100万コロコロ
「基本を半年、一年かけて身につけたあと、それでもにじみ出てくるものが個性であり、強みになるんです」絵画の先生をされているお客様から伺いました。強みが見えはじめた生徒さんに「そこを伸ばせば、きっとあなたの武器になりますよ」と伝えたとき。素直に受け入れ、ぐんぐん伸びていく人、にじみ出たものが自分の目指すスタイルと違うため納得できず、悶々とし続ける人に分かれるとも。最初にイメージした理想を追求する情熱と同じくらい、とらわれすぎないフットワークの軽さも大事なようです。プロレス好きな小学生がプロレスラーを目指し、田んぼ道に捨ててあったダンプカーの古タイヤをゴロゴロ転がして、家の庭に持ち帰りました。タイヤ相手にキックやブリッジの練習。積み上げた基本からはプロレスラーではなく均整師がにじみ出ましたが、おかげさまで12年、楽しくやっています。‘強み’に納得できないなら‘役目’として。流れに乗ってみるのもありですよね。にじみ出たものが自分の本意でなくても、誰か一人でも認めてくれるなら。転がるほうへコロコロ進んでいるうちに、いつか、100万人が喜んでくれるかもしれませんよ。