カテゴリ:演劇・コンサート・ミュージカルなど
チケットが一枚あるよ~の友人の声に惹かれて、観てきました東宝「エリザベート」貸切公演♪
実は、「エリザベート」は、宝塚版が、一番耽美な雰囲気に満ちていて、私の好みにあって好きなのだが(宝塚版は、確実に10回以上観ているが、ストリーもシンプルである)、今回は、タイトルロールに宝塚・雪組の元トップスター・朝海ひかる がキャステングされ、しかもトートが山口氏だったので、観てもいいかなと・・前回観た武田君のトートは、私が考える黄泉の帝王・トート閣下という感じでは、なかったので、彼がトートだったら、声がかかっても躊躇して観なかったであろう。 実在したヨーロッパ随一の美女と称えられたオーストリアの皇妃・エリザベート。その波乱の生涯を、彼女を暗殺した犯人が、彼女と同時期に生きた人々を冥界から呼び出して、語り始めるというオープニングに始まり、滅びゆくハプスブルク家の栄光と、陰鬱な世紀末、近づく第一次世界大戦の足音などを交えながら、時代に翻弄されるひとつの帝国(家族)の悲劇の物語が舞台に綴られていく(ちなみにエリザベートの息子であるルドルフは、あの「うたかたの恋」のルドルフ皇太子。また、第一次世界大戦からナチス誕生の火種までもこのミュージカルでは暗示している。)。 しかし、この時代の歴史を把握していないと、物語に置いて行かれるかも知れないかも。わたしの仕事場の友人は、歴史が苦手?で「レミゼラブル」も「えりザベート」も駄目だったが・・・・ゆいつベトナム戦争の「ミスサイゴン」は、背景がわかると、いたく感動していた。 わたしがエリザべートに興味をいただいたのは、映画「ルードウィヒ 神々の黄昏」。 監督・ルキノ・ヴィスコンティの上演時間・3時間以上に及ぶ名作である。こちらも実在の狂王・ルードウィヒ(白鳥城の主)の生涯を描いているが、その中で、彼の初恋の人が、オーストリア皇后・エリザベート。 名女優・ロミー・シュナイダーが、乗馬姿も麗しく気品高く憂いを秘めて、この役を演じていた。その後、バイエルンの「白鳥城」を訪れた時に、壁に描かれたワーグナーのオペラ「ローエングリン」(ヒロインの名がエリザ)にルードウィヒのエリザベートへの溢れる思いを、時を経て感じたものである。 朝海ひかるのエリザは、歌の表現力という意味では、ほど遠い感じでは、あったが(宝塚時代もダンサーだったが歌は??)、立ち姿が美しく、第一部の最後の鏡の間での白いドレスの美しさは、まばゆいばかり。愛らしく孤独なエリザを好演していた。 トートの山口氏は、余裕ある歌いっぷりでは、ありましたが、歌唱方法を変えたのか、以前のような圧倒的な声量というよりは、抑え気味かな。 フランツの石川氏は、フランツ・ヨーゼフの歌は完璧。老いて妻を訪れる「二つのボート」の歌には、彼の愛と孤独に涙する。しかし、メイクは、もう少し頑張ってほしいかも。 ゾフィーの寿ひずるは、いいですねぇ。貫禄とダンスでのキレも国を支える母でした。 ルキー二の高嶋政宏は、歌の格段の進歩が垣間見えたが、嫌らしさも増していて、宝塚版のダンディなルキー二好きの私には、ちょっとシツコイかも・・・だった。 今回注目は、ルドルフの伊礼彼方(いれいかなた)。歌声も良くダンスも今までのルドルフで一番、踊っていたような。今後、期待の若手かな♪ しかし、エリザのメロディラインは、オペラからロック、東欧音楽までも内包して複雑過多でありながら魅力に富み、特に「闇は広がる」は、時代を映して名曲中の名曲♪ <貸切公演のおまけ> カーテンコールに挨拶があり、無事、挨拶を終えようとした朝海ひかる だったが、見事に失敗。自分のほっぺたを叩いたて活を入れようとしたら、そこにはマイクが・・・劇場中に響き渡る雑音に、あらら・・ぎゃふんと言う感じ(劇場では、愛らしい姿に笑いの渦が)で、トートの山口氏が、慰めようと、朝海ひかる を抱きしめていましたが・しかし、トート閣下は役特ではなかろうか。 ちなみに、その後の山口氏の挨拶では、わざとほっぺたのところのマイクを何度も叩いて笑を取っていたのが、彼らしいというか。微笑ましい挨拶ではありました。 <本日のキャスト> エリザベート: 朝海ひかる トート: 山口祐一郎 ヨーゼフ: 石川 禅 ルドルフ: 伊礼 彼方 ゾフィー: 寿ひずる マックス:村井 国夫 ルキー二:高嶋 政宏 脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツエ 音楽 シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション ウィーン劇場協会 製作 東宝株式会社 製作協力 宝塚歌劇団 後援 オーストリア大使館 協力 オーストリア航空 演出・訳詞 小池修一郎 東宝プロダクション監修:ウィーン劇場協会 音楽監督 甲斐正人 美術 堀尾幸男 照明 勝柴次朗 衣裳 朝月真次郎 振付 島崎徹・麻咲梨乃 歌唱指導 林アキラ・飯田純子 音響 渡邉邦男 映像 奥 秀太郎 演出助手 小川美也子・末永陽一 舞台監督 廣田 進 オーケストラ (株)ダット・ミュージック・東宝ミュージック(株) 指揮 塩田明弘 翻訳協力 迫 光 プロダクション・コーディネーター 小熊節子 プロデューサー 岡本義次/坂本義和 本日のきもの:菫色地の星座模様の小紋に銀杏模様の名古屋帯。帯留は、ユニコーンの背に乗った妖精を描いてもらったもの。宝塚時代の朝海ひかるの雰囲気がある。また乗馬が好きだったエリザにもあわせて。紅葉模様の長羽織を着用。 こちらは、葡萄模様の八掛。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 9, 2008 11:09:48 PM
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