カテゴリ:演劇・コンサート・ミュージカルなど
ランチとディナーを一緒にしたような食事の後、国際フォーラムのCホールで、元・星組トップスターの安蘭けい主演のミュージカル「AIDA」を観る。
実は、これは、2003年に宝塚星組で上演されたグランド・ロマンス「王家に捧ぐ歌」 (オペラ「アイーダ」より)のアイーダ版である。 この作品は、オペラ「アイーダ」よりとなっているのが、宝塚は、男役至上主義なので、主演は男役(ラダメス)に変更だったのだが、囚われのエチオピアの王女・アイーダを、当時、男役の準トップスターの安蘭けいが演じている。 また、「王家に捧ぐ歌」は、確かその年の芸術祭の大賞を貰ったと記憶している(違っていたらごめんなさい)。 今回のミュージカルでは、主演が、本来の「アイーダ」に戻ったので、色々変更があるかと期待したのだが(たとえば歌詞とか歌詞とか歌詞とか・・・「エジプトは、凄く強い」とか・・)、残念ながらそのままで、まぁ脚本・演出が、「王家に捧ぐ歌」と同じである限り無理があるかもしれない。 音楽監督の甲斐氏の美しいメロディは、やはり美しく、今回の魅力的な出演者たちによって、より美しく歌いあげられ、聴きごたえは十分であっただけに、歌詞の貧弱さが何ともおしい。 安蘭けいは、当たり役を生き生きと歌い演じ、エチオピアに帰国した時の歌が、増えているためかアイーダが、すべの争いから身を引き、愛に準じる姿が鮮明になったように思う。 ラダメス・伊礼彼方は、大変魅力的な肢体を持ち、二人の王女から愛されるに充分観客を納得させる。「エリザベート」のルドルフを演じた時よりも、セクシーさがアップしただけでなく端正な雰囲気をたたえており、今後の活躍を期待したい。 王女アムネリスのANZAは、可愛い感じが勝っているが(「王家」の時アムネリスを演じた檀れいは、当時の宝塚随一の美貌だった)、衣装も良く似合い好演。 その他、共演人は、さすがの出来。アンサンブルも歌にダンスにすばらしい舞台を繰り広げていたが、しかし、グランドオペラ「アイーダ」をさんざん目にしている身には、もう少し人数がほしかったのも事実である。 何しろ、オペラだと凱旋の場面は、400人ぐらい使って人海戦術をする場合もあるので、どうしても大きな舞台だと、人数の少なさゆえダイナミックさが薄れた感がある。 だが、この舞台のオリジナルである「3つの銅鑼」の場(エジプト国王暗殺)は、物語の急展開を印象ずける迫力は十分で、出演者に拍手を贈りたい。 また、古代のエジプト対エチオピアの争いを、アメリカ対イスラムの争いに擬して、政治色を持たせながら観客に訴えかける時事性を5年以上たった今も持つのは、何とも哀しい事実ではある。 ちなみにこの回は、主演の安蘭けいのファンクラブ貸切公演(私は会員では無いが)ということで、何回かのカーテンコール後に、再度、挨拶があり「女優の安蘭けいです♪」と言いながら実にチャーミングに挨拶をしていた。素敵な女優の誕生である。 脚本・演出 木村信司(宝塚歌劇団) 作曲・編曲・音楽監督 甲斐正人 アイーダ : 安蘭けい ラダメス : 伊礼彼方 アムネリス : ANZA ファラオ : 光枝明彦 アモナスロ : 沢木 順 ウバルド : 宮川 浩 神官 : 林アキラ 本日のきもの:暑かったので夏物。フォト撮り忘れ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 21, 2009 09:26:14 PM
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