カテゴリ:歌舞伎
五月は、通念は団菊祭では、ありますが、今年は、歌舞伎座さよなら公演と
いうことで団菊祭とは、つかないんですね。 ポスターは、こちら ○恋湊博多諷(こいみなとはかたのひとふし) 毛剃 享保4年(1719)11月竹本座で初演された 近松門左衛門の人形浄瑠璃 「博多小女郎浪枕(はかたこじょろうなみまくら)」が原作で、 実際にあった抜荷買い(密貿易)の事件を脚色したものだそう。 見どころは、 大船が舞台上でぐるり回りその上で、 西海の海賊・毛剃九右衛門が異国風の衣装で 見得を切る「汐見の見得」の場面が特に有名ですね。 今回は、小女郎の身請けと宗七が、抜け荷中間になるまでですが、 実は、この後、悲劇がまっているという筋立て。 ただし、今回は、後半の悲劇は、カットされて どちらかというと華やかな顔ぶれと、異国情緒を楽しむと言った感じですかね。 団十郎丈が、九州の訛りで”よかよか”と言うと、 そうだよなぁ~と思わされる大きさがありました。 ○小猿七之助 御守殿お滝 夕立(ゆうだち) 初めて観るので、 小猿七之助と滝川との、濡れ場を舞踊化したもので 退廃美が濃厚な清元の舞踊ということだったので、ちょっと期待したのですが、 退廃的な雰囲気は、余りなかったのが残念・・・(^^;; ○神田ばやし(かんだばやし) 39年ぶりの上演となる宇野信夫の下町人情噺。 裏長屋の人々の心の交流を描いたほのぼのとした人情劇で、 実直な桶屋の留吉を海老蔵丈が、演じていて、ほのぼのとした風情である。 娘のおみつ役の梅枝が、可憐で清楚・お似合いでしたね。 無実の罪をきせられた男、罪を問うことの罪と人の愚かさを問いかけて、 笑いの中に深さがあるお話では、ありました。 ○鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと) おしどり 曽我物のひとつなんですよね。 河津三郎(かわずのさぶろう)と股野(またの)五郎の角力(すもう)の話に 結び付けて脚色されていたものを、6世中村歌右衛門が1954年(昭和29)に 自主公演で、歌舞伎座で復活上演したそうです。 上の巻の長唄「相撲」は、 河津と股野が傾城(けいせい)喜瀬川の行司で相撲をとり、 敗れた股野が河津を呪咀するため鴛鴦の雄を射て、その血を得るまで 下の巻の常磐津「鴛鴦」は 傷ついた雄鳥の精が雌鳥とともに人間の男女の姿で現れ、 股野の企てを妨げるというもの。 海老蔵、菊之助、松緑と錦絵を見るような美しさではありました。 喜瀬川の河野はいい男ぉ~好き・好き、 股野は嫌じゃわいなぁ~つんつんという振りが、笑ってしまうぐらい 露骨で、おもしろかったですね。 <出演者> ○.恋湊博多諷(こいみなとはかたのひとふし) 作:近松門左衛門 團十郎:毛剃毛剃九右衛門 菊之助:傾城小女郎 彌十郎:座頭盛市 秀太郎:奥田屋お松 坂田藤十郎:小松屋宗七 ○小猿七之助 御守殿お滝 夕立(ゆうだち) 菊五郎:小猿七之助 時蔵 :御守殿滝川 ○神田ばやし 作:宇野信夫 演出:大場正昭 三津五郎:家主彦兵衛 海老蔵 :桶屋留吉 梅枝 :娘おみつ 秀調 :店子加蔵 團蔵 :店子惣助 ○鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと) 菊之助 :おしどり遊女喜瀬川、雌鴛鴦の精 海老蔵 :河津祐安、雄鴛鴦の精 松緑 :股野景久 夜の部は、色々盛りだくさんと言った感じで、 16時30分から21時20分まで5時間近く、のんびりと過ごした時間ではありました。 本日のきもの: 雨模様のため今日も紬:同色総刺繍の古い紬訪問着に、百合の模様の塩瀬の名古屋帯。 帯留は象牙に蜘蛛、半衿も百合の刺繍を合わせて、初夏の風情を楽しむことに! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 26, 2009 06:43:31 AM
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