指の個性
開業以来12年使っている、施術ベッド用シーツ。あ、もちろん1枚ではなく、たくさんありますよ。そのうちの何枚かに、足の形に薄く透けているところがあると、最近気がつきました。下の写真では分かりにくいのですが、バスタオルT字の、両腋の下あたり。うつ伏せのお客様に、上から失礼しての施術時、足を置く位置なのです。「嵩山少林寺」の修行僧達が、長年の拳法鍛錬で日々踏みしめ、へこんだ石畳を思い出して、ちょっとうれしくなりました。子どもの頃、どこかの兄ちゃんが、手でつかんだジーンズを車の窓から道路にたらして、ザザーッとアスファルトにこすらせながら、車を走らせていく光景を見たことがあります。使い込んだ感を出したかったのでしょうね。学生時代、新品の国語辞典や英和辞典の使い込んだ感を出すため、用事もないのに、ペラペラめくっていた人もいるかもしれません(私もです……)。レスラーや柔道家、サンビストなど、組み技系格闘技の選手の多くは、激しい練習や試合を続けるうちに、耳の形がボコボコしてきます。その人の得意な戦い方や強さ、ピンチをチャンスに変えてきた数を表す歴戦の耳。均整師を初め、手技療法家の手や指も、使う手技により、何十年かのうちに、それぞれ個性が現れます。今週初めに開催された、身体均整師会全国講習会は第123回。様々な形をした先輩均整師の指をチラチラ見ていると、均整師歴12年の指は、まだまだ個性少なな感じがしました。自分が描く、理想の均整師になるためには?年に2回の講習会。第200回に参加の頃には、シーツは3回くらい総入れ替えして、指の個性も、よりはっきりしてくるでしょう。指を通して、目指す姿を再確認するための、よい機会となりました。