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カテゴリ:着物道場
以前、傷んだ裾をどうするかで、ブログをアップしたことがあります。
その時、お問い合わせを沢山頂きましたので、 今日はもう少し、詳しくご説明いたします。 傷んだ裾。 無残・・・ なぜここまで放置したのか・・・とお思いでしょう。 自分でもそう思うのですが、 意外と気づかず、着ているものなのです(T_T) 着物の裾がボロボロになるなんて、 あまり着ない方は、 一生に一度も経験しないかも知れません。 着物をよく着る方、 特に、お茶や着付けの先生、その生徒さんなど 和室を利用する方は、何度か経験するかも。 畳みでこすって、裾を痛めることが多いんです。 散歩ネコはよく歩くので、 裾さばきでこすってしまいます。 記載している金額は、あくまで目安です。 呉服店、悉皆屋さんにより差がありますので、 それぞれご確認下さい。 【対処法1】 仕立て直し+新しい八掛代 着物を解いて、洗い張りをし、完全に仕立て直す方法。 その時に、新しい八掛に替えます。 八掛が傷んでいる時は、 表地も汚れていたりすることも多いので、 仕立て直すいい機会でもあります。 体型が変わってきた時も、ちょうど良いです。 洗い張り代(しなくてもよい)、 お仕立て代(約2~3万円)+新しい八掛代(約8千円)。 合計で約3~4万円。 八掛交換は、着物の下を全て解くことになるので、 意外と手間が掛かります。 【対処法2】 八掛交換/費用・加工料1万5千円前後 呉服店によっては、完全な仕立て直し料金ではなく、 「八掛交換」という、定額で受けてくれるところがあります。 「交換」には、 新しい八掛に交換する場合、 同じ八掛の上下を逆にする、 少し下に折り込んで仕立て直しする、 も含みます。 その後、着物をよく着る方にとっては、 裾が痛むことは、よくあることだと知り、 先輩方に対処方法を教えて頂きました。 同じ八掛を使う場合、加工料は約2万円。 新しい八掛に交換する場合、+八掛代。 同じ八掛を使う場合、その分、お安くできますが、 裾が擦り切れるほど着ている時は、 八掛全体も傷んでいることがおおいので、 新しい八掛に交換するのが一般的なようです。 でも、共八掛だったり、 とても思い入れがある八掛だったら、 使いまわしもありです。 同じ八掛を使いまわしできない場合があります。 ぼかしの場合は、 ぼかしの位置が変わってしまうので、 新しい八掛がおすすめです。 柄あり八掛も同様です。 八掛に縫込みが少ない時も、新しい八掛交換になります。 まずは、慣れている呉服店・悉皆屋さんにご相談を。 【対処法3】 自分でガロンレース付け/費用・約300円 確かに、【対処法1】に比べたら、【対処法2】もいいですが、 毎年、かなりの数の着物の裾がダメになる生活をしていると、 少しでもお安く押さえたい・・・ 散歩ネコは、毎年、3~4枚の着物の裾がダメになります。 そこで、ガロンレース(ガロンテープ)。 昭和初期、母が娘時代に着た銘仙。約70年前。 散歩ネコは、この銘仙を、ずーっと前にもらっていたのに、 すっかり忘れて、目新しいことばかりに、頭がいってました。 仕立てたのは、母の10歳上の姉。和裁士ではなく、普通の人。 この時代(戦前)、ガロンレースが一般的だったことがわかります。 これこそ、「普段着の着物」ではないでしょうか。 褄(つま・裾の角のところ)の処理の仕方が、 「着物を大切にしている人」ならではだと思います。 散歩ネコも真似して、自分の着物につけてみました。 今回、八掛とガロンレースは同色系にしてみましたが、 ネットで色々調べると、 わざと反対色にしたり、同系色だけど濃い色にしたりと、 ガロンレースを楽しんでいる方が随分いました。 オカダヤの通信販売で買った、ガロンレースの全色。 1個抜けているところが、前述で使ったラベンダー色があったところ。 整理整頓、だ~い好き ♡ 色んな場所で販売していますが、ネットでも購入できます。 検索ワードは、 「ガロンレース」又は「ガロンテープ」です。 「ガロン」とは、フランス語で、 縁飾り、飾り紐、という意味だそうです。 ガロンレースの一例。 台紙の下に、「袖口裾廻一着共有分」 と書いてあります。 袖口も汚れやすいので、 初めから 袖口、裾一周がセットで用意されています。 確か、1点500円前後だったような気が… 自分で縫い付ける、という手間はありますが、この安さ・・・ 今までの出費はなんだったのか、灯台下暗し・・・ 着物の裾、傷んでませんか? たま~に、すっごくお洒落で、髪型もバッチリ決まって、 コーディネイトも完璧、雑誌から抜け出たような方が、 坐っている時、階段で裾がめくれた時、 まさかの裾がボロボロで、ガッカリすることがあります。 気持ちよく着ていらっしゃると思うと、 とても指摘できません・・・(>_<) 畳むときに、シミだけでなく、裾・袖口の痛みも、チェックしましょう。 ガロンレースをつける時期ですが、 最初からつけてもよし、傷んでからつけてもよし、 その方の考え方により、様々です。 勿論、普段着だけ。 訪問着や、セミフォーマルに準ずる小紋には、やめておきましょう。 つける時は、ピコットレースになっている方が、下になります。 今回は、費用を重視したお話となりましたが、 どの方法にも、それぞれ長所・短所があります。 勿論、八掛をスッキリ交換できたら、一番気持ちいいですよね。 お好きな方法でどうぞ(^_^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.10 10:32:15
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