確信
「足首を回しただけなのに、なぜ肩が軽くなるの?」「なぜ肩を整えると、腰が柔らかくなるの?」均整の施術を初めて受けたお客様からいただく感想であるとともに、均整法学園で勉強中の学生さん達が日々驚き、感じる疑問でもあります。私も当時そうでした。全身はつながっていて、多くの場合、不調を感じさせている箇所が別にある。このことは様々な科目を通じて習い、頭では十分に分かっています。ただ最初のうちは、肩を軽くするために、肩ではなく足首を操作する勇気が持てません。小さい頃、肩こりのおじいちゃんの肩たたきをして喜ばれた記憶があったとしたら、それを足首回しに置き換えて、喜ばれる確信が持てないのです。確信を持つための学園授業であり、卒業後の勉強会や講習会。最初は講師が見せてくれる技を真似しても、できたりできなかったり。頭で理解し、行動を通じて、腑に落とす。楳図かずお氏の漫画「まことちゃん」のお姉さんは、ストローと間違えた(確信した)箸で、ジュースを吸うことができました。もちろんギャグとして描かれているのですが、突き詰めればこれもありだと思います。首(頸椎)を整えて肩が軽くなるのは、場所が近いから、まだ確信しやすい。次はお腹で肩、その次は腰で肩……足首で肩と、少しずつ遠くへ離れても、肩にはちゃんと届くことを体験しながら、だんだんと、それが当たり前の状態に。‘手当て’というくらいですから、自分でも他の誰かでも、辛そうなところに手を当てたくなるのが本能です。そこをグッとこらえ、全身を検索。真の原因の足首や土踏まずに、手を持っていけるようになりますよ。来年の夏休み。両親につれられて遊びに来たお孫さんに「肩たたいてあげる」ではなく、「足首回してあげる」って、言われたりして。均整師パパやママなら、あり得ます。おじいちゃん、おばあちゃん、びっくりしないで下さいね。