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キモノで観劇・感激日記

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July 26, 2009
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カテゴリ:歌舞伎
ふたつの違った趣向で魅せる2ヶ月・Bunkamura20周年の記念作品、
6月に引き続き7月のコクーン歌舞伎第十弾「桜姫」を観る。

演出は、6月に引き続き串田和美。
原作は、4代目鶴屋南北(つるやなんぼく)、
彼が得意とした因果話(いんがばなし)や
幽霊などの怪奇趣味が散りばめられた荒唐無稽な
「桜姫東文章」は、歌舞伎の語源にもなった傾くが大いに取り入れられた作品でる。

舞台の大きさと客席の設定は、6月とほぼ同じ
(正方形に近い舞台が中央にせり出しと吊屋根、
それを囲むように四方に設けられた客席)ような感じであるが
ただ、今回は、客席のベンチシートの通路を花道に見立てて多用する
という感じで、小さな劇場ならではの観客と役者の距離の近さは、
格別な趣で楽しみ倍増と言ったところである。

なお、7月は、原作そのまま舞台化したとのことであるが、
カット部分は、結構ある。特に主要な人物である粟津の七郎&お十夫婦は、
全面カットされていて登場しない。
ただ、6月と違って清玄と権助は死ぬが桜姫は生き残る設定は原作通り。

今回、タイトルロールの桜姫は、七之助。
彼が持っている儚げな芸質そのまま
ひたすら運命に逆らうことなく流されていくという感じで、
そのためか「毒をくらわば・・・」の台詞の印象が薄く、
女郎にまで身を落とす姿は、何とも哀れでありましたね。
そのためか、「権助住居の場(ごんすけすみかのば)」での
女郎の粗雑な言葉遣いと大名家の姫らしい公家(くげ)言葉が混ざる
南北独特の洒落のある台詞の趣向が希薄で、おもしろさに欠けたのは残念。

私が観た板東玉三郎の桜姫の、
「毒をくらわば・・・」の台詞は、自ら生き抜く台詞として
女郎にまで身を落しながらも、生まれの高貴さはそのまま、
僧清玄をくらい、権助をくらい、自らの子をもくらいながら、
圧倒的な位取りで、プロローグの高貴な姫に戻る姿は、鬼子母神さながらの
有無を言わせぬ存在感だったのとは対極的な趣。

七之助は、大役でプレッシャーもいかばかりか、
立派に努めていたと思うが力不足はいなめない。
今後は、役者としての存在感に華と色気を身に付けて、
数年後に期待したいと思う。

全体的には、物語を観客にわからせるということを主にしたためか、
歌舞伎的醍醐味(華やかさや、早変わり、荒唐無稽さ、花形役者を見せる)
が薄く南北の原作の暗さばかりが浮たってしまったのも、おもしろさに欠けた要因かもしれない。

出 演
桜姫:中村七之助
僧清玄:中村勘三郎
僧・残月:坂東彌十郎
局・長浦:中村扇雀
釣鐘の権助:中村橋之助
入間悪五郎:市川亀三郎
古手屋九郎八:笹野高史


原 作 四世 鶴屋南北
演 出 串田和美

本日のきもの:桜の花弁模様の薄もの。生成色のため長襦袢に黒の絽(撫子に竜流水)を着用。帯は黒地に赤い紅葉の羅の名古屋。暑さに負けて引き抜きに結ぶ。帯留は象牙に雪の結晶の象嵌。
席を調べたらベンチシートの脇四列目の中より。脇四列は最後尾のため後の客には迷惑にならない位置。






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Last updated  August 7, 2009 08:39:10 PM
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