カテゴリ:エッセイ
昨日1週間ほど故障で入院していた車が帰ってきた。
この車にはもう10年ほど乗っていて、苦楽をともにしてきたような愛着がある。 もともとでっかい車が好きで、安くてでっかい中古車。。で見つけたのが 今のアメ車なんだけれど、個性がむっちゃ強くて乗りにくいところまで気に入ってる。 今回1週間の入院中は15年くらい前の軽自動車が代車で、 普通に乗ってる車の半分以下の小回りと排気量で、スピードを上げるとエンジンが うーん!てうなってた。 けれど、2日も乗れば慣れてきて、結構自分ってどこでもどんな生活でも 生きていけるんだなぁ、と不思議に感心したりしてた。 けど、やっと車が帰ってきて、席に座るとやっぱり我が家のような落ち着きだったし、 不思議だったのは、席に座った瞬間よりも、MDのスイッチを入れて、音楽が流れてきた瞬間。 あーこれが自分の世界なんだ。と感じた。 それはまるで、ビーカーに張った水の表面にブルーの絵の具の水滴を垂らしたときのように、 すーっとすごい勢いで広がって自分を包んだ。 今までの車に乗っていたときの微妙な空気の違和感が一瞬で消えて、 この車と過ごしてきた想い出までもが蘇るくらいに透明な力で、目の前の景色を一変させた。 人の心にはいろんなスイッチがあるんだと思う。 そのスイッチはその人だけしかわからない不思議な暗号によって作られていて、 本人すら気づかないタイミングで心の湖に一瞬の鳥のキラメキを写し取る。 たくさんの心のスイッチが、いつ心の回線をオンにするのかなんて、 さっぱりわからない。それって、素敵だな。と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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