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キモノで観劇・感激日記

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チェコ国立ブルノ歌劇場「モーツァルトとサリエリ」＆「レクイエム」

モーツァルト生誕250年を記念した特別ステージR＝コルサコフ作曲の歌劇「モーツァルトとサリエリ」　全１幕　(日本語字幕付)と彼が作曲した「レクイエム」 K.626　をチェコ国立ブルノ歌劇場が上演する舞台に、お誘いを受け、聴き・観ることに！19時上野での開演に、かけつける。オペラ「モーツァルトとサリエリ」原作：アレクサンドル・プーシキン台本・作曲：リムスキー＝コルサコフ指揮：パヴェル・シュナイドル演出：イジー・ナジ舞台・美術：マルティン・ヴィーシェク衣装デザイン：エリシュカ・ザプレタロヴァー配役　モーツァルト：ゾルターン・コルダ、サリエリ：ダヴィド・スゼンディウフ運命(マイム）：ウラディミール・ムルクヴィチカ「モーツァルトとサリエリ」（１幕２場）は、ロシアの文豪プーシキンの戯曲を、リムスキー＝コルサコフがオペラ化したものである。サリエリがモーツァルトを殺したという風説を元に「音楽ひとすじ真面目に生きてきたサリエリには天賦の才がなく、自由奔放な遊び人モーツァルトにそれがある」という不条理を、サリエリの立場から神に問うていく物語。舞台や映画でおなじみ「アマデウス」の元になった作品らしいので、舞台＆映画、両方とも観ている私は、ある意味、興味津々。修道士のような姿をした運命が二人を操るように、色々なものに扮して登場するが、運命＝死神なのかなぁという感じがする。第二部モーツァルト作曲（ジェスマイヤー版）レクイエム指揮：ヤン・シュティフ振付：ズデニェク・プロケシ演出、美術、衣装は、第一部に同じオペラの後、幕間後、遺作「レクイエム」が演奏されるが、オーケストラはピット内で演奏し、オペラの雰囲気を引き継ぎ、運命がつかさどるモーツアルトの葬儀の模様がバレエ団によりマイムで表現される。舞台中央では、バレリーナが、修道士・修道女、天使などに扮し、モーツアルトの魂の二面性（天使と悪魔なのか）なのか、二人のモーツアルト役のバレリーナ達が踊る趣向。ちなみに合唱団は、舞台左右に配置されている。また、映像も使われて、ちょっとオカルトっぽいかも。世界一モーツァルトを愛した国といわれるチェコの名門ブルノ歌劇場が贈る舞台では、あるが、見終わって思ったこと・・・東京文化会館大ホールで、上演するには、無理がある作品。特に、第一幕の「モーツァルトとサリエリ｣は、せいぜい500人くらいのホールで上演すべきものでは、なかろうか。そして、この舞台で、はじめてレクイエムを聴いた人は、よかったのか悪かったのか・・・疑問が残るなぁ～(--;;

July 25, 2006

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イタリア・ベッリーニ大劇場「夢遊病の女」

ベッリーニの生地カターニアのベッリーニ大劇場がおくるオペラ「夢遊病の女」全２幕（日本語字幕付）「ベルカント・オペラ」の代表作として名高い作品を、2004年11月に新演出したものを上演。舞台は、黒を基調に真ん中に一段高くなった四角い舞台、その左右に黒子のような衣装をまとった合唱団が椅子に座り、手にもった白い仮面で変化をつける。主要歌手は、一段高くなった舞台で歌い演技をする。舞台装置は、前面の紗幕で、そこに家や森が映しだされるのみで、舞台の空間を生かしきれずに小さくまとまった印象。おそらく、この演出は、もっと小さな劇場での上演（せいぜい1000人規模）を主体としたものであるためか、上野文化会館で上演するには、無理があり非常につまらないものであった。衣装は、第一幕・第二幕とも黒を基調にした舞台・衣装の中で白い衣装（アミーナ）、第二幕の赤の衣装（アミーナ、リーザ）、白い衣装の寝衣（アミーナ）とシンプルなデザインと色彩のセンスは、好みである。歌手も総じて低調・・・コロラトゥーラの華麗な技巧を期待したボンファデッりは、清純な美貌と演技ではあったが、声にふらつきがあり、最後のアリアは聴かせていたが、それでも無理に声を出していた感があり満足のいくものでは、なかった。エルヴィーノ役のコロネッラは、声はともかくとして雰囲気があわず・・まぁ田舎の純朴な感じは、あったかも知れない。合唱団も、通し稽古が少なかったのか手に持つ仮面をもてあましている人もいて、それが非常に気になった。ものがたり＞舞台は、幽霊が出るとの噂が流れているスイスの山村。村人がアミーナとエルヴィーノの婚約を祝う中、かつてエルヴィーノに捨てられた宿の女主人リーザは複雑な思いである。そこに領主の息子ロドルフォ伯爵が現れ、リーザの営む宿に泊まることに。その夜、伯爵の気をひこうと部屋を訪ねるリーザであるが、睡眠状態のアミーナが歩きながら姿を見せ、伯爵の部屋で眠り込んでしまう。怒ったエルヴィーノは婚約を破棄して、リーザと結婚すると宣言。事情の分からないアミーナは絶望し、夢遊病状態の中、愛するエルヴィーノを思いながら、危険な橋を渡り始めるのであった・・・ちなみに、最後は、ハッピィエンドではあるが、エルヴィーノを見ているとイタリア男のばかさ加減が何ともで、ストーリー的にも今一。アミーナは、エルヴィーノと別れたほうが幸せになりそうだなぁと思えてしまうのである(^^;;アミーナ：ステファニア・ボンファデッりエルヴィーノ：アンドレア・コロネッラリーザ：サブリナ・ヴィアネッロ伯爵ロドルフォ：カルロ・レポレテレーザ(アミーナの母親）：マリエッラ・グァルネラ指揮：カルロ・パッレスキ演出：セルジョ･ヴェーラ　(２００４年１１月初演）ベッリーニ大劇場管弦楽団、合唱団終演後、レカンにて食事。水曜日から、送別会を含み、ずっと外食続きである。本日のキモノ：7月・今年初めての絽・明るい水灰色地の訪問着に彩の菖蒲模様の友禅。帯は紗地の織名古屋。模様は浪に源氏車でキモノとは、水つながりの涼。帯締は、緑と萌黄の三部紐に帯留は九谷焼・鶴模様。帯揚は、夏物のスカーフを利用。足袋はレース。履物はエナメル皮ぞうり。帯飾は銀台に宝石を飾ったペンダントトップを帯に挿したお財布の根付変わりに。

July 1, 2006

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メトロポリタンオペラ「ドン・ジョヴァンニ」に観劇・感激！

観ることと聴くこと、その二つがぴたりとあったエンタテーメントとしてのオペラを観ることの楽しさ。終演後、すばらしいオペラを観たという思いが溢れ、目にも耳にも贅沢な時間を目一杯過ごすことができた一期一会「ドン・ジョヴァンニ」！どちらかというとイタリアオペラが好きな私が、こんなに、モーツァルトのオペラに酔えるとは・・(*^^*)メトロポリタンオペラモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」全2幕Mozart　DON GIOVANNI Opera in 2 Acts【上演時間　約3時間25分／休憩1回含む】指揮：サー・アンドリュー・ディヴィス Conductor : Sir Andrew Davisドンナ・アンナ(S)：アンナ・ネトレプコ　Donna Anna: Anna Netrebkoドンナ・エルヴィラ(S)：メラニー・ディーナー　Donna Elvira: Melanie Dienerツェルリーナ(MS)：マグダレナ・コジェナー　Zerlina: Magdalena Kozenaドン・オッターヴィオ(T)：マシュー・ポレンザーニ　Don Ottavio: Matthew Polenzaniドン・ジョヴァンニ(Br)：アーウィン・シュロット　Don Giovanni: Erwin Schrottレポレロ(B)：ルネ・パーペ　Leporello: Rene Papeマゼット(B)：ジョナサン・レマル　Masetto: Jonathan Lemalu騎士長(Br)：セルゲイ・コプチャク　The Commendatore: Sergei Koptchak衣裳も装置もオーソドックス、だか、とてもおしゃれな雰囲気のある舞台。演技的な部分と歌唱の部分がパズルのようにぴたりとはまり、自身が女優でもあるマルト・ケラーの演出は、八百屋舞台の左右に壁を置き、その開閉によって舞台に奥行きを与えながら転換を巧みに行い、観客をひきつける。演出に応えるように、歌い手達は、みな表情豊かで芝居が上手い。今回タイトルロールを歌う若手バリトンのアーウィン・シュロットは、なかなかセクシーで、ウイットを交えたドン・ジョバンニを好演。最後亡霊によって地獄に引込まれるシーンでの歌唱と演技は圧巻、固唾を呑む出来であった。ドンナ・アンナ役のアンナ・ネトレプコは、艶のある美声とドラマチックな情感をたたえた歌声で観客をとりこにしたが、マリアカラスをつぐものとの評価も納得の芝居心とその美貌である。美声メゾ、ツェルリーナのマグダレナ・コジェナーも美しくキュートで芝居が上手い。マゼットのレマルも、駄目男ぶりがなかなかで、かか殿下・ツェルリーナとのコンビが、微笑ましい。エルヴィラのメラニー・ディーナーも、衣装が良く似合い、立ち姿が美しい美声の持ち主。そして、オッターヴィオのマシュー・ポレンザーニが貴族のボンボンという役どころを押さえ芝居も歌も姿もぴったり。八百屋舞台がすべるのか、肝心なところでコケていたが、エピローグで、レポレロに慰められていたように見えた。ルネ・パーペのレポレロは、コミカルな演技が巧く、軽快で、なんともかっこよく、若い歌手達が個性と実力を競い合うような雰囲気の中、洒脱に舞台を引き締める。もちろん、騎士長のセルゲイ・コプチャクも亡霊としての存在感を持ち聴かせた。上記の歌手たちが、モーツアルトの何重唱にもなるアンサンブルでは、抜群のバランスを発揮し、美しいハーモニーを奏でる。競い合うように音が重なりながら響き、強くて伸びがある重唱の迫力が観客を酔わせるのである。モーツアルトの醍醐味！指揮もオケも最高～～～！前評判・絶賛のネトレプコも凄かったが、恐ろしいことに他の歌手人もひけをとらない出来。オペラに魅了された一夜であった。＜ものがたり＞好色な貴族ドン・ジョヴァンニが征服した女性は優に 2000人。今夜もドンナ・アンナの寝室に忍び込むが運悪く見つかり、駆けつけた彼女の父親である騎士長を殺してしまう。その後も懲りずに次々に女性に手を出すが、上手くいかない。ドン・ジョヴァンニが、逃げ込んだ騎士長の像のある墓地で従者レポレロと話をしていると、突然騎士長の像から叱責の声。空威張りから騎士長を晩餐に招待したドン・ジョヴァンニ、その前に現れた騎士長の石像から改心を迫られるが・・。本日のキモノ。紗袷の訪問着（紗と絽の袷である）。絽に描かれた秋草模様が紗の黒地を透かして涼を呼ぶ。模様のアップ。帯は、梅雨時の定番の傘模様・刺繍も入った袋帯。白く見えるが生成色に金通し。黒の三部紐に桃珊瑚の魚彫の帯留。長襦袢は水にトンボの刺繍半襟に絹絽・母から譲りうけたものである。足袋は涼しく綿レース。草履は黒。本日は、こちらの購入したばかりの籠バック竹飾り網代バッグを利用。持ち手も柔らかくたっぷりと収納できすぐれものである。フォトより実物は、高級感がある。

June 17, 2006

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ボローニャ歌劇場『イル・トロヴァトーレ / IL TROVATORE』

科せられた運命の過酷さ、愛する人を失い、捜し求めた弟を失った彼の嘆きと孤独を、ただ月（ルーナ）のみが見つめている。G.ヴェルディ作曲歌劇『イル・トロヴァトーレ / IL TROVATORE』《全4幕／イタリア語上演日本語字幕付》今回の来日で一番楽しみにしていたイル・トロのアルベルト・ガザーレのルーナ伯爵～、これを観・聴くために、東京文化会館へ雨の中、足を運んだと言っても過言ではない。マンリーコ役 / ロベルト・アラーニャ（テノール）レオノーラ役 / ダニエラ・デッシー（ソプラノ）ルーナ伯爵役 / アルベルト・ガザーレ（バリトン）アズチェーナ役 / マリアンネ・コルネッティ（メゾ・ソプラノ）フェランド役 / アンドレア・パピ（バス）指揮：カルロ・リッツィ　演出：ポール・カラン　装置・衣装：ケヴィン・ナイト　照明：ブルーノ・ポエト合唱指揮：マルセロ・セミナラ　管弦楽・合唱：ボローニャ歌劇場管弦楽団・合唱団わたしが、バリトン好きになった記念碑的作品が、この「イル・トロヴァトーレ」で、シェリル・ミルンズの歌った「君の微笑」は、今でも忘れられない名唱である。＜STORY＞15世紀初頭のスペイン・アラゴン地方。スペインルーナ伯爵家の先代にはふたりの息子がいたが、弟は幼少の頃に行方知れずとなる。成人した兄は父の後を継ぎ伯爵となり、弟を捜し求める。王宮に仕える一人の美女レオノーラをめぐり、宿命の糸に操られるように、争う二人(吟遊詩人マンリーコと誇りたかいルーナ伯爵）。互いの運命を知らず、鍵を握るはマンリーコの育ての親・ジプシーのアズチェーナ。はたして、互いを知らず合い争う二人の運命は、そして、レオノーラは・・・、「復讐だ!」と叫ぶアズチェーナ、呆然とたたずむルーナ伯爵。全編に美しいアリアが散りばめられた血湧き肉躍るドラマチックな作品を、魅力的な配役を揃えて実現したこの公演、名曲に彩られ、観るものの心を捉えて離さない、ヴェルディって天才～～！○「おだやかな夜」(第1幕/レオノーラ、S) 月の輝く庭園で、マンリーコへの思いを歌う美しいアリア。 ○「アンヴィル・コーラス」(第2幕/合唱) ジプシーたちが、自分達野営地で陽気に歌う、有名な合唱曲のひとつ。○「炎は燃えて」(第2幕/アズチェーナ、Ms) 母の火あぶりを思い出し、ジプシーの仲間に嬰児をさらった時のことを現のように語るメゾソプラノの代表的なアリア。 ○「君が微笑み」(第2幕/ルーナ伯爵、Br) ルーナ伯爵がレオノーラへの思いを切々と歌うバリトンの名アリア。 ○「見よ、恐ろしい炎よ」(第3幕/マンリーコ、T) 母アズチェーナがルーナ伯爵に火刑にされるのを知り、怒りのアリア。○「恋はバラ色の翼に乗って」(第4幕/レオノーラ) 捕らえられたマンリーコへの思いを歌う美しいアリア。満月が描かれた幕。幕があがると月の光の中で、語られる悲劇は、舞台上の大階段（２１段？）と橋を使い、立体的な舞台構成とスピーディーな舞台転換で観客をあきさせない。あい争う二人・アラーニャとガザーレのセクシー度満点の深い開襟姿も互いに譲らず（笑）、目の保養でなかなか楽しい。しか～し、ガザーレって素敵～！目がハートな私である。「君の微笑み」も甘く哀しく切々と、高貴な人がかなわぬ思いに懊悩する姿っていいなぁということで、そんなルーナ伯爵に庶民の私は感情移入するのである。しかし、本日のヒロインは、デッシーではなく、アズチェーナのコルネッティ。エピローグ、狂気と正気の間で「復讐」を叫ぶ姿は、人のおろかさと哀しさを秘めて迫力の圧巻。この物語を引き締た。人気のテノール、ロベルト・アラーニャは、風邪気味か不調だったのが残念では、あるが、マンリーコは、彼のニンにあうと思うので、ぜひ復調してほしい。ダニエラ・デッシーも情感のある歌芝居を魅せ、二人から思われる美女を無難に見せた。傭兵隊長のフェランドを歌う、スキンヘッドのアンドレア・パピが、美声を聴かせ好演であったのが収穫。また、ドラマチックな指揮振りを見せた、カルロ・リッツィも、このオペラを多いに盛り上げたのでは、なかろうか。しかし、合唱団が上手いなぁとあらためて思ったイル・トロであった。本日のキモノ：雨の中、水浅葱色に柳に傘の刺繍が踊る（入梅）単衣紬訪問着（色が暗～いのはなぜ？）。帯は、カッパをデザインした絽の名古屋帯。一応、物語りがある。恋する乙女カッパは花占い。相手のカッパは釣りに夢中だが、二人は結ばれ、その子供が帯の前に描かれているのである。これを描いてくれた人曰く、いつも変わったもの描いてるよねぇと言われたとか・・・・最近、描いてもらっていないのだが、さて、そろそろ何か考えたいものである。帯揚げは、絽にトンボ舞う。

June 11, 2006

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ボローニャ歌劇場『アンドレア・シェニエ／ANDREA CHENIER』

オペラ引越公演では本邦初演のこの歌劇の初日、小泉首相を迎えての観劇となったが、彼が随行員と開幕５分前に登場すると拍手と批判のブーが飛んで、なかなか刺激的な雰囲気の中、序曲が始まった。ベル薔薇がフランス革命までを描くとするなら、その後のフランス革命の中で、実在の詩人・アンドレア・シェニエの愛と死をモデルにした物語。U.ジョルダーノ作曲　歌劇『アンドレア・シェニエ／ANDREA CHENIER』《全4幕　イタリア語上演日本語字幕付》を観る。日時： 2006年 6月 10日（土）　開演15:00　上野文化会館にて観劇！アンドレア・シェニエ役 / ホセ・クーラ（テノール）マッダレーナ・コワニー役 / マリア・グレギーナ（ソプラノ）カルロ・ジェラール役 / カルロ・グエルフィ（バリトン）指揮：カルロ・リッツィ　演出・装置・衣装：ジャンカルロ・デル・モナコ合唱指揮：マルセロ・セミナラ　管弦楽・合唱：ボローニャ歌劇場管弦楽団・合唱団＜STORY＞フランス革命の直前のパリ郊外にあるコワニー伯爵家では封建社会に対する民衆の不満をよそに、豪華な夜会が開かれ、そこではじめてあった伯爵令嬢マッダレーナと理想主義を歌う詩人アンドレア・シェニエは惹かれあうが、そのさなか、密かに彼女を慕う従僕・ジェラールは、父と共に伯爵家を後にする。5年の時を経て、今は革命政府に追われる令嬢と、恐怖政治に対して疑問を持つシェニエは愛を確かめ合うが。そんな二人に対して今は、革命政府の要人となっているジュラールの思いが交錯する。本日のヒロインは、グレギーナ。はじめに登場する場での少女振りは、ろうたけた彼女の雰囲気からすると非常に無理があったが、３幕での名曲「亡くなった母を」は圧巻。情感のある見事なソロを聞かせ観客をその魅力のとりこにした。また、カルロ・グエルフィは、バリトンの名曲「祖国の敵（国を裏切る者」を、みずからの生き方と欲望を自嘲的に歌い聴かせる。本日のタイトルロールのクーラは、少し低空飛行気味か、期待の４幕「5月の晴れた日のように」も観客を魅了するにいたらなかったのは、残念である。しかし、最後の二重唱「あなたのそばで」は、グレギーナとともに、なかなか聴かせていたので満足。そして装置と演出は、簡素でありながら場面転換も上手く見せ満足。特に、シェニエの人民裁判の場面は、舞台の後ろに裁判を膨張する人民の合唱団を配して盛り上げ見せ場にしていたし、愛し合う二人が牢獄から天空へ飛び立つエピローグの見せ方は圧巻（舞台一面に設置された牢の格子が、そのまま天空に飛翔する二人となる）。革命の動乱の中「愛」を信じて死んでいく二人は「わたしたちの死は愛の勝利だ」と歌いながら断頭台の露と消えていくのである。本日のキモノ：梅雨入りで、雨が気になるときは、やはり紬。わたしにしてはデザイン性の強い絞り片身代わりの単衣紬訪問着(鼠紫に香色濃淡の絞り）。帯は夏物の格子模様。白っぽく見えるが生成り色の名古屋帯である。帯留は水牛の角に菖蒲模様（季節である）。

June 10, 2006

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ボローニャ歌劇場「連隊の娘 / LA FILLE DU REGIMENT」

オーチャードホールにて「連隊の娘」を観劇。＜修正＞0605魅力的なタイトルロール・ボンファデッリの可憐な美しさ、軽快なラテン的な男前・フローレス、日本語・英語を織り交ぜて客席を沸かせるプラティコの笑いの間、舞台を引き締めるオブラスツォワの重厚さ。適役が揃い何ともぜいたくな出演人が、外来オペラ本邦初上演のこの作品の初日を成功させた。サービス精神旺盛なフローレスのアンコールもありベルカント･オペラの楽しさを盛り上げる。また、特筆すべきは、主要出演者以外にも、村人たち、アメリカ将兵、公爵夫人邸の愉快な召使、婚約パーティでのお客たちのパフォーマンス（特に同じデザインで色違いの貴婦人の競いあいがオ大笑い）などなど、合唱団たちの歌唱と演技力のレベルの高さが舞台をより楽しく魅力的にみせ、観客をわかせることである。いや～楽しかった～。G.ドニゼッティ作曲　歌劇「連隊の娘 / LA FILLE DU REGIMENT」全2幕　フランス語上演日本語字幕付マリー / ステファニア・ボンファデッリ（ソプラノ）トニオ / ファン・ディエゴ・フローレス（テノール）シュルピス / ブルーノ・プラティコ（バリトン）ベルケンフィールド侯爵夫人／エレーナ・オブラスツォワ（メゾソプラノ）指揮：ブルーノ・カンパネッラ　演出：エミリオ・サージ　装置・衣装：フリオ・ギャラン合唱指揮：マルセロ・セミナラ　管弦楽・合唱：ボローニャ歌劇場管弦楽団・合唱団＜STORY＞19世紀初頭の物語を第二次世界大戦時に時代を移して、アメリカ軍に育てられた孤児のマリーと、スイスの若者トニオの恋の行方、マリーの叔母が実は公爵婦人だったとは・・・さて二人の運命は・・・・オペラというよりは、オペレッタの雰囲気か。一幕は、村人が避難している酒場　←　酒場で、マリアさま～とお祈りしている村人達は、なぜ、教会ではないのだろうかとちょと疑問であったが、まぁ場面転換を最小限にするということもあったのかも。この幕では、ボンファデッリの可愛い看護婦ぶりや、フローレスの兵隊になるための着替えなどが見れた。二幕は、公爵夫人の館。ベランダや窓のそうじ、木を剪定する召使などのユーモアたっぷりぶりや、令嬢になるべく奮闘？するマリーがどことなくミュージカルの”Me and my girl”に似ているのは、気のせいか？ボンファデッリのパンタロンスーツ（前から見るとグレーのドレススーツ風）の日常着から、パーティでのドレス（黒のトップに白のフワフワのロングスカート）まで、彼女のスタイルと品のよさが際立ち目の保養であった。追記＞2006/6/8私的に思うに、この「連隊の娘」は、出演者と演出がぴたりとはまらないと、おもしろみが出ない作品のようである。ドニゼッティのメロディは、ワーグナーの論理的愉悦感もなく、モーツアルトのたゆたうような癒しもなく、そして、わたしの大好きなヴェルディの陶酔感もなく、プッチーニの好き好き・大好きというきらめきもなかった。上演回数が少ないということは、そういうことかと観劇後の雑感である。本日のキモノ：水浅葱色の単衣訪問着（フォトは暗め、実際はもっときれいな色）。ほとんど無地に近い地に沢蟹の刺繍が可愛い。帯は菱形（七宝）の吉祥模様のつづれ名古屋帯。帯揚げは薄い桃珊瑚色、帯締三部紐に桃珊瑚の魚を添えて、本日も水辺の雰囲気で涼しさを演出。ちなみに足袋はレース。今日は、涼しくキモノ日和であった。この訪問着、紋が入っていなかった。実は、単衣の訪問着は紋が入っているものがない。紗袷には紋を入れているのになぜないのか・・昔は、紋を入れると正式って感じが強いのでどうも敬遠していたらしいのである。今ならこういう感じのものには、即、洒落紋だろうなぁ。

June 3, 2006

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オペラ「TOSCA」観劇・感激

オペラ「TOSCA」情熱の歌姫・トスカにしかけられた罠。歌に生き、恋に生きた一人の女性の運命。藤原歌劇団公演「トスカ」＜プッチーニ作曲＞新国立劇場オペラ劇場指揮／菊池彦典　　演出／ピエールフランチェスコ・マエストリーニ脚本：ルイージ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザヴィクトリアン・サルドゥの戯曲よりフローリア・トスカ：歌姫(S) エリザベート・マトスマリオ・カヴァラドッシ：画家でトスカの恋人(T) 市原多朗スカルピア男爵：ローマ市の警視総監(Br) 折江忠道　ほかミシャのポスターでおなじみ（実は、コピーをもっている私）の名女優サラ・ベルナール演ずるこの劇をミラノで観て、プッチーニはオペラ化をする。彼がこの劇を観てくれてつくづくよかったと。名曲中の名曲に聴きほれ、物語は主要人物がすべて殺され、あるいは自殺するというおどろおどろしい展開でありながら、各幕に散りばめられた美しい曲に魅せられていく。オペラの醍醐味。歌手も、ちょっと怖いトスカをはじめとして好演、指揮も老練・菊池が手堅くまとめて聴かせた。＜物語＞1800年6月。ナポレオン率いるフランス軍が欧州を席巻していたころの物語。脱獄した政治囚の逃亡を助けたために死刑宣告を受けた画家カヴァラドッシの命を救おうと、その恋人・歌姫トスカは、彼女を自分のものにしようとする警視総監スカルピアの罠にはまっていく。果たしてトスカは、カヴァラドッシを助けることができ、ローマを脱出することができるのか？第一幕聖堂を舞台に画家の”妙なる調和”の美と、聖堂の礼拝童での壮大なる”テ・デウム”とその絢爛豪華さ。第二幕ファルネーゼ宮殿。逮捕されたカヴァラドッシ（彼を拷問するシーンを、今回の演出では観客に見せている）とトスカに迫るスカルピア。彼女は、過酷な運命を与えた神に助けを求めて祈り歌うソプラノの名曲"歌に生き、恋に生き"。第三幕サンタンジェロ城の屋上にある牢屋と処刑場。カヴァラドッシが自らの死と恋人との別れを想い歌テノールの名曲”星はきらめき”。駆けつけたトスカと互いの愛情を歌う二重唱”新しい希望に魂は勝ち誇って”、それを見守るサンタンジェロ城の象徴・大天使ミカエルの巨大な像（実際と違って、屋上内を見守っているのは、まぁ舞台美術を優先したのかも。久しぶりに観た・聴いた「TOSCA」、やっぱりオペラっていいなぁ～～～(*^^*)本日のキモノ：トスカにあわせて、派手めの牡丹の訪問着。金彩と金駒刺繍に彩られて黒地に白い牡丹が満開である。帯：某織元の京都？年の記念の帯だったらしい。これも豪華な金の帯で牡丹が見え隠れ。帯揚げは、成人式の時の濃い紅色の麻の葉絞り。帯〆は、金彩に緑の五月。バック＆ぞうりはフォーマル。訪問着の模様の多さに、いつもと趣味が違うよねとの声をいただく。ここ20年近くきているキモノであるが、何度見てもオニューに見えるそうである・・・(^^;;

May 7, 2006

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オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」

不倫のもつれからおきる殺人・男「カヴァレリア・ルスティカーナ」と女「道化師」の悲劇が、美しくも哀しい珠玉の名旋律によって語られる。イタリアのヴェリズモ・オペラの二代傑作「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を新国立劇場で観劇！両作とも時代を1950年代に設定し、共通の舞台装置と衣裳（合唱団）を使っての同時上演。南イタリアを舞台に、不倫のもつれから決闘に至る『カヴァレリア・ルスティカーナ』、浮気をした妻を錯乱し舞台上で殺す道化役者の悲劇『道化師』と救いようのない悲劇なのであるが、名曲に聴き惚れる。ちなみに『カヴァレリア・ルスティカーナ』は映画「ゴット・ファザー」第三部のエピローグで、『道化師』の「衣装をつけろ」は映画「アンタチャブル」の最初のほうで、非常に重要なモチーフで使われている。「カヴァレリア・ルスティカーナ」作　曲：　ピエトロ・マスカーニ「道化師」作　曲・台本：　ルッジェーロ・レオンカヴァッロ指　揮：　ファビオ・ルイージ演　出：　グリシャ・アサガロフ美　術・衣裳：ルイジ・ペーレゴ照　明：　立田　雄士合唱指揮：　三澤　洋史、合　唱：　新国立劇場合唱団、管弦楽：　東京フィルハーモニー交響楽団＜キャスト＞「カヴァレリア・ルスティカーナ」サントゥッツァ：　ガブリエーレ・シュナウト、ローラ：　山下　牧子トゥリッドゥ：　アルベルト・クピード、アルフィオ：　小林　由樹ルチア：　三輪　陽子「道化師」カニオ：　クリスティアン・フランツ、ネッダ：　大村　博美トニオ：　河野　克典、ペッペ：　樋口　達哉、シルヴィオ：　星野　淳オペラ役者は、声量高くガンガン歌えば、よいとどうもクピードは思っているらしいが、それは違うのではないだろうか。いくら声量豊かに歌っても、舞台でトゥリッドゥとして生きていないから、まったく感動できない。ママにサントゥッツァのことを頼むときは、トゥリッドゥは、どういう心持でいるのか考えてみよう。また、観客も単に声が大きいだけで、”ブラボウ”とは、いかがなものか？私的には、多いに疑問な舞台であった。うって変わって「道化師」は、錯乱にいたるまで実に的確な演技、カニオの壮絶なアリア「衣裳をつけろ」も声量豊かであるが、声を張り上げ過ぎて場を壊すということはない。私的には、もう少し慟哭がほしいが、それでも最後まで緊迫感のある歌と芝居で舞台にひき付けられた。最後は、スタオペした私である。疲れ気っていたはずなのに記憶が飛ぶこともなくオペラを堪能。道化師たちの軽業もほどがよく大変たのしめた。公演の詳細は、こちら本日のキモノ：この季節になると着たくなる総絞りの訪問着(フォト入れ替え4/17)淡萌黄、若竹色、白緑、などに藤色の色さしが季節感を盛り上げる。帯は、蝶々の名古屋帯。春を彩って楽しむ。帯締めは、淡萌黄、帯締は、藤色。襦袢は、紫の綸子。半襟は、藤に梅・桜刺繍。

April 9, 2006

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オペラの醍醐味に酔う「オテロ」！

声の競演・饗宴に酔う『東京のオペラの森・上野』公演のひとつ、オペラ「オテロ」を観る。久しぶりに、もっとよい席を取るべきだったぁと思えた公演！あ～幸せ感いっぱいに観劇・感激＜当日の覚書＞ヴェルディ: 歌劇《オテロ》（全4幕）※新演出・ウィーン国立歌劇場との共同制作東京文化会館　大ホール指揮：フィリップ・オーギャン演出：クリスティーネ・ミーリッツ装置/衣装デザイン：クリスチャン・フローレン照明デザイン：ルドルフ・フィッシャー*当初発表のハンス・トゥールシュテードより変更）オテロ：クリフトン・フォービスデズデモーナ：クラッシミラ・ストヤノヴァイアーゴ：ラード・アタネッリ他演奏：東京のオペラの森管弦楽団合唱：東京のオペラの森合唱団公演詳細「“オテロ歌手”が降臨、魂の一声に酔う！」「美しきデズデモーナの悲しみが胸に突き刺さる！」「悪魔イアーゴが、英雄の運命をあやつる！」　　小澤のピンチヒッター、俊英指揮者フィリップ・オーギャンの指揮によるオペラ「オテロ」は、オペラ・ファンの心を震えさせるに充分な世界を描きだした。（感想の続きは、いづれ）本日のキモノ：櫻満開ということで、櫻づくし（本当は、櫻の季節に櫻を着るのは野暮だそう。でも野暮でも何でもわたしは、櫻花の頃に櫻を着るとウキウキするのぉ～。着て楽しむのが一番！）淡い鼠色に櫻が舞うお気に入りの小紋帯：櫻の花弁が舞い散る中に蝶々が飛ぶ手描き塩瀬名古屋帯。桜色の中に舞う墨色の蝶が何とも可愛いこれもお気に入りの一品。帯揚：薄い萌黄色の絞り帯締：桜色に黄色の蝶々が飛ぶ平織長襦袢：萌黄色のちりめんに白と桜色の櫻刺繍の半襟、クリーム色の絞り地長襦袢足袋：白地に銀の星がきらりコート：鼠色から黒へ変わる夜空に浮かぶ、十二星座の手書き友禅長い羽織。歩いていて見知らぬ方から素敵の声をいただく。ちょっと幸せ（本日は、半襟のフォト）★オペラの前に、紫の貴婦人さん主催のランチを新宿のホテルで楽しむ。初めてお会いする方ばかりであったが、とっても楽しめた！年齢もさまざま、でも皆様、魅力的なキモノ好きな方ばかり。オペラを含め、刺激的な一日であった！

April 2, 2006

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オペラ「運命の力」

一発の銃弾が、その運命を変え、抗い難い数奇な運命に翻弄され押しながされていく三人の男女。愛も友情もすれ違いながら血塗られたその結末は・・・オペラ「運命の力」を新国立劇場にて観劇！巨匠「ヴェルディ」作の悲劇「運命の力」は、その序曲が、よくオケで、演奏されるが、オペラの上演としては、少ないように思える。作　曲　：　ジュゼッペ・ヴェルディ原　作　：　リヴァス公爵ドン・アンヘル・デ・サーヴェドラ台　本　：　フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ(改定版：アントーニオ・ギスランツォーニ)指　揮　：　井上　道義演　出　：　エミリオ・サージ美術・衣裳：　ローレンス・コルベッラ照　　明　：　磯野　睦合唱指揮：　三澤　洋史管弦楽：　東京交響楽団出演：レオノーラ：アンナ・シャファジンスカヤ　　　ドン・アルヴァーロ：ロバート・ディーン・スミス　　　ドン・カルロ：クリストファー・ロバートソン　　　プレツィオジッラ：坂本朱　　　グァルディアーノ神父：ユルキ・コルホーネン詳細は、後日。本日のキモノ：（ボケボケのフォトを修正）大好きな濃いすみれ色地のキモノ（この模様を描くための作家が注文した特殊な生地）。月の光の中に匂やかに咲く桜を描いた訪問着は、何ともたおやかで美しい。帯：箔の銀・金地に糸巻き刺繍の袋帯帯締：すみれ色帯揚：桜色コート：桜に梅でドッキング。例によって大活躍の金茶に梅絞り長羽織

March 21, 2006

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シュツットガルト歌劇場「魔笛」-2006年のモーツァルト生誕250年記念

オペラ「魔笛」を現代風に書き換えると、夜の女王は、アル中の大金持ちのマダム、三人の侍女はフライトアテンダント、女王の娘・パミーナは、新興宗教に嵌った気の強い家出娘？そして、パパゲーノは、バラエティ番組のコメディアン？　Bunkamuraオーチャードホールで上演されたシュツットガルト歌劇場「魔笛」は、演出家ペーター・コンヴィチュニーによる舞台装置も出演者も現代版。モーツアルト作曲「魔笛」のあらすじは、大蛇に襲われた気の弱い王子タミーノが、三人の侍女に救われ、彼女らから見せられたパミーナの姿にひとめぼれ。恋する男は、百人力とばかりに鳥さしパパゲーノを引きつれ、悪の宗教団体に攫われた彼女を救うための大冒険に出発するが・・・・詳細は、こちらドイツ語が、わかったらさぞおもしろかっただろうと思わせる演出では、あったが・・・日本語だとおもしろさが半減するような。で、ところどころ疑問も・・・？二幕冒頭の宗教団体の長・ザラストロは、なぜ韓国語なのか？同時通訳つきの国際会議風の演出で、ひょっとして北○鮮の風刺？水の試練も火の試練もなく、ただ、映画をみている恋する二人（タミーノ＆パミーナ）は何。箱としては、Bunkamuraオーチャードホールは、正解。これ以上大きいと、夜の女王をはじめとして声量的につらいかも。どちらかというとアンサンブル重視の歌手達では、あったが、合唱団は、なかなか聴かせるシュツットガルト歌劇場といったところであろうか。エピローグ、すべての人々から見捨てられてしまうザラストロと夜の女王は、この先、どうなっていくのか？演出家は、何がいいたかったのか、悪も正義も表裏一体ってことなのかな。うーん、わからない・・・プログラム未購入では、あるが、そのあたりが書かれているのかいないのか、謎が残る！観ていておもしろかったこと。後半、公開バラエティ番組の場面になったときに、観客の一人としての芝居をしながら巨大なポップコーンの入れ物を持ち、ず～～～とポップコーンを食べている合唱団の一人。とってもおいしそうであったのである。←　空腹な私である・・・お昼食べ損ねてみてたからね(^_^;;音楽監督・指揮：ローター・ツァグロゼク　プロフィール演出：ペーター・コンヴィチュニーザラストロ：アッティラ・ユン（Ｂ）夜の女王：コルネリア・ゲッツ（Ｓ）パミーナ：アレクサンドラ・ラインプレヒト（Ｓ）タミーノ：ヨハン・ヴァイゲル（Ｔ）パパゲーノ：ルドルフ・ローゼン（Ｂｒ）パパゲーナ：イレーナ・ベスパロヴァイテ（Ｓ）他本日のキモノ：（画像の色が暗めである）パパゲーノに模した萌黄色のちりめんに楽器（バイオリン、ハープ、オーボエ、ホルンetc)の飛び柄小紋帯：銀鼠にグランドピアノを弾き踊る猫たちの織り模様。地模様に五線譜。帯締：萌黄色の三部紐に紅白梅陶器の帯留帯揚：楝色（おうちいろ）の無地ちりめん。長襦袢：楝色（おうちいろ）に梅刺繍、同じ色の桜模様綸子長襦袢足袋：抹茶色の無地（底は鶯色色）コート：金茶の梅絞り模様の長羽織（襟元には銀きつね）履物：萌黄色のエナメル皮草履本日のディナー｢なだ万｣は、ごちそうになり感謝～。次回、オーチャード帰りは、「ラ・ブラッスリｰシェ松尾」へgo

February 18, 2006

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ワーグナー楽劇「ニーベルングの指環」

巨匠・ワーグナーが十数年の歳月をかけて完成させた楽劇・リング。前夜上演するには、１５時間を要する（幕間含まず）大作。(補足追加）それを得れば、無限の力を持つことができる黄金の指輪をめぐり、神々、人間、巨人族、ニーベルング族（小人族）などの裏切、愛と死、嫉妬、復讐、野望、近親相姦などなどが繰り広げられる物語。（でも、結局、源をただすと大神・ヴォータンが、この物語のいざこざを作り出したような気がするのだが←あんたが悪～い！）サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演ワーグナー：「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」：１月１８日第一夜「ワルキューレ」：１月１９日第二夜「ジークフリート」：１月２１日第三夜「神々のたそがれ」：１月２２日場所：東京文化会館指揮・演出監督：ワレリー・ゲルギエフ演出構想・舞台美術：ゲオルギー・ツィーピン出演：後ほど追加予定。２００３年６月の白夜祭で完成したマリンスキー・リングのチクルス上演の第二チクルスを観る。１９８０年代からの、ドイツ流の特別なメッセージを観客聴衆に伝えようとする演出意図（有名なのでは、ベルリンの環境破壊をテーマにした名舞台が思い出される）をもつリングでは、なく、原点にかえったような神話的な風貌を見せた今回のリングである。視覚的には、ライン河の物語というよりは、ナイル河の物語のような雰囲気をみせ（序夜、エジプトの神々の衣装に被り物、最終夜では、アフリカの原住民の衣装）世界に共通する昔話的な雰囲気を味わう。常にエネルギッシュでパワー全開な指揮ぶりで観客を惹きつけてやまないゲルギエフは、今回は、わかりやすさを狙ったのか、すべての夜において、前半抑え気味の音に、後半は、メリハリをつけ、気迫に満ちた音楽を聴かせた。しかし、エネルギッシュな重量感はあるのだが、わかりやすく素直過ぎな感じが、かえって湧き上がるエネルギーを押さえ、観客側（私）への不完全燃焼を抱えさせたのも事実である。演出的には、全夜におよび、ロシア・オセチア地方の古代民族ナルタの神話をイメージした大（四体）小（数体から数十体）の石像のような装置が動きあとは場面に合わせた多彩な照明が変化していくシンプルでユニークな舞台面。秀逸なのは、序夜と最終夜の暗い照明の中にたゆたう水の源を現す青い長い髪の人々。暗い舞台に青く輝く水の流れは、不思議な神話の世界に観客を引き込んだ。また、炎をバレエ団による見せ場にしたのもおもしろい。ただ、舞台の変化や転換など観るにつけ、このワーグナーの大作を市川猿之助演出で観てみたいという夢を、再び抱えてしまった私でもあった！本日のキモノ：翠色の綸子訪問着・柄は、桜草に山桜帯：購入したばかりの鳥の子色の宝尽くし帯帯締：翠色にぼかし。帯揚：藤色長襦袢：花柄の刺繍に鳥の子色の塩瀬半襟・卵色綸子履物：半年以上前に購入したエナメル緑色草履、鼻緒に刺繍入り。コート：麻の葉地紋お越しの藤色道中着、同地のショールをマフラー風に結ぶ。

January 22, 2006

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聖母となる「椿姫」（オペラ）

2006年初オペラ観劇は、巴里の夜の社交界に花咲く椿姫ことヴィオレッタの純愛を描く藤原歌劇団　第16回ニューイヤー・スペシャルオペラ「椿姫」ヴェルディ作「ラ・トラヴィアータ～椿姫～」（3幕・字幕付原語上演）指揮：ダニエレ・べラルディネッリ　演出：ベッペ・デ・トマージ合唱：藤原歌劇団合唱部　管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団バレエ：スターダンサーズ・バレエ団ヴィオレッタ：エレナ・ケレッシーディ　アルフレード：ステファノ・セッコ　ジェルモン：堀内康雄　フローラ：鳥木弥生　ガストン：平尾憲嗣　ドゥフォール：三浦克次　ドビニー：柿沼伸美　グランヴィル：久保田真澄　アンニーナ：山崎知子　ジュゼッペ：梅原光洋高級娼婦として、巴里の夜の社交界に君臨する美しき花・ヴィオレッタと青年・アルフレードとの悲恋。トマージ演出は、前奏曲から、アルフレードが、亡くなったヴィオレッタの日記を読むという回想形式で始まる。各幕を享楽の黒と金の夜会、緑と茶の巴里の郊外、赤と黒の情熱の仮装パーティと色彩感豊かに展開していく。昨年と同じような演出ではあるのであるが、今回、変わっていたのはヴィオレッタの衣装。巴里郊外の素朴な茶とベージュの衣装以外は、ブルーを主体としており、最後死の場面では、寝衣もガウンもマドンナ・ブルー一色の姿となる。エピローグ、舞台一面に飾られた花々の中、死を迎えたヴィオレッタは、観客に背を向けなら、舞台奥（壁面すべて鏡）に向かい聖母さながら昇天を迎えるのである。演出的に非常にわかりやすく美しい。タイトルロールのケレッシーディは、一幕こそ不安定であったものの、幕が進むとともにヴィオレッタが乗り移ったような歌唱・好演を見せ観客を魅了した。また、アルフレード：ステファノ・セッコは、ドラマティックな歌唱で、こちらも一幕歌いだしは、指揮との微妙なずれを生んだものの、一途な情熱を魅せ実に魅力的。どちらかというとオテロやイル・トロのマンリーコなどに向く歌唱かも知れない。わたしの苦手な堀内康雄も父親としての安定した実力を見せた。指揮者のべラルディネッリは、二幕以降、興が乗ると、自ら椿姫のパートを歌いだし、前方席で観劇していた私には、それがよく聞こえたためちょっと興ざめ。いるんですよねぇこいう指揮者。ずっとハミングしている指揮者もいたりして・・(^^;;まぁ、ともかく全体的には、とっても素敵な観劇・感激であったことは、うれしい初オペラではあった。藤原歌劇団がつづけてきたこの椿姫シリーズも今年が最後とか。ちょっと寂しいかも。本日のキモノ：雨の中では、あったが、初オペラということで、おめでたい蔓紐の鳩色の刺繍訪問着。帯：銀地に薔薇色の折鶴総刺繍帯締：鳩色から抹茶色、薔薇色へのぼかし。帯揚：抹茶色長襦袢：抹茶色に白・薔薇色の豪華桜刺繍半襟にクリーム色地の絞り。足袋：白、草履：銀・金のフォーマルコート：藤色に麻の葉模様織り出しの道中着、同地のショールをマフラー風に首に巻く（新年なので新品）雨コート：白・黒・香色の矢絣

January 14, 2006

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オペラ「ファウスト」感激！

レニングラード国立歌劇場オペラ「ファウスト」観劇ゲーテの「ファウスト」第一章の物語をグノーが作曲したオペラ。学問に一生を捧げ、老いたファウスト博士は、絶望し服毒自殺を図ろうとするが、その時、あらわれた悪魔メフィストフェレスのささやきに、みずからの青春を取り戻そうと、その欲するままに悪魔と契約をまじわす。望みどおり若さと美しいマルグリットを手に入れた彼だったが・・・・グノー作曲、全２幕２００５年１２月１７日（土）６：３０ＰＭ、オーチャドホール芸術監督・演出：スタニスラフ・ガウダシンスキー指　揮：アンドレイ・アニハーノフファウスト：ドミトリー・カルポフメフィストフェレス：アレクサンドル・マトヴェーエフマルグリート：エレーナ・ポリセーヴイツチヴァランタン（マルグリートの兄）：ユーリ・イヴシンシーベル（ヴァランタンの友人）：ナタリア・ビリュコーワワーグナー（ヴァランタンの友人）：カレン・アコポフマルタ（マルグリートの隣人）：ニーナ・ロマノワグノーの「ファウスト」を観劇・感激。エンタティメントに飛んだ、視覚的に非常におもしろい舞台であった。時間があれば、もう一度、観たいと思わせる。特に第二幕は、歌手も安定し、ぐっとと引きしまる。ただ有名なファウストの舞踊音楽を使ったバレエ場面は、長すぎる気もしないでは、ない。まぁ、高度なバレエのソリストが踊る姿は、バレエのみの一場面としてもなりたっていて満足度の高い場面では、あったが・・。ちなみに、このバレエ場面「ワルプルギスの夜」を挿入するためか、前場面との入れ替えがあった。演出的に秀逸なのは、舞台奥の背景に置かれた大きな鏡。床の模様が鏡に映り不思議な豪華世界を作っていた。色とりどりの衣装が入り乱れる合唱団が歌い踊る場面は、鏡の効果が見事に発揮された美しい場面である。また、この鏡の正面が割れ、それが舞台との巨大なかけ橋になったり、あるいは、エピローグの救いの架け橋になったりと舞台転換の効果もあげ、おもしろい。またマルグリートの死の場面では、背景の鏡に映ると、ムリーリョの絵画風のマドンナのように、青い空に飛翔させる構図は、意表をつく最大の見せ場であった。キャストではメフィストフェレス役のマトヴェーエフの圧倒的な歌唱と存在感が秀逸。見事な悪魔ぶりである。主役は、彼だなぁと思っていたらカーテンコールでは、彼が最後に出てきたので納得。タイトルロールは、「ファウスト」ではあったが、今回の演出の比重は確かに、悪魔メフィストフェレスでありマトヴェーエフなのである。「総勢２３０名の引っ越し公演」の、歌手とバレリーナとオケが揃った舞台は、豪華で楽しかった！本日のキモノ：銀鼠地に白と金と銀の萩の刺繍が裾模様に散る山○美○の訪問着。一つ紋の非常に格調の高いもので地味であるが、なかなか優雅である。襟元に刺繍は、ないが密かに地紋起しになっているのも奥ゆかしくてよいかも知れない。帯は、お揃いの萩の模様の唐織、軽く締めやすくさすがの着心地。白地に翠・藤色・金・銀などの色が美しく映える。帯締：白に銀の四部紐に銀杏の帯留　←　散ってしまった銀杏を懐かしむ。帯揚：藤色の綸子長襦袢：購入した薄紫鼠地に菊の刺繍半襟。キモノと同系色で上品に。藤色。足袋：白コート：鼠色に黒の肩身代地に手描きで十二星座の柄。ギリシアの神々が絵羽一つ紋に踊る長羽織。襟元：寒いので銀狐を巻く。

December 17, 2005

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オペラ「オテロ」に感激！

ソフィア国立歌劇場「オテロ」を観劇。「オテロ」は、シェイクスピア原作（「オセロ」）による全４幕の悲劇。ヴェルディが70歳を超えて作曲し、1887年2月5日ミラノのスカラ座で初演したもの。白人社会におけるムーア人・オテロの心の闇に潜む、コンプレックスゆえの悲劇か。それは、自らの成功と、美しい白人の妻・デズデモナの愛を持ってしても拭えないものだったのか。いや何ももたなかった奴隷のオテロが、全てを手に入れた（武勲も愛も）時から、自らの心の奥に潜む影（失うことへの恐れ）におびえたがゆえのものだったのかも知れない。15世紀のイタリア、ヴェネツィア艦隊を率いるキプロス島総督の英雄オテロは、彼の部下イアーゴの罠に嵌まり、最愛の妻デズデモナが部下カッシオと不義を働いたと思い込み、妻を手にかけ、自らも命を絶ち破滅して行く。オテロ：ウラディーミル・ガルージンデズデモーナ：アンドレア・ロストイアーゴ：マウロ・アウグスティーニ指揮：ジョルジョ・クローチ(ソフィア国立歌劇場管弦楽団、合唱団ソフィア国立歌劇場は、1890年に創立され、ブルガリアでもっとも古く歴史ある歌劇場だとか。　オテロ役は、マリンスキー（キーロフ）・オペラの看板スターにして、ドラマティック・テノール、ガルージン。彼のオテロを聴くのは二度目。今回は、円熟のオテロに魅了されたと言ってよいかも。オケが不調のためか、最初の嵐の場面の緊迫感が薄く、ちょっとため息がでたのだか、彼が舞台に現れ歌いだすと舞台が一変。オテロそのもののような容姿風格・ドラマチックな声だけでなく、見事な演技力に引き込まれ、魅了される。将軍として英雄としての品格もあり、やさしく美しいデズデモナが、なぜ彼に惹かれたのかが納得できるタイトルロールぶり。エピローグ、すべてが判明し、自ら殺したデズデモナへの愛は、切なく哀しく涙腺をしぼらずにはいられない。そしてデズデモナ役のロストは、さすがのデズデモナ。ただひたすらに、夫オテロを愛するその清楚な演技力に、豪華な古典的な衣装も幕ごとに変わる髪形も良く似合って目の保養。歌唱力と美貌を兼ね備え「柳の歌」から「アヴェ・マリア」は、絶品でかつて聴いたデズデモナが色あせるほどの名唱と言ってもよい。イヤーゴ役マウロ・アウグスティーニも健闘。ただ、残念だったのは、合唱団の演技。特に第一幕の勝利に酔い大騒ぎから喧嘩沙汰になるまでが、さっぱりそのようには、見えず、ただ大人しく歌っているだけなのは、なんとしたことか。最近の現代的な衣装や装置と違い、久しぶりの古典的な舞台に重厚な雰囲気が、なかなかよかっただけに、演出家に一考をしてほしい合唱団の演出である。

December 13, 2005

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ホフマン物語

名曲「ホフマンの舟歌」でお馴染みのフランス・オペラ。19世紀末、ベル・エポック全盛のバリで代表作「天国と地獄」によりその名を轟かせたオペレッタの創始者オッフェンバックの最初で最後のオペラ作品。ドイツ・ロマン主義作家の鬼才E.A.Tホフマンの幻想的怪奇小説をもとにした詩人ホフマンの恋物語。オフマンの回想の中で、語られるホフマンの恋とその恋人たち美しいも愛らしい人形オランピア、胸を病みながらも歌を愛する清純無垢なアントニア、セクシーな闇に浮かび上がるベネツィアの高級娼婦ジュリエッタや、狂言回しとも言えるホフマンを見守る親友にしてミューズ。そして、回想後、現実の女として現れる・歌姫ステッラらに恋破れ、アルコールにおぼれ、夢と現実の狭間をさまようホフマンは、恋をした女たちに見守られながら自らの命をたつ。作曲　：　ジャック・オッフェンバック　原作　：　Ｅ．Ｔ．Ａ．ホフマン　台本　：　ジュール・バルビエ、ミシェル・カレ　指揮　：　阪哲朗演出・美術・照明　：　フィリップ・アルロー衣裳　：　アンドレア・ウーマン合　唱　：　新国立劇場合唱団管弦楽　：　東京フィルハーモニー交響楽団-------------------------------------------------------------------キャストホフマン　:　クラウス・フロリアン・フォークトニクラウス／ミューズ　:　加納　悦子　オランピア　:　吉原　圭子　アントニア　:　砂川　涼子　ジュリエッタ　:　森田　雅美リンドルフ／コッペリウス／ミラクル博士／ダペルトゥット　:　ジェイムズ・モリスアントニアの母の声／ステッラ　:　林　美智子他最初は、違和感のあったタイトルロール・クラウス・フロリアン・フォークトの声だったのだが、幕が進む内、役に嵌って行き破滅するオフマンそのものになっていったのは、なかなかあなどりがたい。これから大きな舞台に出演する若手の勢いを感じた。名優/名歌手のジェイムズ・モリスの存在感は、偉大そのもの。このオペラの各幕を引き締めていた。ただ、残念なのは、ニクラウス／ミューズ役の加納悦子。小柄なため大柄なフォークトととの並びがしっくりこず、ズボン役の親友二クラウスにも無理があった。悪魔的なジェイムズ・モリスとミューズとしての対比も生きず残念。夫々のヒロインは、無難な出来。”光の魔術師“アルローの演出は、白を基調に、夫々各幕のヒロイン像をオランピア・原色、アントニア・白、ジュリエッタ・煌きの彩りと鮮やかに描きだして、魅力的な妖しい幻想性で視覚に訴えた。また、ダンス場面も楽しく、プロローグとエピローグを盛りあげたカンカンは、勢いもありベルエッポクな衣装ともどもおもしろかった。本日は、宅急便の遅れをまっていたため洋服にて観劇・・残念。

December 3, 2005

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アンドレア・シェニエ

オペラ「アンドレア・シェニエ」フランス革命期に生き断頭台に消えた実在の詩人アンドレア・シェニエと伯爵令嬢マッダレーナとの永遠の愛、伯爵家の召使から革命波のリーダーの一人となったジェラールのマッダレーナへの愛と革命への忠誠。３人がおりなすドラマと声の共演が、魅力のオペラなのだが・・・。作曲：ウンベルト・ジョルダーノ原作：ジュール・バルビエ／ポール・ディモフ台本：ルイージ・イッリカ指揮：ミゲル・ゴメス=マルティネス演出・美術・照明：フィリップ・アルロー衣裳：アンドレア・ウーマン合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団キャストアンドレア・シェニエ：カール・タナーマッダレーナ：ゲオルギーナ・ルカーチジェラール：セルゲイ・レイフェルクスルーシェ：青戸　知他まず、ジェラール役で出演を予定していた、カルロス・アルヴァレスが、健康上の理由で、出演できなかったのが残念。しかしながら、代役のセルゲイ・レイフェルクスが、幕開き、印象が薄かったのが、名アリア「祖国の敵」では、堂々とした歌いっぷりで聴かせたのは収穫。伯爵令嬢のゲオルギーナ・ルカーチも清楚な雰囲気の中に強い意思をもつ令嬢を好演。ただし、タイトルロールのカール・タナーが、肉体的なものは、ともかくとして、詩人らしい甘く美しい歌声というのには程遠く、声質の問題なのか、精彩に欠けていたのは、残念であった。演出のマルローは、インテルメッツォ時の行く雲に歴史の流れを象徴したのが印象深く、白い衣装に配したフランス革命の象徴の三色（赤、白、藍）もさりげなく品良く、絵画的（ブーシェやゴヤ、ドラクロワ）な絵面の舞台装置と切り取られた幕が小気味良く、視覚的には満足。好みではないが、二幕のインテルメッツォでギロチンの映像のコンピュータ処理（幕に写されたギロチンが、どんどん増加していく）も、観ようによっては、おもしろいかも。本日のキモノ：京友禅の訪問着・青灰色に、彩り菊・雀・薄が配され秋の染模様。（秋になると着用する一品）帯：あざやかな緑色地に金色織り出し七宝模様の袋帯。←　結構、どんな地色の着物にもあう便利なもの。帯揚：菊の色の一色をとり淡いだいだい色から桜色に変化する綸子地。帯締：青灰色から濃い桜色に変化する丸ぐけ。長襦袢：白塩瀬地に菊模様刺繍の半襟・卵色の綸子地足袋：白、履物：バックと同じ灰色地に金模様の皮フォーマルコート：濃紫色地に小さな宝尽くし刺繍模様の絵羽長羽織　←　結構何にでもあう羽織である。

November 26, 2005

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二期会オペラ「さまよえるオランダ人」

友人に誘われて、東京文化会館でオペラ「さまよえるオランダ人」を観る。休憩なしの2時間強、演出家・渡辺和子は、何を考えて、この作品を演出をしたのか謎なものであった。彼女は、ドイツで活躍しているそうで、この演出もドイツですでに絶賛をあびた（同行した友人談・予備知識無しの私）そうなのであるが、本当かと頭の中で？？？マークが100個ぐらい沸いた私。もし、これがすでにハノーバーで絶賛を浴びているとしたら、吃驚(@o@)わたしの感覚が変なのか・・・・(--;;作：リヒャルト・ワーグナー指揮：エド・デ・ワールト演出・舞台美術：渡辺和子照明：喜多村貴　ドラマトゥルグ：ドミニカ・フォルカート舞台監督：幸泉浩司管弦楽：読売日本交響楽団合唱：二期会合唱団オランダ人:泉　良平、ダーラント：黒木　純、ゼンタ：蔵野　蘭子、エリック：星　洋二、マリー：小川　明子、舵手：高野　二郎物語死に至るまで彼に愛と貞節をささげる女性が現れない限り、永遠に海をさまよい続け死ぬことも許されない呪いをかけられたオランダ人の伝説。美しき乙女・ゼルダは、彼の呪いを解き、救うことができるのか？舞台は三幕とも、同じ装置を使い、八百屋舞台には濃いブルーの床とグレー柱と入り口がある壁面というシンプルな装置。序曲で、幕はすでに上がっていて、ヒロインのゼンダは、芸術家なのか、オランダ人と思われる彫像を作り、それに恋をしているようであった。エド・デ・ワールト指揮する読売交響楽団は序曲から、オペラへ私を引き込むワクワク感にかけて、せっかくのすばらしい名曲が・・・(^^;;ただ、二期会の合唱団は健闘して、彼らが舞台にいないと舞台にすかすかした空間が生まれたのは、演出家の力量不足と主歌手人の不調があるような気がする。糸紡ぎ場面で私は気づいたのだが、どうも、この舞台全体が、とある精神病院だったようで、糸紡ぎの娘たちも患者、そして、ゼンダも、芸術家で精神を病んだ女性という設定だったようである。終幕、この演出では、すべてゼンダの妄想で、一切の救済はもたらせないという感じをわたしは、抱いたが、違っている？オランダ人の彫像を抱いたゼンダが、それを投げで打ち壊し、ごみの山のようになっている舞台でたちつくすというところで幕は、舞台面が美しく終わらず不快感が残る。また、オケも盛り上がりにかけるのが何とも。ある意味、「さまよえるオランダ人」では無く、「さまよえる演出家」を観劇したようなオベラであった。わたしは、やはり、美しき乙女・ゼンダによって救済がもたらされる、リヒャルト・ワーグナーによる三幕のロマンチック・オペラ「さまよえるおオランダ人」のほうが好み。上演時間が２時間強で終わったのは、さまよえる観客になった私を救済したかもと思える今日この頃(^^;;本日のキモノ：天気が悪いので、まぁこれでもな訪問着。琥珀色の綸子地、菊模様訪問着。帯：緑色地に金の吉祥格子袋帯。結構なんにでもあう便利帯である。帯揚：だいだいから灰桜までにぼかしたちりめん。帯締：琥珀色三部紐に銀台・真珠葡萄の帯留（便利な帯富）長襦袢：桜色綸子地に花模様刺繍のクリーム色半襟足袋：白足袋、履物：琥珀色の皮草履

November 6, 2005

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「セビリアの理髪師」

新国立劇場にて、セビリアの理髪師を観劇。舞台をフランコ政権下のスペインに移し、ダンディな青年アルマヴィーヴァ伯爵と、町一番の美人ロジーナが、町の便利屋のフィガロに助けられ、めでたく結ばれるまでの、すったもんだの喜劇。新星・ケップリンガーの演出は、この物語の続編「フィガロの結婚」へつなぐためか、バルトロ家の女中・ベルタに裏家業に娼家を運営させ、なかなかのかせぎぶり。はたまた、フィガロに、気のあるそぶりなどをかいまみせもする。また、フィガロにからませる孤児たちを登場させ、フィガロも孤児であったことをうかがわせるなど、なかなか憎い演出を見せていた。ただし、コメディ部分が小出しのためか、大いに笑いを楽しめると思った、第一幕・”かたまる”終了部分が、今一つまらない。この部分は、町全体が、すったもんだの状態のほうがおもしろいのだが。作曲：ジョアキーノ・ロッシーニ原作：ピエール＝オーギュスタン・カロン・ド・ボーマルシェ指揮：ニール・カバレッティ演出：ヨーゼフ・Ｅ. ケップリンガー美術・衣裳：ハイドルン・シュメルツァー照明：八木　麻紀、舞台監督：斉藤　美穂合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団キャストアルマヴィーヴァ伯爵：フェルディナンド・フォン・ボートマーロジーナ：リナート・シャハムバルトロ：柴山　昌宣フィガロ：ダニエル・ベルチャードン・バジリオ：フェオドール・クズネツォフベルタ：与田　朝子フィオレッロ：星野　淳隊長：木幡　雅志アンブロージオ：古川　和彦感想追加予定。本日のキモノ：葡萄柄手描き一越訪問着。薄萌黄色濃淡地に、翠の葉・葡萄色の実がなんともおいしそうである。ふくよかに実るぶどうが季節を盛り上げる大好きな一点。（土曜日に引き続き葡萄柄）帯：葡萄にやや青みを入れた地色に、天女が飛びかう。（天女を女神にみたてて締める）帯揚；明るい肌色無地綸子、帯締：薄萌黄色濃淡に翡翠。長襦袢：桃色綸子に薄いクリーム色地に香色の花刺繍半襟。足袋：白履物：萌黄色エナメル皮ぞうり。

October 16, 2005

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バイエルン国立オペラ「アリオダンテ」

東京文化会館で、ヘンデル作曲「アリオダンテ」を観劇。なかなか斬新な演出・舞台装置で、観せるオペラであった。舞台装置は、朽ち果てようとしている城。舞台床と・時には紗幕にもなる幕が鏡面になっていて、舞台上の壁面・物、役者を映しだす。ヘンデルの作曲は、当時のオペラ・セリアの約束事を守ったものであり、現代のわたしが聴いて、音楽的におもしろいかというと否といわざる終えない。指揮者：アイヴォー・ボルトン演出：デヴィット・オールデン舞台美術：イアン・マクニール振り付け：マイケル・キーガン＝ドランアリオダンテ：アン・マレイルルカーニオ：ポール・ナイロンスコットランド王：ウンベルト・キウンモジネヴラ：ジョアン・ロジャースポリネッソ：クリストファー・ロブソンダリンダ：オルガ・パシチュニクオドアルド：ケネス・ロベルソン物語は、長編叙事歌「狂えるオルランド」から「スコットランドの王女、ジネヴラ」を元に作られたものらしい。ともかく、第一幕から、うさんさくさい人物ばかりが登場し、何か変。歌っている内容と行動が一致しないスコットランド王や、アリオダンテなど、不思議感いっぱい。で最後大きな番狂わせがあるかと思ったら、そうでもなかったのが残念。本火を使った演出、おかまさんが踊るバレエなど、視覚効果と笑いもあるが、音楽的にアリアの繰り返しが長々と続くため魅力にかけるのがなんとも。また、王座を狙いアリオダンテとジネヴラを罠にかけ、ダリンダを誘惑する、歌舞伎的にゆうならば、色悪的なポリネッソに、カストラートを起用しながら色気にかける。現代のカストラートは、肉体的な条件がバロック時代と異なっているため声量的にも不十分。特に一幕目、地声に戻ってしまった箇所があったのは、興ざめであった。バロックオペラが、今、ヨーロッパでは、流行だそうであるが、曲に魅力がかけるため演出力による一時的なものであるような気がする。今日は、一途に最後まで、うさんくささで押し通した演出（バレエ含む）を楽しむオペラでは、あったなぁ～～。歌手の方々・特にズボン役のタイトルロール（きっとヘンデルが作曲したときは、これもカストラートが歌ったと思われる）アン・マレイとジョアン・ロジャース、オルガ・パシチュニク、王役・ウンベルト・キウンモの声の共演は、楽しめた演目では、あった。物語（プログラムより）第１幕中世のスコットランド。王女ジネヴラと騎士アリオダンテは相思相愛。国王にも認められた結婚が決まっている。オールバニー公爵ポリネッソは、ジネヴラに想いを寄せていたのだがあっさりと失恋。フラれた腹いせに女官ダリンダの愛を利用して王位を狙おうと企む。そうとは知らず、王は娘の結婚とともにポリネッソとダリンダにも祝福を贈る。ポリネッソは何も知らないダリンダに、今夜、王女に変装して寝室に入れてくれと言い、早速計画にとりかかる。ひとり残されたダリンダの前に、アリオダンテの弟ルルカーニオがやって来て彼女に愛を告げるのだが、ダリンダは相手にしない。婚礼を前に、幸せいっぱいのアリオダンテとジネヴラを、ニンフや羊飼いが歌と踊りで祝福する。第２幕婚礼の前夜。興奮で眠れずに庭を散歩するアリオダンテに、ポリネッソは王女と逢い引きするのだと言う。驚き怒るアリオダンテに、ポリネッソは証拠を見せようと言って王女の部屋の秘密の扉を叩き、変装したダリンダとともに寝室へと入っていくところを見せる。ジネヴラの不貞を信じ込み、絶望して自殺しようとするアリオダンテだが、隠れて見ていたルルカーニオが止め、復讐を誓う。ポリネッソだけが策略がうまくいったことを、ひとり喜ぶ。翌朝。アリオダンテが死んだと知らされ、王は嘆き悲しみ、ジネヴラは失神してしまう。そこでルルカーニオは、兄の死はジネヴラの不貞が原因と訴え、正しい裁きを求めて剣で戦うと宣言。王から、不貞をはたらく女など、もう娘ではないと言われたジネヴラは悲嘆にくれるのだが、傍らでダリンダはポリネッソの狙いに感付く。第３幕策略がばれるのを恐れたポリネッソから殺されそうになったダリンダをアリオダンテが救う。ダリンダはアリオダンテにポリネッソの奸計を話し、神に向かってポリネッソに天罰をと叫ぶ。一方ポリネッソは図々しくもジネヴラの守護騎士となってルルカーニオと戦うと申し出るが、ジネヴラはポリネッソに助けられるくらいなら死んだ方がましと悩む。ルルカーニオは決闘してポリネッソを一撃で倒す。すると今度は王が娘の潔白を証明するために剣をとろうとする。そのときアリオダンテが登場。驚く一同に、ポリネッソの企みを話す。瀕死のポリネッソも真相を告白した。王はすべてを許し、絶望していたジネヴラは再びアリオダンテとの愛を得て喜ぶ。アリオダンテとジネヴラ、そしてルルカーニオの愛を受け入れたダリンダの、二組の結婚を祝う華やかな歌と踊りで幕となる。本日のキモノ：連れいわく雀風。秋の実りを感じさせる雰囲気にまとめたつもり大島地を染と絞りで加工したしゃれ訪問着。色は朽葉色地に深翠と濃い朽葉色で葉の模様・絞りで縦枠で白。胴抜き仕立て。←　この季節の暑いときには便利。帯：白地に朽葉色の露芝＆紅葉の濃淡の朽葉色と深紫絞り織りの袋帯。帯揚：赤茶のちりめん、帯締：萌黄色に練り翡翠の帯留長襦袢：綸子の深翠・深翠に白兎の刺繍半襟足袋：薄い砂色の無地履物：香色の鼻緒・臙脂のツボ、こげ茶の桐草履

October 9, 2005

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ボヘミアオペラ「利口な女狐の物語」

東京国際フォーラムCで、久しぶりにオペラ「利口な女狐の物語」の物語を観劇！本当は、半日休暇を取る予定だったが、仕事が忙しく休めず、息を切らして有楽町にかけつける。ヤナーチェク作曲の森の自然とそこでくり広げられる輪廻転生を愛情豊かに歌う作品。どちらかというと動物達のバレエが主体で、メロディラインとしては、面白味にかけるが、そのぶん、視覚的には、きれいでおもしろい。童話的な舞台で繰り広げられる、聡明ですばしっこい女狐ビストロウシカの成長と恋をへて子供を生み、その子狐がまた、成長し、そして・・・と言った物語が、森番や、密猟者など、トンボや小鳥、かえる、虫、ハリネズミなど動物と人間がそれぞれ織りなす自然賛歌！残念なのは、場面転換で、黒い幕がたびたび引かれたこと。劇場がオペラ向きにできていないためなんともまどろこしくぶつ切り感があり、観客の集中力をそいでいた。

October 7, 2005

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バイエルン国立オペラ「タンホイザー」観劇

バイエルン国立オペラ「タンホイザー」観劇。愛の女神ヴェーヌスの欲望世界とキリスト教の救済世界、自らを対立する二つの世界（聖と俗）の間に迷い引き裂かれながら、救いを求める騎士タンホイザーの物語。そういえば、例によって小泉首相が来てましたが、歌舞伎座でもオペラ観劇でも遭遇率が高い～～。小泉首相は、ひょっとすると自らをタンホイザーに置き換えながら観ているのでは、とちょっと思えた観劇でもありまたね。連れいわく「筑紫哲也さんも来ていた、例によって・・」と言っていたので、オペラ好きの池田理代子さんも来ていたのかも（次の日は、ベルサイユのばら観劇の私であった。指揮：スビーン・メータ演出：デヴィッド・オールデン舞台美術：ロニ・トレンタンホイザー：ロバート・キャンベルヴォルフラム：サイモン・キーンリサイドヴェーヌス：ワルトラウト・マイヤーエリーザベト：アドリアンヌ・ヘリチョンカ物語は、彼を誘惑するヴェーヌス、彼を愛する乙女エリーザベト、彼女に秘めた愛をささげる騎士ヴォルフラムなどの運命。タイトルロールは、第一幕は、演技力は、ともかく歌唱が弱く、ひたすら、幕間はかつて観たルネ・コロを懐かしむ状況に陥ったが、第二幕から第三幕は、何とか持ち直し衝動的で悲哀に充ちた騎士を熱演・芝居歌を聴かせてくれた。今回、観劇しながら感じたのは、ヴェーヌスの世界もキリスト教世界もひたすら寒々しく（舞台・衣装・両方ともグレーと白・黒の無機質な世界）対照的な存在であるはずでありながらヴェーヌス・エリーザベトとも非常に似た雰囲気（髪型・化粧法・どこか寂しげな雰囲気・特に最終幕のヴェーヌスは、エリーザベトに重なる演出？）にしているため、主人公の求める世界への衝動は、常に同じような場所を行き来しているような感があった。歌唱的には、さすがのワルトラウト・マイヤーが圧巻。わたしの大好きな「夕星の歌」をきまじめな騎士役（めがねをかけてました）サイモン・キーンリサイドが、歌う姿に感動。（ただ、舞台に夕星がでていなかったのが残念）また、「巡礼の合唱」は、すばらしい。演出では、舞台の無機質感と現代的な衣装デザインに色彩がモノクロでありながら多彩な色使いが斬新で美しい。終幕、偽善的なキリスト教世界の中にあって、タンホイザーの死後、彼の遺体を守るヴォルフラムの今後が気になる演出であった！実に魅力的なヴォルフラム～～～！本日のキモノ：押さえた薄萌黄色に木の葉の刺繍の単衣帯：猫たちの音楽会（タンホイザーの第二幕の歌合戦にあわせて）模様の名古屋帯帯締：押さえた薄萌黄色帯揚：明るい肌色長襦袢：暑いので夏物・薄い肌色風味色のビーズ足袋：白の綿レース履物：エナメル皮の萌黄色

October 1, 2005

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バイエルン国立歌劇場「マイスタージンガー」

昨日に引き続き別プロダクションの「マイスタージンガー」を横浜にて観劇。感想は、後ほど。

September 25, 2005

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マイスタージンガー（新国立）

新国立劇場で、「マイスタージンガー」を聴く。感想は、いづれ

September 24, 2005

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アドリアーナ・ルクヴルール

上野文化会館で、15時より藤原歌劇団の『アドリアーナ・ルクヴルール』観劇。チレア作曲：歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」（全４幕／原語上演／字幕付）指揮／菊池彦典　　演出／マウロ・ボロニーニ合唱：藤原歌劇団合唱部　バレエ：スターダンサーズ・バレエ団　管弦楽：東京交響楽団アドリアーナ・ルクヴルール：ダニエラ・デッシーマウリツィオ：ファビオ・アルミリアートブイヨン公爵夫人：エレーナ・カッシアンミショネ：堀内康雄、ブイヨン侯爵：久保田真澄、シャズイユ僧院長：持木弘　ほかだったはずが、主役の二人、ダニエラ・デッシーとブァビオ・アルミリアートが身内の不幸（デッシーの母上がなくなられたそうである）のため休演、代役。まぁオペラでは、代役は、よくあることですが。ちなみに変更後の代役は、タイトルロールに、ヴェロニカ・ヴィッラロエルと、その恋人に、マルチェッロ・ジョルダー二。代役とは、いえなかなかの布陣。ロマンティックなメロディにのり、一人の男性を巡る美女二人、女優と貴婦人が熾烈な戦いを繰り広げる怒涛の三角関係。まぁ、早い話がメロドラマの中のメロドラマなのですが、実は、これが実在の人物とその物語なのだから吃驚。タイトル・ロールのアドリアーナ・ルクヴルールもその恋人マウリツィオもともに実在の人物（アドリエンヌ・ルクヴルールは女優、マウリツィオはサクソニア選帝侯マルセル）で、二人の熱烈な恋愛とその死が、そのまま脚色されてオペラになったのである。で感想は、後ほど。本日のキモノ：黒・灰色・白のモノトーンの配色で現される萩の花の訪問着。金駒刺繍も鮮やかに、金の挿し色も入りびっしりと多いつくされた萩は、なかなかの迫力。帯：生成の紗に流水に水車織り出し模様の名古屋帯。水辺に咲く萩にあわせて。帯揚：モノトーンに赤のスカーフ、帯締：黒と銀の市松に桃色珊瑚の鯉。彫が絶品。長襦袢：白ビーズに海島綿路足袋：白の麻履物：灰色のエナメル草履

August 27, 2005

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オペラ「蝶々夫人」

上野文化会館で、先月末に愛知万博で上演されたバージョンオペラ「蝶々夫人」を観劇世界的な活躍を続ける彫刻家の安田侃が舞台美術、照明デザイナーの石井幹子が照明を手がけ、平成１３年に上演された舞台の再演であるが私は初見。今回は、観劇の予定は、なかったのだかハーフチケットが手に入り観ることに・・・(^^;;蝶々さん：ドイナ・ディミートリゥピンカートン:ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラシャープレス:ガブリエーレ・ヴィヴィアーニスズキ：ダニエラ・ピーニゴロー：アレッサンドロ：コゼンティーノボンゾ：ジャンカルロ・ボルドリーニ指揮：ニコラ・ルイゾッティオーケストラ：東京交響楽団合唱：藤原歌劇団合唱部演出：ヴィヴィアン・ヒューイット／飯塚励生舞台美術：安田侃衣装：レジーナ・シュレッカー照明：石井幹子白い彫刻が照明で表情を刻々と変えていく幻想的な空間の中で展開される異世界のオペラ・マダムバタフライ。簡素な八百屋舞台に千変万化する照明が美しい。ただ、演出的には、非常に様式化されており（ちなみに歌舞伎の黒子ならずして白子が舞台に登場）その中で、恋ゆえに自刃する蝶々さん。タイトルロールは、可憐な雰囲気の中に強靭な声をもつが情感が薄め。これは、様式的な演出のせいもあるかも。ピンカートンは、喉が若干不調なのかな・・スコーラらしい声は、聴けずでこれは残念。また、今回、おもしろかったのは、スターウォーズばりの日本の衣装。とっても宇宙的である。ただ、第二幕・冒頭での蝶々さんの墨染めの衣装は、とっても変。演出的には、様式的過ぎるためか我が紅涙を絞ることは、かなわずなオペラ「蝶々夫人」であった。本日のキモノ：蝶々がないのでトンボでも！縦絽にトンボ透かし模様の小紋。色は生成り無地。帯：博多の白黒モノトーン紗名古屋帯帯揚：カーキ色濃淡花柄シホンスカーフ帯締：茶に黒の枠組み三部紐・帯留は黒漆秋草長襦袢：黒ビーズ半襟・絹絽足袋：生成りにモノトーン水玉模様麻地履物：生成り鼻緒に塗り桐草履

August 10, 2005

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来年のことを言うと鬼が笑うというけれど！

来年のことを言うと鬼が笑うというけれど、先月から、来年6月に来日するメトロポリタン・オペラとボローニャ国立歌劇場の先行予約がはじまっていたのである。メトロポリタンは、配役と演目（椿姫、ワルキューレ、ドン・ジョバンニ）・チケット代を見て、食指が動かずで・・まぁ、配役で「ドン・ジョバンニ」は、観てもよいかなぁという感じでは、あったが、後は、私的には、限りなく魅力なし・・招待してくださるというのなら、キモノの虫干しを兼ねて行きたいかもですが！で、もうひとつボローニャは、なかなか魅力的な配役と演目、「連隊の娘」ファン・ディエゴ・フローレス「イル・トロヴァトーレ」ロベルト・アラーニャ「アンドレア・シェニエ」ホセ・クーラおぉ、今、旬の歌い手の競演である。チケット代は、高いけれど、先行なら苦労もないしと2セット連れの分と一緒に招聘元の事務所に申込みを行った・・・で、請求書が送られてきたのだが、その請求書に記入された席番を見て吃驚・・・とても先行予約とは思えない悲惨な席　←　B席といえど、２セットで二十数万円ですよ～(--;;で、事務所に電話・・・話をしているうちにどうも、我々の席よりも良席が残っていることが判明・発覚！私「先行ですから取り替えていただけませんか？」事「それは、できません。」私「席があるんですよね。」事「ありますが、変更は、できませんので、もし、お席にご不満でしたら、キャンセルしてください。キャンセルの場合は、全部キャンセルになりますので！」私「はい、それでは、キャンセルします。」事（吃驚した声で）「えっ～～２セット、全部キャンセルするんですか？」私「はい、もちろん」事「振込み日までに、振込みが無ければキャンセルになりますので・・・」だんだん小声。私「いえ、この電話で、今、キャンセルしてください！」事「はい、わかりました・・（私の名前と予約番号の確認の声」いや～なんです。最近のオペラのS席とA席が、余っているのが、とってもよくわかる雰囲気だったのである。まぁ、別に、絶対観たいというわけでは、ないから。というか、すでに三人とも何度か聴いているのである。そういえば、昔、友人から三大テノールの公演にどうして行かないのぉ～と聞かれたことがあったっけ。おじさん三人を観るのには、チケット代が、あまりに高いというのも、わたしが行かない理由では、あったが、早い話、彼らがもっと若くて旬のときの生声を聴いていたので（日本のマスコミがうわぁ～～て騒ぐ前）、その思い出を壊したくないというのが一番正しかったかもと思い出す。あれは、バブルだったんでしょうかねぇ・・・(^^;;今回、メトロポリタンのワルキューレでは、その三大テノールの一人と言われたドミンゴが歌う・・チケット売れてるのかしら。

August 5, 2005

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「フィレンツェの悲劇」＆「ジャンニ・スキッキ」観劇！

初台の新国立劇場・大ホールにてツェムリンスキー「フィレンツェの悲劇」字幕付原語（ドイツ語）上演プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」字幕付原語（イタリア語）上演を観劇！両方とも全1幕・上演時間：各約1時間指揮：クリスティアン・アルミンク演出：カロリーネ・グルーバー照明：大島祐夫管弦楽：新日本フィルハーモニー交響楽団舞台美術：ヘルマン･フォイヒター衣裳：ヘンリケ・ブロンバー主催：二期会オペラ振興会「フィレンツェの悲劇」シモーネ（バリトン）小森輝彦、ビアンカ（メゾ＜リリコソプラノ＞）林　正子、グイード（テノール）羽山晃生オスカー･ワイルドの戯曲を台本にしたツェムリンスキーの代表作。1917年初演。物語：貴族の跡取りグイード公と美貌の妻ビアンカとの浮気疑惑のはて決闘を申し込む夫シモーネ。恋人に夫を殺すようけしかける妻。しかしグイードはシモーネに絞め殺されてしまうが・・妻ビアンカは！「ジャンニ・スキッキ」ジャンニ・スキッキ（バリトン）蓮井求道ラウレッタ（ジャンニ・スキッキの娘）（ソプラノ）臼木あいツィータ（ブォーゾの従妹）（コントラルト）与田朝子リヌッチオ（ツィータの甥）（テノール）水船桂太郎ゲラルド（ブォーゾの甥）（テノール）塚田裕之ネッラ（ゲラルドの妻）（ソプラノ）品田昭子ベッド（ブォーゾの義兄）（バス）筒井修平シモーネ（ブォーゾの従兄）（バス）大塚博章マルコ（シモーネの子）（バリトン）馬場真二チェスカ（マルコの妻）（メゾソプラノ）池田香織スピネロッチョ（医者）（バス）鹿野由之アマンティオ（公証人）（バリトン）村林徹也ピネッリーノ（靴屋）（バス）山口邦明グッチョ（染物屋）（バス）宮本聡之物語：ダンテの神曲　地獄編　第30歌を原作に1918年に初演された作品。フィレンツェの大富豪が亡くなり、その遺産を目当てに欲の皮のつっぱった親戚たちが繰り広げるプッチーニ唯一の喜劇。ジャンニ・スキッキを利用したつもりが結局、全員その策にはまり、遺産はスキッキのものに。悔しがる人々。そんな騒動の中、リヌッチオとジャンニ･スキッキの娘ラウレッタは恋する幸せに酔いしれる。ほぼ同時期作られた同じフィレンツェを舞台にした二つのオペラということで、今回は、第一幕・第二幕のように共通点を持たせて演出され、第一幕の「フィレンツェ」の地下室の背景が、観客の目の前で、飛ぶと、同じ舞台装置を使いながら、「ジャンニ・スキッキ」のサロンという風に変わるのがおもしろい。「フィレンツェ」では、夫の女装（ワイルドに女装壁があったところから）やSM、浴槽でのセックスシーンなどがリアルで吃驚！観客は、驚いているうちに終わってしまったという感じがしなくもないが、演じるオペラ歌手も大変かも(^^;;うって変わって、二幕「ジャンニ・スキッキ」は、欲の皮のつっぱった現代の衣装を着た出演者が、それぞれ個性的で、めりはりが効いておもしろく、クスクス笑わせてくれるのが楽しい。こういう人、身近にいるかもと思わせる演出。ちなみに、「ジャンニ・スキッキ」の冒頭、一幕の夫婦が死体をしまつしていて、それがそのまま大富豪の死体になり、二幕中、この死体君が大活躍。単に舞台に居るだけなのに笑わせてくれる。また、恋人達は、パンクルックのお兄さん（染めたつんつんヘア）＆清純・女子高校生の制服姿で意表をつく二人。ソプラノの名曲「私のお父さん」も、娘がお父さんを脅す唄だということが、はっきりわかる演出（わたしの言うこと、聞いてくれなくちゃぁ、死んじゃう～～）で、曲の美しさとのギャップも見もの。いやぁ～おもしろかった！本日のキモノ：（オペラ用のフォーマル着）地味な濃い翠色の絽付け下げ、友禅で夏椿に童子。秋草が裾あたりに可愛く描かれる。（連れいわく、ずっ～～～と着れそう）帯：白地の紗に花の丸紋。持っている中では、可愛い感じのフォーマル袋帯帯揚：オレンジシャーベット色の絽帯締：緑色濃淡市松に帯留・銀細工葡萄唐草にガーネットがはめ込まれている。長襦袢：オレンジシャーベットポイント刺繍入りの絽の半襟つきうそつき足袋：麻の白履物：緑色の皮草履（お気に入りのもの）

July 31, 2005

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チェコ国立ブルノ歌劇場オベラ「カルメン」バレエ「ボレロ」付

御馴染みオペラ・カルメンをオーチャードホールにて観劇観客は、闘牛場に見立てられた舞台で展開されるカルメンの物語に、闘牛士に扮した死神（男性舞踊手）によって導かれる演出。プロローグのカルメンの祈りとホセ＆死神が、エピローグの姿とぴたりと重なる舞台。シンプルな闘牛場は、スペインの街角、あるいは、タブラオ、山賊の住む山中となる。運命の女・カルメンそのもののようなギリシア生まれのメゾ・ソプラノ、ヴィクトリア・マイファトヴァがその痩身を駆使して華麗に歌い踊る。バレエ出身のこの歌い手のなんとしなやかで、野生的で、美しくセクシーであることか・・その中に浮き上がる悲劇の影。自らの死を予兆しながら、自由を叫び、ドン・ホセを拒絶するとき、圧倒的に舞台を支配する魅力。声量的には、物足りなさも残ったが、その魅力と芝居心で充分に観客の心をとりこにしたカルメンであった。これもあり！残念だったのは、カルメンと相対する母性の象徴・マドンナブルーのミカエラ（イヴァッタ・タンネンベルゲロヴァー）。雰囲気は、ともかく金属的な声を持つためか、声量たっぷりでありながら、役柄がもたなければならない、包み込むようなふくよかさにかけていた。［指揮］ミラン・カニャーク［合唱指揮］ヨゼフ・パンチーク［演出］ラディスラフ・シュトゥロス［舞台美術］ウラディミール・ソウケンカ［衣装］ヨゼフ・イェリーネク［振付］ズデニェク・プロケシ［管弦楽］チェコ国立ブルノ歌劇場管弦楽団［合唱］チェコ国立ブルノ歌劇場合唱団、児童合唱団［バレエ］チェコ国立ブルノ歌劇場バレエ団カルメン（メゾ・ソプラノ）：ヴィクトリア・マイファトヴァドン・ホセ（テノール）：ミハル・レホツキーミカエラ(ソプラノ）：イヴェッタ・タンネンベルゲロヴァーエスカミリオ（バリトン）：イジー・スルジェンコ本日のキモノ：オペラ前方良席用の訪問着変わり絽の灰緑色にキキョウ・おみなえし・都忘れなど秋草の友禅模様（糸のよりかたを観る固いので紗のようにも思えるのだが・・・）帯：雨に飛翔する燕の紫地の紗袋帯帯締：灰緑色の夏帯締帯揚：淡いオレンジベージュの絽長襦袢：ベージュ・ビーズの半襟長襦袢足袋：白の麻、履物：緑色皮に灰緑色の鼻緒

July 17, 2005

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「蝶々夫人」（新国立劇場）

オペラを観て、久しぶりに涙腺がゆるむ！作曲：ジャコモ・プッチーニ指揮：レナート・パルンボ演出：栗山民也美術：島次郎衣裳：前田文子合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団出演蝶々夫人：大村博美、ピンカートン：ヒュー・スミスシャープレス：クラウディオ・オテッリ、スズキ：中杉知子ゴロー：大野光彦、ボンゾ：志村文彦、神官：大森一英ヤマドリ：工藤　博、ケート：前田祐佳、書記：柴田啓介御馴染み「蝶々夫人」である。女性として等身大の悲しみが胸に響く蝶々夫人、そして、それを母のように見守るスズキの姿に胸打たれる。武士の娘として誇り高く死を選び取る蝶々夫人というよりも、母として、残されていた道が死しかなかったと思える今回の演出。そして、その姿を見定めるその幼い息子。舞台は、その息子の未来を観客になげかけながら幕が下りる。何とも衝撃的な幕切れとなった今回の演出。タイトルロールの大村は、その美声ときゃしゃな姿で、蝶々夫人を熱演。地毛を生かして結った日本髪もよく似合い、可憐な少女から大人の女性への成長を違和感なく見せた。また、今回、スズキ役・中杉も好演。二人（蝶々夫人＆スズキ）が歌う場での天井から舞い落ちる花びらも幻想的で美しい。演出面では、札束を数えるピンカートンに、この男の傲慢さとくだらなさが垣間見え、ヒュー・スミスの役柄的にぴったり。衣装や髪型は、地味でシンプルでありながら統一感（芸者たちの灰色から深草色のキモノなど）があり、特に女性の日本髪は、地毛を生かして結い上げており雰囲気があった。舞台装置は、蝶々夫人の心象風景を表しているのか、壁で囲われ、舞台の上方（天井のほう）にある四角い窓から、青い空や、そこに翻るアメリカ国旗が見えるという感じである。下手側には舞台からその窓に向かって階段が設けられており、舞台にある蝶々夫人の家に降りてくるという風に使われていた。シンプルな舞台装置にシンプルな衣装。それゆえに、そこにいる真っ白な衣装の蝶々夫人が何とも美しく悲しいのである。余談：二幕から三幕にかけて、間奏曲前に、蝶々夫人が花嫁衣裳に変わり下手側の階段を上り後ろ姿のシルエットにて幕となるが、その場では、早変わりのためか、白い長襦袢の上に白の打ちかけ姿だったのだで、違和感があった。どうするのかと思っていたら、幕が下りた短い間に、着替えたらしく、同じシルエットから階段を下りるときの内掛けの下は白い着物姿になっていて一安心。ただ、連れは、ぜんぜん気づいていなかったので、普通は気づかないものとしている演出なのだろうなぁ・・・余計な事に気づいちゃってごめんなさい。本日のキモノ：絽の淡い藤灰色の訪問着・キキョウの模様・今はない某銀座の老舗のオリジナル。帯：深草色の金通し夏綴れ帯。地味目なキモノに派手な帯。地色のトーンであわす。帯締め：藤灰色の三部紐、帯留は、銀の花喰鳥・鳥の目がエメラルド（小さ～い）帯揚：淡い緑色長襦袢：淡い緑色のビーズに紗の夏長襦袢足袋：白の麻（洗濯するたびに白くなるような）履物：金の台に灰色の鼻緒（皮）

July 9, 2005

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フィデリオ

新国立劇場にてフィデリオ観劇。作曲：ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン原作：ジャン・ニコラス・ブイイ指揮：ミヒャエル・ボーダー演出・美術：マルコ・アルトゥーロ・マレッリ衣裳：ダグマー・ニーファイント＝マレッリ照明：磯野　睦合唱指揮：三澤洋史合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団 -------------------------------------------------------------ドン・フェルナンド：河野克典ドン・ピツァロ：ペテリス・エグリーティスフロレスタン：トーマス・モーザーレオノーレ：ガブリエーレ・フォンタナロッコ：ハンス・チャマーマルツェリーネ：水嶋　育ヤキーノ：吉田浩之囚人1 ：水口　聡囚人２：青戸　知楽聖ベートーヴェン唯一のオペラ。監獄所長ピツァロは、政敵フロレスタンを不正に投獄しているが、フロレスタンの妻レオノーレは夫を救出するため、男装してフィデリオと名乗り、監獄の番人ロッコの下で働き救出の機を窺う。そんなフィデリオを恋するロッコの娘・マルツェリーネ。マルツェリーネを愛するヤキーノ。大臣の視察を知らされたピツァロは不正の露見を恐れ、フロレスタンの殺害を決意するが、レオノーレが身を挺して夫をかばい救う。そこへ大臣が到着し、ピツァロを裁きレオノーレの勇気ある愛と行動を讃え不正に投獄されていた人々を救うのであった。＜演出は、前奏曲では、よかった＞舞台上で、レオノーラが男装する姿を見せるのだが、ガブリエーレ・フォンタナは、男装姿が赤いスーツより似合った！＜一幕目の演出の謎＞太極拳をしならが歌う囚人の団体・・・いや、合唱団なのですが(--;;＜二幕目の演出の最大の謎＞大勢の白いウエディング姿の新婦と黒燕尾の新郎（これももちろん合唱団）。これは、なんなのか～～と言う感じ。ちなみに新婦のウエディングドレスは、シンプルながらデザインがすべて違っていた。おまけ：投獄されている夫・フロレスタンの巨大な横はばの体躯。トーマス・モーザーは、パバロッティのようだった。ここの監獄の食事は、毎日ディナー状態なのかも。衣装：現代風味。本日のヒロイン：タイトルロールのフロレスタン役ガブリエーレ・フォンタナりりしくもけなげなフィデリオを熱演。参考URL：http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2004%7E2005/fidelio/fidelio.html本日のキモノ：秋草模様の黒の紗袷（上が紗で、下が絽）訪問着帯：季節の燕に銀雨柄の袋帯。地色は緑色帯締：黒と銀の三分紐、帯留：バロック真珠の彩帯揚：クリーム色の薄い綸子地長襦袢：塩瀬刺繍白襟にクリーム色綸子長襦袢履物：銀色皮フォーマル草履足袋：白

June 4, 2005

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ビゼーの「真珠採り」（フェニーチェ歌劇場）

「真珠採りのタンゴ」で同じみのビゼーのオペラ「真珠採り」を観劇。ビゼー作曲　『真珠採り』（フェニーチェ歌劇場）会　場　：東京　オーチャードホール（１８日）指　揮　：ギョーム・トゥルニエール演出・装置・衣装　：ピエール・ルイージ・ピッツィレイラ（S）　アニック・マッシスナディール（T）　中島康晴ズルガ（Br）　ルカ・グラッシヌーラバッド（Bs）　ルイージ・デ・ドナートセイロンの海辺を舞台に友情(ズルガとナディール）と美しい巫女・レイラをめぐる愛情のはざ間で揺れ動く男女三人の物語をビゼーが美しい音楽で描いた作品。今回、結構けだらけの席で観劇と相成ったのだが・・期待の国内オペラ本格デビューとなる中島康晴の歌が？で、えぇ～～！第一幕の聴かせどころ「真珠採りのタンゴ」として知られる　”耳に残る君の歌声”が、見事にこけて、終演後、連れが、あれ「真珠採りのタンゴ」歌わなかったねぇって、オイオイ、歌ってたよ～。確かに埋没した声ではあったが・・・(--;;第一声から風邪でも引いているのかと思える声で、テノールとしての輝かしさが皆無。うーん、困ってしまってごめんなさ～いと言う感じ・・・一時的な不調だとよいのだか。しかし、わたしの隣のおばさまは、彼の熱烈なファンなのか、ブラボーと叫ばれた（でも、声がかすれていた）・・・うわ～、あれにブラボーでは、いくら何でも椅子からころげおちそうになりますわねぇ。でそのまま終わってしまいそうな公演を救ってくれたのは、レイラ役アニーク・マッシスの清楚な姿とその歌声、そして、全体的には、シンプルな装置でありながら、なかなか凝った舞台演出衣装の色彩も美しくほんとに素敵で、随所に散りばめられたバレエも麗しくセンスがよく目の保養。舞台前面に奥行きのある逆アーチ状の床を配し、なかなか腹筋が入りそうな雰囲気の中、主役人演じ歌い、や、バレエは、そこで踊る。その舞台の背後には、黒い大階段があり、その上には、金色の寺院が輝き照明に浮かびあがるさまがエキゾチックである。終演後の会話：連れ：あんまり上演されないね。私：まぁ、自分勝手な男女過ぎて主役二人（レイラ＆ナディール）に感情移入できないもの。ズルガを犠牲にして二人は、Happyなんて、何て脳天気！特にナディールは男としてひどすぎ、ズルガが可愛そう過ぎ。プログラムに、これがあまり上演されないのは、ナディールが大変むずかしい歌役だと書かれているが、それは、信じられない。初演がすぐに打ち切られたのも脚本へぼ過ぎ、それを上回るだけのオペラとしての魅力が今一だったのでは、ないかしら～～。という薀蓄がずっと続いたのであった。

May 18, 2005

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「アッティラ」フェニーチェ歌劇場来日公演

★ヴェルディ作曲　『アッティラ』フェニーチェ歌劇場来日公演日　時　： 5月 14日（土）会　場　：オーチャードホール指　揮　：　マウリツィオ・ベニーニ演　出　：　ワルター・レ・モーリ出　演　：　オダベッラ（S）　ディミトラ・テオドッシュウアッティラ（Bs）　ジョルジョ・スーリアンエツィオ（Br）　パオロ・ガヴァネッリフォレスト（T）　カルーディ・カルードフ「物語」＜ヴェネツィア誕生にまつわる歴史絵巻＞フン族の王アッティラは、イタリアを攻め、勝利を収め、ヴェネツィア近郊のアクイレイアに入城する。領主の娘オダベッラは男まさりにも戦っていたが、捕虜となる。アッティラはオダベッラの勇気をたたえ、彼女の所望した彼女の父の形見の剣を渡す。彼女は、その剣を握り締め密かに復讐を誓うのであった。オダベッラの恋人フォレストはアドリア海の干潟に逃れ、ここに新しい町を作ろうと決意する。後のヴェネツィアとである。一方、アッティラに取り入ったオダベッラは、王妃に迎えられるが、終幕、アッティラから逃れ、森の中で、フォレスト、エツィオ、オダベッラが出会う。オダベッラを追ってきたアッティラは、一瞬のすきをつかれオダベッラによって刺されこときれる。ローマ軍が「復讐は成就した」と歌い上げる。　　アッティラとオダベッラの主役二人、特にディミトラ・テオドッシュウの声は、感嘆符である。復讐に燃える女戦士オダベッラを、パワーのある声とテクニックで歌いきっていた。ぱちぱち！ジョルジョ・スーリアンは、硬質な声では、あるが、フン族の王としての強さがありなかなかよい。　　フォレスト役のカルーディ・カルードフは、歌唱が軽めで、平板な印象。　エツィオ役のパオロ・ガヴァネッリは、バリトン贔屓のわたしでも、頭に？？が飛ぶでき。もう、声がでないのかぁ～と言う感じ。　演出・装置は、「舞台装置には焼失したフェニーチェ歌劇場の外壁や緞帳を再現し、この歌劇場へのオマージュと伝統を感じさせる舞台となっている」とプログラムには書かれていたが、うーん。ちぎれた緞帳が舞台右半分だけを覆い、上手には木製のコンテナ状のものが積み重ねられ、むき出しのコンクリートの壁という、いたってシンプルなもので、日本人の私には、今一理解しがたいものがあったのが、残念であった！オケとコーラスは、なかなか検討かも。夜は、少し遅れて、歌舞伎座夜の部。本日のキモノ：この季節にいつもきる緑色から裾にかけてぼかしの綸子訪問着。柄は、枝模様＆裾に桜草。長年着ている地味な着物。でも、上品系(^^) 連れが好きなキモノらしい。帯：金地に菖蒲模様の袋帯・日本画家のデザインを織り出したもの（季節である）帯締：緑と萌黄の千松模様三分紐。真珠の枝模様銀帯留め帯揚：藤紫のちりめん長襦袢：刺繍半襟にクリーム色綸子足袋：白、草履：佐賀錦　

May 14, 2005

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フィガロの結婚

新国立劇場でフィガロを観る。オペラでは、ひさびさの一列目センター。好みから言えば、もう少し後ろが好みである。感想は、後ほど。演出に不満あり。

April 17, 2005

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オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」

新国立劇場「コジ・ファン・トゥッテ」を15時から観劇。モーツアルトらしいアンサンブルオペラを楽しく軽妙に演出した女性演出家の腕が冴え、指揮もチェンバロを演奏しながら、軽快にオーケストラを聞かせ、それに答えるように若手二組の恋人たちを老練ヴァイクルが引き締める。モーツアルトが女性（自分の妻）に対して、嫌気がさしたときに作曲したのがこの作品だとか・・女とはこんなものと歌われるとちょっとなぁと思わないでもないが、今回は、歌手人の歌声のアンサンブルの良さにまずは拍手。若手を投入しての恋人たちも違和感がなく、目にも耳にも心地よく楽しめた観劇・感激であった！＜物語＞グリエルモとフェルランドは、フィオルディリージとドラベッラ姉妹とそれぞれ婚約している。老哲学者ドン・アルフォンソにそそのかされ、ふたりは恋人の貞節について賭をすることに。出征するふりをして婚約者に別れをつげた後、アルバニア人に変装して姉妹をあの手この手で口説きにかかる二人。ドラベッラ（調子のよい妹娘）が姉の婚約者グリエルモに、さらにフィオルディリージ（貞淑な姉娘）もフェルランドの口説きに陥落してしまう。新しい２組のカップルの結婚式が行われるところに、姉妹の婚約者の帰還のメロディが・・・結局は元に収まる恋人同士・一応めでたしめでたしか(^^;;★グリエルモが化けたアルバニア人が、ドラベッラを最初に口説くとき、来ていた服をつぎつぎ脱いでゆき、最後に、パンツ姿になってしまったのだがあのパンツの模様は、赤と緑のハート模様のような気が。同行者に確認をしたのだか、まさか脱ぐとは、思っていなかったので、やはりびっくりしてわからなかったそうな！★姉妹の衣装は、普通のワンピースなのだが（姉が黄緑、妹がピンク）、アルバニア人に化けた二人が、それぞれ、衣装にその色を取り入れていたのがおもしろかった。★姉妹の召使・デスピーナ（中嶋彰子）医者に、公証人にと化けた声音が、受けた。★フィオルディリージ(ヴェロニク・ジャンス)の脚の線が美し～い。思わず親父化する私（笑）作曲：ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト台本：ロレンツォ・ダ・ポンテ指揮：ダン・エッティンガー演出：コルネリア・レプシュレーガー美術・衣裳：ダヴィデ・ピッツィゴーニ照明：磯野　睦合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京交響楽団フィオルディリージ：ヴェロニク・ジャンスドラベッラ：ナンシー・ファビオラ・エッレラデスピーナ：中嶋彰子フェルランド：グレゴリー・トゥレイ　＊グリエルモ：ルドルフ・ローゼンドン・アルフォンソ：ベルント・ヴァイクル本日のキモノ：（３日続けて桜柄）濃いすみれ色・変わり織り地に桜友禅模様。月の光を金粉で表してしているのがお気に入り。帯：天井格子に花・鳥模様の金銀豪華袋帯帯締：濃いすみれ色丸組（金入り）帯揚：桜色無地ちりめん半襟と長襦袢：ベージュ色豪華桜模様同色刺繍半襟に桜色ぼかしりんず長襦袢。足袋：白、履物：金地西陣織りコート：ベージュ色に琵琶模様小紋・金腺入り

March 21, 2005

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オペラ「ルル」観劇

新国立劇場にてアルバン・ベルク作曲のオペラ「ルル」観劇。ベルクが未完のまま死去した時の２幕版を今回は上演ということで、三幕版より、やや短めの時間の中でファムファタル（運命の女）なルルの人生と彼女にかかわる男たちの破滅が十二音技法を駆使した音楽のモチーフの中で展開して行く。演出家のデヴィッド・パウントニーの演出は、口上役の道化師（晴　雅彦）を各場面のつなぎに登場させる。何となく扮装もミュージカル・キャバレーの案内役に似ているのがツボ。まぁ舞台が同じドイツっていうのもあるのかも。装置は、白と黒を中心に新国立の四面舞台の舞台装置を駆使し、シンプルな装置をそれぞれの場を照明の色の変化（赤、黄色、青、緑）で魅せていき観客をあきさせない。ラスト、血みどろになり絶命する伯爵令嬢と殺人鬼の切り裂きジャックは迫力。タイトルロールの魔性の女・ルルを演じる「佐藤しのぶ」は、ここのところ？？な歌唱だったが、この役では、細かい芝居を駆使しなかなか魅惑的な役どこを造詣。衣装もよく似合い（黒、赤、白を基本）視覚的にも楽しませる（特に白いラインの黒のスーツに黒のつば広の帽子姿、赤い薔薇の花がたくさんついたクリーム色っぽいマーメードラインのイブニングドレスが好み）ただし、声量的に観客を魅惑するまでには、いたらずでそれが残念。今回は、２階２列目での観劇であったが舞台装置が隅々まで観えて、シンプルな中でも凝った舞台（小さな扉）が楽しめた。スタッフ作曲：アルバン・ベルク原作：フランク・ヴェーデキント（「地霊」／「パンドラの箱」）指揮：シュテファン・アントン・レック演出：デヴィッド・パウントニー美術：ロバート・イスラエル衣裳：スー・ブレイン照明：ミミ・ジョーダン・シェリン舞台監督：佐藤公紀管弦楽：東京交響楽団ルル：佐藤しのぶゲシュヴィッツ伯爵令嬢：小山由美劇場の衣裳係／ギムナジウムの学生：山下牧子医事顧問：大久保眞画家：高野二郎シェーン博士／切り裂きジャック：クラウディオ・オテッリアルヴァ：高橋　淳シゴルヒ：ハルトムート・ヴェルカー猛獣遣い：晴雅彦力業師：妻屋秀和公爵／従僕：加茂下稔劇場支配人：工藤博今日のキモノ：墨色の訪問着。豪華芍薬・春の花淡色京友禅。帯：緑＆金亀甲模様の袋帯。帯締：黒三分紐、帯揚：クリーム色刺繍半襟：赤の豪華菊色。足袋：白履物：黒金泥皮草履コート：ベージュ色琵琶模様友禅道中着★色目がルル（黒＆白＆赤）だぁと友人談

February 11, 2005

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オペラ「マクベス」

野田演出版オペラ「マクベス」を、新国立劇場にて観劇。昨年初上演されたものの再演。ご存知原作は、シェークスピアのものにヴェルディが作曲したもの。原作版より短め。体調不良だったが、演出のおもしろさで、楽しく観劇。何より、前奏曲、一面の黄色の花畑からあらわれる骸骨たちが、不気味というより滑稽であり、血の色に彩られた玉座を持て遊ぶ骸骨達が不気味でもあるという感じ。この骸骨達＝魔女たちなのだが、野田版では、完全に影の主役となっているのが野田秀樹らしいというか。幕前で、観客の拍手を浴びながら、外れてしまった骨を、「これ～誰！」とばかりに、問いかけたり、鮮血流れる玉座を取りあったりと、ブラックユーモアで笑わせる。本当の火を燃やしての予言の場面も大人数により迫力。タイトルロールのマクベスのカルロス・アルヴァレス、長身ハンサムで声も魅力的、対するマクベス夫人のゲオルギーナ・ルカーチが、またど迫力の声の持ち主で、マクベスの権力への執着を後押しするさまが旦那の尻をひっぱたいているようでなかなかの聴きどころ。二人とも、似たもの夫婦といった感じで好演。ところで初演と大幅に変更になっていた箇所があるのだが、誰か気づいた方いらっしゃらないだろうか？連れは、例によって、そうだったぁ??なんですが。初演、終幕近くで、舞台上の群衆が、マクベスの横暴を嘆く場面で、マルコムがイギリス兵とともに表れる場では、灰色の群集が、灰色の衣を脱ぎ捨て（緑色や青のシンプル衣装になる）、イギリス兵と固く握手。となるはずが、今回は、最後まで灰色の群集のまま。エピローグ、マクベスを倒した後、解放の喜びの大合唱の中昨年は、嘆きの女達が、今年は、大多数となり男女ともの灰色の群集が死体に取りすがり嘆きながら、なぜか合唱は解放の喜びの歌。　風刺がより濃厚になり、視覚と聴覚のの不一致という矛盾にとんだ終幕となった。ヴェルディもあっと驚く・・・だからオペラは、おもしろい(*^^*)舞台機構で面白かった箇所。１）一幕、黄色いお花畑とともに骸骨の群れ５０人ぐらいをのせたままセリ下がる舞台。２）朽ち果てた王冠いただいた骸骨頭（大きな目玉が特徴）風鉄骨と、それを二階組にした回り舞台。王冠と頭の間から階段になっていてこれが、伸びたり縮んだりして、回り舞台に呼応して舞台転換を用意にしていた。作曲：ジュゼッペ・ヴェルディ原作：ウィリアム・シェイクスピア台本：フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ／アンドレア・マッフェイ指揮：リッカルド・フリッツァ演出：野田秀樹美術：堀尾幸男衣装：ワダエミ照明：服部基振付：木佐貫邦子演出補：田尾下哲舞台監督：大仁田雅彦合唱指揮：三澤洋史合唱：新国立劇場合唱団管弦楽：東京交響楽団 PS.本日のキモノ白山紬の生成り白＆紫色の形見代わり、雪輪模様、点景で雪輪刺繍。白山は、デザインが今一な感があるが、これは、モダンでわたしは、大好き。帯：緑と青紫の梅模様絞り名古屋帯揚げ：黄土色ちりめん。帯締め：白。帯留め：真珠半襟：豪華梅刺繍の藤色ぞうり：紫に帯地花緒コート：雨模様なためリバーシブル紬道中着。夜は、宝塚雪組・下級生のお茶飲み会に出席。緒月遠麻くん。素顔が舞台よりきれいで身長が１７０センチ以上の長身をシンプルな黒のスーツに包み、細身でモデルのような雰囲気。ショーでは、プロローグ、夜の女王で、同期（鳳扇かなめ）とだるま姿を披露しているが、９センチヒールを履くのは初めてで、けいこ場などで練習したそう。はきはきとしていて生真面目で可愛～～い。まだ、研究科５年。これから飛翔するスターの卵といったところか。

January 29, 2005

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錦織　健テノールリサイタル！

午後５時から、錦織　健テノールリサイタル観劇。彼の声は、この劇場の大きさ（１０００人強）にちょうどよくあってなかなか聞き応えがあった（ドラマチックテノールとは言いがたいでしょ！）。第一部は、日本歌曲を中心にオープニングの”さくらさくら”と”秋の月（滝廉太郎）”、”さとうきび畑（寺島尚彦）”が印象深い。特に”さとうきび畑”は、戦争のむなしさが胸にせまる碧い空と風にゆれる緑のさとうきびの波。第二部は、歌曲とイタリア民謡など。エンディングのララの”グラダナ”が最高。やっぱり名曲だぁ。また、ロッシーニの”踊り”が軽快で楽しい。アンコールは、オオソレミヨと彼らしくロック。楽しいしゃべりもあり全２０曲、堪能。ちなみに彼の誕生日が、２３日で４５歳になることを知る・・・・おぉ、もうそんな年に、歳月がたつのは、早いのね。ちなみに、午前、人間ドック。色々とひっかりまくり、内視鏡検査となる。遺伝の糖尿病もあるしねぇ。まぁくよくよしても仕方がないので、朝とお昼を兼ねた、食事後、髪を切りに行き、日用品の買い物と郵便局周り。いやぁ～くるくるとよく動き、その後のコンサートでは、あった。天気がよいので、キモノに着替えてコンサートの後、友人とはじめて行くイタリアンにて食事。ここでもディナーコンサート（ピアノ＆マンドリン）をやっていて、結構楽しめた！本日のキモノ：砂色の紬、季節の梅柄。帯：茶のちりめん、おもちゃ柄。帯締め：緑色に真珠の帯留、帯揚げ：海老茶＆黄土色ぼかし半襟：緑色柄あり絞足袋：別珍の黄土色下駄：海老茶色鼻緒コート：リバーシブルのコートの銘仙柄（葡萄柄）を着用。新しいのって楽し～～い。

January 22, 2005

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プラハ国立歌劇場「魔笛」

本日は、上野文化会館にて引越し公演プラハ国立歌劇場「魔笛」を観劇。モーツアルトのこの作品は、フリーメーソンの理想とキリスト教の教義とを結合させた作品ということらしいが私は、宗教にはどうもうとくて・・で、ただただモーツアルトの音楽に酔いしれてみたいって気分のほうが根強いようである。まあ、むずかしいことはわからな～いっていうほうが正しい単なるミーハーなんですが、しかし、今日のタミーノ（フランチェスコ・ペトロッゥツイ）は、どうもねぇ。声質・雰囲気とも違ってるんじゃないのぉっと違和感が最後まであり何とも。また、出演者全員、第一幕は、ばらばらな感ありで、しまりのない舞台になっていたなぁ。残念。第二幕は、第一幕おおこけだった夜の女王（ジャニーヌ・テームス）が盛り返していたのが拾い物。また、演出は、一考を。火も水の試練もなんじゃこれの平板な照明の変化のみでつまらないことこの上ない。水の場合は、青い色がぼけてしまい水の試練にもなりえていなかったような気が、バレエ団とかも出ているのだから、もう少しなんとかならんかいと思ってしまう。演出家＆舞台美術（ラディスラフ・ショトロス、ヴラジミール・ニーヴルト）とも、現在、東京宝塚劇場・雪組公演のショー「夢の城」を見習いなさい。ここに人海戦術の妙と照明技術がある。でも、照明とかは新感線とか観たほうが、おもしろいかも知れない。本日のキモノ：落ち着いた感じの空色梨地の付け下げ。お正月なのでおめでたい貝桶刺繍模様。帯：長嶋帯金銀四季花袋帯帯締：空灰色から桃色への色変わり、帯揚：紫綸子半襟：藤色梅柄刺繍色足袋：白雨コート：白黒ベージュ矢絣模様＊面識のない方から、こういう席ではやはりキモノですよね。豪華で素敵とほめられる。雨模様でもキモノでよかったと思った一時であった。

January 16, 2005

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