カテゴリ:エッセイ
このお盆休みは実家の広島に帰省していた。
その帰省初日の12日のこと。 夕方とは言え混み合う新幹線の中、立ちっ放しで疲れる人々、 その合間で、自分は新大阪あたりで席に座ることができた。 そして日々の疲れもあり、うつらうつらしていた。 それでもたまに起きていたのだが、その時、近くに立っていた若い夫婦連れの 奥さんが抱えていた赤ちゃんが泣き始めた。 お腹がすいたのか、眠たいのか、よくわからないが、お母さんがあやしても 泣き止まない。そりゃあお母さんも大変だよな、と思って、 少ししてから、その夫婦に声をかけた。 「あの、座ってください。。」 「いえいえ、次の岡山でもう降りますから。。」 慌てて断る若い夫婦。それと同時に「もうすぐ岡山」の案内が流れ、 確かにもうすぐであることをアナウンスが告げる。 それでもなんだか嬉しそうな二人。そうですか、と言って、 自分が座ってからも何度かこちらに礼をしてくれる。 なんとなく暖かい空気がそのあたりに漂う。。 少し照れながらもよく見ると、不思議なことにその赤ちゃんがすやすやと 眠り始めた。自分が声をかけてから本当にあっという間の出来事。 ん?当然のようだが、何かおかしい。なぜさっきまでぐずっていた赤ちゃんが 突然泣き止んで眠り始めたのか?社内の混雑も、お母さんの抱いている方法も 何も変わっていない。 変わったのは。。そうその場の空気だけ。 思うに、赤ちゃんというのはやはり敏感に周囲の状況を感じ取っていて、 母親の疲れを代弁するかのように泣いていたのではないだろうか。 そして、誰かが助けてくれようとした、そのホッとした空気すらも感じ取って、 安心して眠り始めたのではないだろうか。 人には本来そういう空気を読む力が自然に備わっているのでは。。 そういう空気を作り出すことで安らぐ心もたくさんあるのでは。。 そんなことを考えた社内だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 15, 2007 11:30:54 PM
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