通過する
「実現したい夢があったら、ただそうなりにいけばいい。朝、新聞受けに新聞を取りにいくように。そば屋にそばを食べにいくように。ごく当たり前のことのように」ときどき耳にする、夢の実現法。なるほどと思う反面、この「ごく当たり前」を保ちながら、自分の目指す方向へ行動するのって、簡単じゃないですよね。いろいろ試しているうちに、ヒントを見つけました。合気道部のキャプテンは、部員全体に目を配り、周りに意識を向けながら自分の稽古をするため、目の前にいる相手に対して力むことなく、技がスイスイかかるそうです。電車のドアが開いた瞬間に席取りダッシュするおばちゃんは、席だけ見ているから、行く手に自分の倍くらいある男性がいても目に入らず、それこそ合気道の達人のように、大男をふっとばしてしまったり。古武術の稽古会に参加させてもらったとき、5、6人が受け手として列を作り、一人の攻め手が、受け手列の先頭と向かい合って立ち、受け手を順番に突き飛ばしながら進む稽古を体験しました。先頭の人に意識を向けると、相手が、特に自分より大きかったときには全然ビクともしません。列の最後の人に意識を向け、途中の人は目に入っていないがごとく突き飛ばしながら進んでいくと、なぜか受け手のみんなは、軽々突き飛ばされてしまいます。施術も、来院したお客様の主訴ではなく、全身の歪みを整えることに意識を向けると、その途中にある快調な状態は当たり前のように実現します。風邪を引かないコツ。おかげさまで今週も来週も予約が満員だと、そちらに意識が先にいっているので、途中、風邪など引いて寝込んでいる状態には意識が向きません。手前味噌ながら、プロレスラーになりたいことだけに意識が向いていた高校時代、高校生のレスリング大会くらい勝てて当たり前、と思っていたから勝てたんだと、ときどき思います。全国大会優勝を最大の夢にしていたら、力みすぎて一回戦負けだったかも。まとめると、実現したい夢は、さらに大きな夢の途中に置けばよい。いや、ちょっとまとまっていないところもありますが、なんとなく共通するところ、あるような気がしませんか?仕上げの日本酒を意識しながら、とりあえずビール……は違いますね、確実に。