カテゴリ:エッセイ
もうすぐ満月。
冷たい舌を持った肉食の獣に首筋をなめられるような怪しげな光が 遅い時間の長距離トラックだらけの国道を走る僕の車の中に差し込んでくる。 遠くには二つの巨大な橋のアーチが見え、 まるでお腹を空かせたしなやかな野生動物の背中を見ているようだ。 僕は思う。 これだけの大量の車が大地を揺らしながら夜の闇に突き刺さるなら、 いつしかその無神経さに怒りを露わにした夜を支配する闇の恐怖が、その大きな 動くだけで世界が凍るようなその身体をひるがえし、僕らを飲み込む時が来るかもしれない。 そこには時も、光も、美も、ささやかな痛みの感覚もなく、 無という巨大な孤独が皆を包み込んでしまうのだと思う。。 遥か遠くへ。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 1, 2007 01:20:46 AM
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