カテゴリ:演劇・コンサート・ミュージカルなど
世界の歴史上でも、これほど波乱に富んだ運命を送った姉妹は、そういないかも知れない。
ひとりはお金を愛し、 ひとりは権力を愛し、 ひとりは中国を愛した アメリカ留学から帰国した三姉妹、 長女靄齢(あいれい)は孔子の子孫の財閥に嫁ぎ、世界一の富豪に 三女美齢(びれい)は蒋介石に嫁ぎ、台湾のファストレディに 次女慶齢(けいれい)は革命家・孫文に嫁ぎ、夫亡き後は革命に身を投じ、後に中国共産党から国家名誉主席に任じられる。 実在した「宗家の三姉妹」については、NHKのドキュメンタリーを見て知り、その後、岩波ホールで映画を見ていたので、この壮大な物語をどうやって舞台化するのか、興味があって池袋 サンシャイン劇場へと足を運びました。 「宗家の三姉妹」池袋 サンシャイン劇場 19時開演 2時間一幕休憩ナシ! 出演者: 靄齢(長女) 安奈淳 慶齢(次女) 安寿ミラ 美齢(三女) 森ほさち 京胡演奏 呉汝俊(ウールーチン) 舞台は、椅子が3脚と幕だけのシンプルなセットに、劇中、時代解説の字幕が縦書きで何度も流れて行くためもあってか、観客が、回想録を紐解いていくという雰囲気でありましたね。 回想録形式で進む舞台は、冒頭と最後が同じ内容で繋がるようになっていて、混迷を極めた中国現代史の渦中(辛亥革命、西安事件、日戦争、国共内線)に生きた三姉妹(靄齢、慶齢、美齢)の生涯と絆が語られていきます。 姉妹順番に、それぞれが椅子に座ったままで語る長い独白部分に圧倒されましたね。台詞どうやって覚えるんでしょうか。しかも、演じてる背後には、語る内容の台詞が字幕として全部流れていくという形式。出演者の三人が、それぞれ個性的でおもしろかったです。 最後に、美齢が100歳を超えて生き、最近亡くなったということを知りました(確かNHKで放映された時には、まだ存命していたと記憶)。 冒頭とカーテンコールでの京胡のメロディーが歴史の激動の中で生きてきた姉妹の鎮魂歌となって美しく奏でられていたのが耳に残りました。悠久の大地の彼方から蘇る歴史・・! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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