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カテゴリ:着物道場
織りの着物(紬)が大好きな方も、多いことでしょう。
ただ、着付けがうまくいかない、と お悩みの方も、多いことでしょう。 織りの着物の、着付け上の悩みとは、なんでしょうか。 一番のお悩み… 裾の返り・めくれ 歩くと、こんな感じになっちゃいませんか 柔らか物(染め)の着物なら、大丈夫なのに、 紬り物(紬)の着物だと、歩いている時に、 なぜか、裾がめくれ上がって困る、 何度直しても、めくれてしまう、ということは、ありませんか。 直しても、直しても、パコン・パコンとめくれちゃう その理由は、2つあります。 【理由1】裾線が下過ぎるから。 織りと染めの裾線は、違います。 織りの着物(紬)はあくまで労働着。 チャッチャッと動けるように、 裾線は短めに仕上げます。 今は、大島紬などで本気の家事をする人はいないでしょうが、 本来、紬とは労働のためにあるものです。 染めの着物の時と同じ裾線で、織りの着物を着上げると、 歩くたびに踵が触れて、めくれ上がってしまいます(理由2へ)。 染めの着物の着付けに慣れている方に、多くみられる現象です。 【理由2】生地が軽いから。 織りの着物の中でも、大島のようなサラサラ物は、とても軽いです。 そのため、歩いている時に、踵が触れると、それだけで、 めくれてしまい、軽いために、落ちてきません。 縮緬などの染物は、重さがあるので、 踵が触れても、めくれにくい。 もしめくれても、生地の重みですぐにおりてきます。 では、どうしたらよいでしょうか。 【対策1】裾線を、染めの時より短めにする。 着付け教室にもよりますが、一般的に、 裾線は、染めの着物の時は、床から指2本幅とされています。 床から3~4センチ、というところでしょうか。 織りの着物の時には、床から指3本幅にしましょう。 床から4~6センチ程度になります。 これで、歩いても、踵が裾に触れないはずです。 【対策2】両脇の褄を上げ過ぎない。 裾すぼまりにしたいために、両脇の褄をきゅ~っと上げていると思います。 それ自体は、間違ってません。必ずしましょう。 ただ、染めと織りの時には、上げ方も変えましょう。 昔(20年位前)は、左の褄は、10センチ以上上げるようにと言われたものです。 今は、上げ過ぎると、とても古臭い着付けになります。 左の褄は、上げても染めなら、5センチ、織りなら3センチまで。 右の褄(内側になって見えないほう)も、同様です。 【対策3】対策2と同様ですが、 右の褄を上げ過ぎないとわかっていても、 加減はなかなかわかりにくい…。 そこで、全く上げない、または、 ほんのちょっと1センチ程度しか上げないで腰紐を掛けて、 腰紐を掛けてから(裾線が決まってから)、 身頃の中に手を入れて、 右褄を、腰紐の上の位置から、くいくい上げる(といっても、3センチ程度) という方法をお勧めします。 これをすると、 褄が上がるだけでなく、 下身頃のお腹の余った生地も引っ張られて、平らになるので、 お腹周りもすっきりします。 ★褄を上げ過ぎないこと! 着付けが上手な方に、やり過ぎ傾向があるので、要注意です。 両方の褄をあげるということは、 褄→\ / ←褄 --- ↑ こういう、なだらかな形をイメージしていると思いますが、 後の裾 実際は、両褄を上げれば上げるほど、 褄→\ /←褄 \ / \ / - こんな感じに、とんがっています。 ↑ このとんがりに、踵が当たって、めくれるわけです。 後の裾 着物は繋がっているので、 どこかを引けば、どこかに影響があります。 染めと織りとで、着付け方法を変える、 ということを、忘れないで下さいね。 織りの着物は、どんなに高級でも、高価でも、文化財だとしても、 あくまで労働着。 長い裾では、テキパキ仕事はできないと考えれば、 自然と裾も短めになるはずです。 歩き方も、染めのようにしっとりたおやか、というよりは、 紬らしく、元気にスタスタ歩きましょう。 着物、怖い? いえいえ、着物、面白い! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.08.08 08:55:47
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