カテゴリ:宝塚
源氏物語の宇治十帖を題材にした源氏物語千年紀頌『夢の浮橋』(脚本・演出/大野拓史)とファナティック・ショー『Apasionado!!(アパショナード)』(作・演出/藤井大介)を東京宝塚劇場で観てきました。今日は、千秋楽公演の午前の部を観劇!
『夢の浮橋』は、源氏物語の最終章「宇治十帖」の貴公子・匂宮、匂宮と兄弟のように育った薫、その二人の貴公子から愛される浮舟。三人を巡る切ない恋の話だったはずなのだが、原作から遠く離れて、良く分からない話になっていたような・・・今回、匂宮の妻である中の君(浮舟の原違いの姉)が出てこないためか、浮舟との三角関係の部分は、割りとあっさり目。 それよりも、常に薫を気にかける匂宮の話のようであるが、対する薫に魅力が乏しいのも興を殺ぐ原因か? 大野拓史の和物の脚本は、結構好みではあるのだが、これは何を語りたいのかわからなかったのが残念。 大きな疑問点が二つばかり、 一つは、当時の宮廷の権力争いを取り上げていながら、大きな間違いが・・ 匂宮と浮舟の事を知った薫が、二人を別れさせるために、娘を匂宮の妻にしようという野望を持つ夕霧に告げ口をするのだが、浮舟は、宮家の娘ではあるけれど、父は亡くなり母親の身分も低く・・そのため権力など握ることなど当時としては不可能。であるから、夕霧の娘のライバルなどになりえようもないのである。 二つ目は、皇太子になった匂宮が浮舟の髪を下ろすことを命じたという言葉に「えぇっ」とひいてしまう自分がいて・・これも原作から離れて、何だかなと頭に?マークがとんでしまったのであった。 ということで、作者は、この物語で何を語りたかったか謎が残る。プログラムを購入したらその当たりは、理解できたのであろうか? <月組の出演> 匂宮(今上帝と明石の中宮の息子): 瀬奈 じゅん 薫(光源氏の末子): 霧矢 大夢 浮舟(八の宮の娘): 羽桜 しずく 光源氏(桐壺帝と桐壺更衣の息子): 萬 あきら 夕霧(光源氏の嫡男): 磯野 千尋 明石の中宮(光源氏の娘) :梨花 ますみ 女一の宮(匂宮の姉): 花瀬 みずか 二の宮(匂宮の兄): 遼河 はるひ 四の宮(匂宮の異母弟): 良基 天音 五の宮(匂宮の同母弟): 明日海 りお 仲信(薫の家司): 越乃 リュウ 時方(匂宮の家司): 桐生 園加 道定(匂宮の家司): 龍 真咲 衛門督(夕霧の息子): 青樹 泉 宰相中将(夕霧の息子): 星条 海斗 小宰相の君(五節の舞姫) :城咲 あい 逆にショーの『Apasionado!!(アパショナード)』はスペイン風な趣で、スピード感もありおもしろい。特にプロローグの大階段を使った豪華で大きな衣装からのあっと驚く早変わりの仕掛けや、中詰めの霧谷以下の男役スター達の美女振りは、大人っぽさと濃さが炸裂し、ウキウキと目に楽しい演出であった。これぞ宝塚と言ったところであろうか。 また、桐生園加の切れのあるダンスは、いつ見ても気持がいい♪ 本日のきもの:舞台の源氏物語にあわせて、源氏物語の貝袷模様袋帯、その帯に合わせて総絞りの訪問着。帯留は季節の梅(象牙) フォトは、この公演のデザート(葛ときなこと抹茶に小豆で和風) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 21, 2009 12:14:57 AM
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