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カテゴリ:着物道場
昨日の続きです。
二部式の襦袢は、既製品はポリが多いです。 探せば、希少ですが、正絹もあります。 でも、既製品だから、自分寸法ではないです。 せっかく正絹なのに、既成サイズとはもったいない。 そこで、洗える正絹の二部式を作ります。 1.普通の正絹の反物を用意する。 普通の正絹の、長襦袢用の反物です。 呉服店でもいいし、 ネットやリサイクル屋さんで、お安く手に入れてもOK。 2.反物を解き、すのこ畳みにして、ざっくりまとめる。 3.洗濯機に入れて、「おうちクリーニング」などの 優しいモードで、普通に洗う。 通常、なぜ正絹を洗ってはいけないかというと、 絹は洗うと、縮むからです。 綺麗に一回り縮むなら簡単ですが、そうはいきません。 全体が均一に縮むことはなく、ヨレヨレになります。 仕立ててある場合、生地と糸の伸縮率も違います。 そこで、仕立てる前に、最初から洗っておきます。 ここで、わざと縮めておくわけです。 今後も手洗いのつもりの方なら、ここでも手洗いがよいでしょう。 散歩ネコは、帰宅すると、脱いで洗濯機にバサッといれるので、 前準備の時も、洗濯機で洗います。 4.いつもの方法で、普通に乾燥させる。反物を広げながら。 物干し竿を使うなら、反物が重ならないように、 できるだけずらしながら、グルグルと回し掛けていきます。 散歩ネコは、洗濯物は全て乾燥機で仕上げるので、 ここでも乾燥機を使います。乾燥機に放り込み~ せっかくの絹だというのに、過酷な扱いです。 日常着として着ているので。 5.気になるなら、アイロン掛け。 大丈夫そうなら、アイロンなしでも。 シワの状態によりますが、掛けたほうが綺麗に仕上がります。 反物なので、なが~く掛けます。 6.持ち込みの反物で、二部式を作ってくれる呉服屋さんに依頼。 どこでもいいですが、 散歩ネコは、「鈴乃屋 上野本店」の森本さん(男性)に頼みます。 反物の持ち込みを受け付けないところもあるので、注意。 持ち込みはできても、二部式を仕立てたことがない、という 呉服屋さんもあるので、それも注意。 散歩ネコは、何度も依頼しているので、あちらも慣れたものです。 自分寸法で出来上がります。 7.一か月前後で、完成 袖と、お腰が正絹の、肌触りのよい二部式が完成です しかも、洗えるので、脱ぐたびに、洗濯機にそのまま放り込み。 着物用洗濯ネットに入れれば、もっと安心。 アイロンなしでもいい仕上がりになります。 ウソツキ襦袢(嫌な名前です)の場合、 ポリがイヤなら、正絹で替え袖を作ることもできますが、 お腰はポリのまま、という方も多いと思います。 散歩ネコは、以前、自分で「洗える正絹お腰」を作ったことがありますが、 大変な苦労でした。こんなに大変と知っていれば、やりませんでした。 だったら、正当な仕立て代を出して、プロにやってもらったほうが 良いと思いました。綺麗だし、早いし。 因みに、二部式襦袢の仕立て代は、反物持ち込みで、 上(半襦袢)が、1万2千円、下(お腰)が1万円(税抜き)。 両方とも、さらし部分は、お店が用意してくれます。 半襟や居敷当をつけるかどうかで、追加料金が掛かります。 以上は、鈴乃屋の場合です。 表の着物は絹に拘る方でも、 襦袢は平気でポリの方がいらっしゃいます。 確かに、絹の着物は、着付けもしやすいし、肌触りもいいし、 落ち感もあって、着姿も決まります。 でも、着物だけが絹でも、襦袢がポリでは、 夏はベタベタするし、冬はスカスカするし、肌触りも悪いです。 外も絹なら、中も絹が一番いいと思います。 説明のため、文字が多くてすみません。 着物専用ネットに、二部式の下を入れたところ。 カバーが二重になっていて、 下のカバーには、紐もついています。 これで、中のものを優しく押さえます。 着物だ、帯だ、小物だと、外側ばかり目が行きがちですが、 着れば着るほど、気になるのが、見えない部分。 肌着、長襦袢、半衿などは、自分好みの方法を見つけるまで、 長い旅路となります。 皆さまそれぞれ、納得のいく「見えないもの」に 巡り合えますように・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.07.13 21:37:12
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