　　　絹川谷蔵　　男女蔵
　　　　　　　　　　　　足利頼兼　　亀三郎
　　　　　　　　　　　　　　松島　　吉　弥
　　　　　　　　　　　　　沖の井　　門之助
　　　　　　　　　　　　　栄御前　　右之助
　　　　　　　　　　　　仁木弾正　　海老蔵

　　＜対決・刃傷＞

　　　　　　　　　　　　細川勝元　　松　緑
　　　　　　　　　渡辺外記左衛門　　男女蔵
　　　　　　　　　　　　渡辺民部　　亀三郎
　　　　　　　　　　　山中鹿之助　　宗之助
　　　　　　　　　　　　山名宗全　　家　橘
　　　　　　　　　　　　仁木弾正　　海老蔵

フォトは、演舞場に飾られていた菊之助の政岡のポスター（雪持ち笹の黒の内掛けがよく似合っていた）