同期力
手技療法上達のコツは、骨格や内臓と同期すること。先週、オステオパシー研修会でのテーマのひとつでした。同期するにはイメージが鍵。骨格模型や解剖書をとことん利用して、肝臓なら肝臓のかたちや位置をしっかりイメージできるようにする。右肋骨の下に大半が隠れている肝臓を、その肋骨の上から触っても、普通なら何も分からない気がします。でも分かるのです。イメージして同期できると、居酒屋のワイワイガヤガヤした雑音の中から、テーブルで向い合って飲んでいる友人の声だけをひろえるように。肋骨もあれば皮膚も筋肉もあるその上から触って、さらには呼吸や、心臓の拍動とも混ざり合う中から、肝臓の張りや動きだけをひろい上げ、感じることができます。感じられたら、今度はこちらが描く、元気な肝臓のイメージと同期するように調整。自分の体とも同期できます。例えば「健康な体」「美しい体」を創るとき。理想の体をイメージすると、現状の体との間で情報交換が行われ、不要なもの、足りないものを教えてくれます。雑誌をパラパラめくっていて「お腹を引っ込めるエクサイズ特集」が目にとまったとき、その方法や回数を覚えて、ただがむしゃらに実行は、しないほうがいいです。30回×3セット、なんて書いてあっても、それは大勢の読者に合わせた平均を、ひとまず設定しただけ。それよりも、記事中に載っている、かっこいいボディのモデルさん写真を切り抜き、常に目につくところに貼っておきましょう。そうすれば、理想の体との同期がしやすくなり、真に必要なエクササイズやアドバイザーと出会うことができます。どんなことにも応用できそうですよね。いきなり行動に移さずに、まずは心を落ち着けて、未来の姿としっかり同期する。実は、あらためて構えるまでもなく、みんなすでに普段からやっているのですが。今日のランチは何を食べようか。あそこのカレーがいい、と頭に浮かぶ(同期)。カレー屋さんに行って食べる(行動)。そんなシンプルなことみたいです。「あ、今日は臨時休業日だ」って感じるくらいまで同期できれば、バッチリかも。同期力、ますます磨かれますように。