宝塚星組・青年館公演「龍星」
作・演出 : 児玉明子 主演 : (星組)安蘭けいの「龍星(りゅうせい)」を15時より観る。副題に‐闇を裂き天(あま)翔けよ。朕(ちん)は、皇帝なり‐とつくが、数奇な運命により、孤児から中国皇帝(宋の時代)になった男の戦いと愛と孤独の物語である。ここのことろ、宝塚は、脚本が駄作続きで、舞台に立つ出演者が、気の毒と思えていたが、今回は、ドラマチックな筋立て、何より、照明、衣装、メロディラインの美しさ、中国の曲(胡弓の音色など)や戦いの場の太鼓の使い方、ダンスシーン、立ち回りなど、ドラマをより盛り上げていてあきさせない。簡素ながら、装置では、宮城の背景の幕と、十数段の階段などが、上手に使われていて舞台に変化をもたせていた。筋立てに荒さはあるが、特に王子が、金国に人質として向かい殺され、入れ替える話と、最後の本物の龍星と偽の龍星の対決の場(なぜ護衛が誰もあらわれないのか・・・etc,etc)など疑問が残るが、それでも幕間、次の話の展開がどのようになるのか期待感で、幕が開くのが待ち遠しく感じられた。歌も安蘭けいの歌唱力の豊かさ、芝居に歌に心境著しい柚希礼音(本物の龍星)、美しい南まり、陽月花の立ち回りの切れのよさと最後の台詞の情感。それぞれ役に見事にはまり見ごたえのある舞台を魅せてくれた。無念にも倒れた本物の龍星の妻(花蓮・陽月)と父を知らぬその子が語る姿に、再び、歴史の歯車が回り出す予兆が聴こえるような幕切れだったと思う。あ~~もう一回観たかったぁ~!本日のキモノ:夜のコンサートにあわせて、黒地に白の音符模様織り出しの紬帯:季節に合わせて渋柿色に柿の木刺繍の名古屋帯帯揚:萌黄色無地ちりめん、帯締:黒白の市松三分紐に銀台に真珠のぶどうの帯留長襦袢:麻の葉模様に、金茶地にピエロ柄の半襟足袋:金茶の麻の葉模様履物:黒の絞鼻緒にツボは赤、桐草履