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カテゴリ:着物道場
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。 今日は久しぶりの、着物道場。 ちりめんなどに多い、 ヨレヨレ、フニャフニャ根性なし帯の、 自分なりの対応方法です。 素人の自己流ですので、 和裁士さん達、どうか笑って許して・・・ *********************************** そもそも、なぜ縮緬(ちりめん)生地の帯は、フニャフニャになるのか。 縮緬は、元々、撚(よ)りを掛けた糸を織って、 更にお湯を通して、わざわざ撚りを戻して、 出てきたヨレヨレ(シボ)を楽しむものなので、 フニャフニャで当たり前ともいえます。 それを帯にする場合、 帯芯を起毛にすると、引っ掛かりが出て、生地が安定するともいいます。 そして、今回の課題。 その1. 胴の2巻目のフニャフニャをハード芯で補強する。 ソノ2. お太鼓のタレ先のフニャフニャ(袋状)をキチっとさせる。 ********************************** 課題 その1 まずは、同の2巻目をしっかりさせるため、ハード芯で補強します。 この帯は、ネットで購入。 仕立て上がり(完成品)、新品・未使用。 色も柄も好み、寸法も自分にピッタリ! しかし~、届いてガッカリ~ とにかく、フニャフニャ。 散歩ネコの人生のように、張りがない。 この状態で完成品、芯も入っているんですよ~。 どんな芯なの~(T_T) 頑張って着用したこともありますが、 締めにくい帯は、結局、使わなくなる。 なんとか、使用できるようにしたい。 自作帯の時に使う、洋裁用の接着芯のハードタイプを、 胴回りの2巻目にあたるように、位置を決定。 印をつけているのは、時間の経過により自然に消えるチャコペン。 小道具も、最新をチェックしておくことが大切。 自作帯は、名古屋スタイル(前幅をはじめから半分にしている)。 裏地をつけなくていいから、生地の節約ができます。 でも、この帯は、開きスタイル。タレ先から手先まで、開いています。 いつものやり方と違うから、面倒~、 とは思うけれど、帯を生き返らせるために、頑張る! 中にハード芯を入れるので、裏地を外します。 あ~、面倒~。 全部外すか、該当する部分だけにするか、いつも迷いますが、 今回は、該当する部分だけ。 開けてビックリ。 手ぬぐいのような、ペラペラ芯でした。起毛どころではない。 これって、芯っていうかな~。 店頭で手触りを確認できてたら、絶対に買わなかったな。 該当する部分を外し、裏地をペロ~ンとめくり、 ハード芯を当てます。 ハード芯の裏は、アイロンを掛けると接着します。 手前が、ハード芯。 このハード芯は、生地問屋さんに行って、 「一番硬い接着芯を下さい!」と、メーター買いしたもの。 カチカチです。 無事に接着完了。 しっかりした2巻目になりました。 裏地を元に戻します。 両側を縫い留めます。 ここで、ちょっと問題発覚。 予定では、ぴったり戻るはずだったのに、 裏地の幅が、短くなりました。 表は変わりないのに。 多分、アイロンを当てたので、 表と裏の生地幅が変わったのだと思います。 元々、伸縮率が違ったのでしょう。 これは、やってみないとわからないこと。 そこで、裏地の両端を5ミリずつ出して、縫い留めました。 手直した部分から、5ミリずつ広がっているのが見えます。 伸縮率による誤差は、自分直しでは、よくあること。 今まで沢山失敗してきたので、それが活かせてよかった。 ****************************************** ここから、課題その2。 タレ先のたるみを取ります。 画像ではわかりにくいですが、 お太鼓のタレ先の生地がたれて、ブヨブヨになっています。 特に、裏側の生地が、表地よりも下に出ています。 これを、「袋になってる」といいます。 許せん。 タレ先を開けます。 ああ~、これは、表側と裏側がつながっているタイプでした。 だから、尚更、袋になりやすかったのかな。 散歩ネコは、表と裏を切り離す方法なので、ここもハサミで裁断。 帯芯も、表側と裏側の2枚となりました。 タレ先に補強するハード芯を選びます。 先程の2巻目を補強する時にも使いましたが、 使いかけの生地には、寸法のメモを書いています。 一見、面倒のようですが、これがないと、 「これは足りるかしら?」と、毎回毎回、 採寸ばかりに時間が取られます。すごいストレス。 色々やってみて、 こういう準備をしていることが、仕事をスムーズに進めるコツのようです。 元々の芯が、表と裏と、2枚あるので、 補強芯も、2枚にします。 1枚でもいいですが、生地がちょうどあったので。 上が、表側をひっくり返したところ。 下が、お太鼓の裏側。 いきなり縫い留めるのは心配なので、 上から下へ、何度もなぞって、たるみを取ります。 画像はないですが、平置きだけでなく、 着ている時のように、タテにもして。 ここでゆるみが出ると、また袋になってしまうから、もう必死。 何度も繰り返します。 とはいえ、やりすぎると、生地が引きつれて、それもダメ。 縮緬の扱いは、本当に難しい。 一番大事な、タレ先のカド。 生地のたたみ方にもルールがあって、 どちらを先に折り返すか、その順番も大切。 持っている帯を見て、確認。 こういうポイントポイントを守っていれば、 たとえ自己流の「なんちゃって和裁」でも、 それなりに、きちんと帯に見えます。 スタンド型アイロン台を作業台にしています。 よく使う位置に、手ぬぐいを当てて、汚れたら交換。 今は、ネコ柄手ぬぐい。 仕上げは、外側から、「なんちゃってくけぬい」で、 縫い目が見えないように。 こうして説明すると、 自分のいい加減さが身に沁みます・・・ 完成! これで、今年はガンガン締めて行こう! それにしても、面倒だった・・・ 着物を着ていると、 ここをちょっと直したいとか、ここをちょっと変えたいとか、 ちょっとのことが、沢山でてきます。 でも、いちいち呉服屋さんに直しに出すのは、意外と手間。 自分でできればな~、早いしな~、楽だしな~ と、シンプルな気持ちから始めた「自分 de お直し」ですが、 道具を揃えたり、材料もいるし、 ぴったり使い切るわけではないし、ハンパ物はでるし、 糸だって、各色いるし、生地に合わせて、絹もポリも綿も必要。 散歩ネコの家のあり様ったら、すごいです。 ハード芯だって、買う時は、メーター単位なのに、 今回は幅31cm×8cmしか使わなかった。 残りどうするって、ことになります。 散歩ネコの家には、こういうハンパ物ばかり。 もう管理が大変。 それを考えると、呉服屋さんに持っていて、 「これお願いね」と、お金を払ってやってもらったほうが よっぽど楽だと思います。 なのに、なぜ自分でやるのかというと、 散歩ネコの場合、着物や帯の仕組みを知るのが楽しいから、 この一言につきます。 ふと見回すと、 まるで、職人(なんの?)の仕事部屋のように、 材料と道具だらけになってしまったリビング・・・ どんなに掃除をしても出てくる、糸くず、生地の切れ端・・・ このあり様を見ると、 「簡単だから、やってみて!」とは、とてもオススメできません。 でもでも、ご興味ある方、是非是非チャレンジしてみて下さいな。 確かに面倒、でも、それ以上の楽しさですから! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.01.05 13:51:47
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