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カテゴリ:着物ネタ
中越沖地震が起きてしまいました。
非常に大きな地震で驚いたと共に、この地域での大きな地震は記憶にも新しいものです。やっと落ち着いたか、いや未だ心の傷は癒えないうちに、またしてもこの地震です。 被災者の方々の心と体の傷を覚えます。 一日も早く、地震が落ち着き、安心した暮らしが取り戻せるように 祈るばかりです。 実は前回の地震でも、着物の産地がやられてしまったということで 業界にとっても大きな影響がありました。 残念ながら震災で復興できず、着物の生産をやめてしまった方々が少なくありません。 新潟や長野、この地域は着物の生産でも有名かつ、優れた技術の集まった地域でもあるのです。 小千谷やその周辺、皆さんも小千谷紬や小千谷縮という名称は聞いたことがあることでしょう。 本場・黄八丈というのは、東京の八丈島で生産されておりましたが、 後継者がおらず、残念ながら今は一軒のみしかないということで、 実質的には廃れてしまいました。 その黄八丈の技術と魅力を継承したのが、新潟地方の方々です。 本場と名乗ることは出来ませんが、今、呉服屋で売られている黄八丈の多くは、新潟で作られたものでしょう。 (とは言っても、流通量も少なくて、呉服屋さんでも置いていないか、あっても奥にしまってあることでしょう) また、夏は琉球の着物が涼しくて素敵ですよね! 琉球絣、芭蕉布など。 これらも、新潟地方では、非常に良く真似て生産することが出来ます。 本場琉球の着物は、お値段も高くて手が出ない!という方でも、 新潟産琉球絣などは、比較的お手ごろでお求め安いものです。 残念ながら、これらの技術が廃れてしまうかもしれません。 やはり機織りは、一つの反物を織るのに手間隙かかる割りに、儲けは少ないのです。生活に困らない位の稼ぎは出来ても、やはり壊れた機械を直したり買い換えたりしてやっていくには、大変なことだと想像されます。 着物の反物は、私たちが購入する際は 万単位、いや、十万単位だったりしますから、決して安い買い物ではありません。その上、今は手ごろなポリエステルが技術が向上し、正絹に近い風合いで販売されていますから、正絹着物を織るには厳しい状況にあります。 生産者の方を助け、また後継者を育て、技術を後世に伝えるためには、私たち着物愛好家や消費者が、目先のことにとらわれることなく、値段と質をしっかり見極めて購入することも大事です。 地震の話から逸れてしまいましたが、この素晴らしい技術が廃れることがないように、願うばかりです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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